毎日何気なく使っているお風呂場は、単なる体を洗う場所ではなく、一日の疲れを癒すリラクゼーションの空間としても重要な役割を担っています。
近年では快適な居住空間への需要が高まるなかで、美観や快適性の向上がユニットバスにも求められるようになっています。

ユニットバス

本記事では、ユニットバス(浴槽)の製造工程と研磨作業に焦点を当て、素材の特性から工程ごとの研磨材の選び方まで詳しく解説します。

目次

  1. ユニットバスメーカーの種類と素材
  2. 研磨の必要性
  3. 樹脂特性と砥粒選定のポイント
  4. 研磨工程:粗研磨→中研磨→仕上げ研磨
  5. 美しさを長持ちさせるメンテナンス
  6. まとめ

ユニットバスメーカーの種類と素材

国内の大手ユニットバスメーカー(一般住宅・マンション向け)は7〜8社ほど存在します。
一方、ホテルや病院、介護施設向けのオーダーメイドに特化した専門メーカーは10数社あり、それぞれの強みを活かした製品ラインナップを展開しています。

大手メーカーはFRP(繊維強化プラスチック)や人工大理石の研磨を得意とし、専門メーカーは天然石・ホーロー・木材など特殊素材の仕上げに独自の強みを持っています。

本記事では、一般住宅向けに広く普及しているFRP製・人工大理石製のユニットバスを中心に、成形方法と研磨工程を解説します。

真空成形

FRP・アクリル系人工大理石に対応。熱で柔らかくしたシートを型に沿わせ、真空状態で成形する。主に一般住宅向け。

プレス成形(SMC成形)

シート状樹脂を金型に圧力と熱でプレスして固める方法。主に集合住宅向け。

ハンドレイアップ / スプレーアップ

職人が手作業やロボットでガラス繊維と樹脂を積層する方法。オーダーメイド向けで、丁寧な作業が仕上がりを左右する。

成形直後の状態では、外周部のバリや表面の凹凸・型跡が残っています。研磨工程を経ることで、美しいユニットバスへと仕上げていきます。
成形工程のイメージ

研磨の必要性

肌が直接触れる浴槽では、バリや表面の凹凸が残ったままでは怪我につながる恐れがあります。
研磨作業では、手作業のほかサンダーやロボットなどの機械を用いて工程を進めます。

最終仕上げ工程まで進むと、表面は鏡面レベルまで滑らかになります。
この状態になると汚れが付きにくくなり、滑らかな表面を長期間維持することが可能となります。
また、日常のお手入れも格段に容易になります。

樹脂特性と砥粒選定のポイント

ユニットバスに使用されるポリエステル樹脂やアクリル樹脂は、研磨時に発生する熱が一定温度を超えるとを起こします。
これを防ぐために、耐水研磨紙を使用して水をかけながら研磨することで、不良率を低減することが可能です。

FRP(繊維強化プラスチック)

表面のゲルコート層は非常に薄いため、削りすぎると内部のガラス繊維が露出する恐れがあります。粒度の選定が仕上がりの鍵となります。

人工大理石(アクリル系・ポリエステル系)

FRPと異なり材質に厚みがある分、研磨の失敗は少なめです。ただし素材が硬いため研磨には手間がかかり、やや粗めの粒度を選ぶことで作業効率を高めることもできます。

粗〜中研磨に使用する主な素材

酸化アルミニウム(アランダム) 炭化ケイ素(シリコンカーバイド) サンドペーパー(紙やすり・研磨布)

仕上げ研磨に使用する主なアイテム

コンパウンド(液体・ペースト状) ウールバフ スポンジバフ ポリッシャー
樹脂特性と砥粒選定のイメージ

研磨工程:粗研磨→中研磨→仕上げ研磨

1

粗研磨(バリ取り・面出し)

成形時に発生した縁の「バリ」や表面の目立つ突起を削り落とします。粗いサンドペーパー(#180〜#400)を使用して形状を整え、大きな傷を消します。

2

中研磨(キズ消し)

粗研磨でついたやすり跡を、細かい研磨材(#600〜#1000)で消していきます。表面を平滑にし、光沢を出す前工程として重要なステップです。

中研磨 画像1
品種 基材 砥材 粒度(粗)
60 80 100 120 150 180 220 240 280 320
WTCC-S Cw CC
WRAC-S Cw AA
RRCC-S Cw CC
粒度(細) 360 400 500 600 800 1000 1200 1500 2000 2500
WTCC-S
WRAC-S
RRCC-S

※ ○ = 対応粒度

3

仕上げ・鏡面研磨

バフ(柔らかい布やスポンジ)にコンパウンド(#1000〜#1500)を塗布し、高速回転でユニットバス全体を磨き上げます。さらに超微粒子コンパウンド(#3000〜)とスポンジバフで鏡面仕上げを行うことで、陶器のような光沢と滑らかな肌面、汚れがつきにくい表面状態を実現します。

仕上げ・鏡面研磨 画像1 仕上げ・鏡面研磨 画像2

美しさを長持ちさせるメンテナンス

美しく仕上げられたユニットバスを維持するためには、ユーザー側のケアも重要です。

NG行為

硬いスポンジやクレンザーの使用。微細な傷が付き、そこに汚れが溜まって黒ずみの原因となります。

推奨ケア

柔らかいスポンジと浴室専用洗剤を使用し、最後に水滴を拭き取ることが、水垢を防ぎ光沢を保つ秘訣です。

まとめ

毎日の入浴で体を清潔に保ち、心身をリラックスさせてくれるお風呂場は、暮らしに欠かせない特別な空間です。
そのユニットバスの品質を支えているのが、適切な研磨工程です。

マイポックスでは高品質な研磨材を、グループ企業の「ウジケ」ではバフやコンパウンドを豊富に取り揃えています。
製造工程の効率化から製品の付加価値向上まで、研磨に関することならお気軽にご相談ください。