半導体製造工程ではプローブカードの応用でICチップスの機能テストを行い、不良品を抽出しています。このテスト工程は極めて重要で、ICチップス完成品の歩留まり率を20%以上改善しているとも言われています。
プローブカードは高価なため、プローブ針のクリーニングでプローブカードの寿命を伸ばすことが半導体テスティング業者の課題になっています。

本記事ではプローブカードの基本的な構造や種類のほか、プローブカードの寿命を伸ばす効果があるマイポックス製クリーニングシートをご紹介します。


目次

  1. プローブカードとは
    1. プローブカードの役割
    2. プローブカードの構造
    3. プローブカードの種類
  2. プローブカードの寿命を伸ばすには
    1. プローブ針の種類と相応する研磨シートの紹介
    2. マイポックスクリーニングシートの構造種類ラインナップ
  3. まとめ
    1. ▼関連記事:おすすめ
    2. ■よくある質問(FAQ)

プローブカードとは

 
プローブカードの写真

プローブカードの役割

プローブカードは半導体製造工程でウェーハの品質を検査する際に用いられる道具で、配線基板の上に多数の精密プローブ針を装着しています。検査の際はウェーハ検査装置の上にプローブカードを搭載し、上から下方のウェーハに接触させて検査を行います。電気回路がオープンかショットかの判別のほか、電流、抵抗値と周波数も測定できます。このようなテスティングは半導体チップスの品質確保および品質向上につながります。

プローブカードの構造

一般的なプローブカードは、丸い配線板の上に多数の精密プローブ針を装着した構造になっています。針の装着方式の違いによって、垂直型、カンチレバー、MEMSなどの種類があります。

プローブカードの構造
構造 針取付方式 メリット
垂直型 配線用基板に針ブロックを取り付ける プローブ配列自由、メンテナンス容易
カンチレバー 配線用基板に直接に針を取り付ける コスト、狭ピッチ対応
MEMS 配線用基板上に針を形成する(フォートプロセス) 精密度、狭ピッチ対応

プローブカード製造業者がカードを開発する際は、コスト、針のピッチ、測定される対象物へのダメージなどを考慮して型を決めます。

プローブカードの種類

プローブカードの種類と言えば、主にプローブ針先の形状の種類を指します。プローブ針には色んな種類があり、検査対象物の電極か端子の形状によって最適な針種類が変わります。代表的な針先形状は丸いタイプ(Round)、フラットタイプ(Flat)、クラウンタイプ(Crown、Pogo pin)などです。

プローブカードの種類
針種類 特性 形状
丸い 測定対象へのダメージが少ない round.png
フラット 検査対象に面で接触 round.png
クラウン(Pogo Pin) 凸形状の対象に接触 round.png

プローブカードの寿命を伸ばすには

ICチップスの検査では多数のプローブ針をウェーハチップスの端子に同時に各々接触します。針の寿命はウェーハチップス端子との接触回数によって摩耗さはりをとりますが、大体数十万回~数百万回の接触によって寿命を終えます。

毎日に大量に品質検査を行うため、もし針が大きく摩耗され、または異物付着という異常が発生すれば検査結果が間違ってしまいます。針への付着物を除去すれば針の寿命を延長できるので、定期的なメンテナンス(クリーニング)が非常に重要です。

プローブ針の種類と相応する研磨シートの紹介

検査対象物の電極か端子の形状によって最適な針種類が変わります。Mipoxでも違う針種類に対して、それぞれクリーニング効果の良い研磨シートを取り揃えています。すなわち、針(先端だけか側面も含めるか)に付着する異物の除去効果が良く、そしてクリーニングプロセスにおいて針の摩耗が少ないものが適切と言えます。針の摩耗が大きければ針の寿命が減ることを意味するわけです。

各種研磨シートの特性を以下の表にまとめます。

マイポックスクリーニングシートの構造種類ラインナップ

PET

  
(PETの構造)

説明   PET フィルムの上に研磨材を塗布、一般の研磨フィルム構造
特性   トップのクリーニング効果が抜群、フラット針に一番ふさわしい


PF3

 
(PF3の構造)

説明   平坦クッション層の上に研磨材を塗布
特性   針の摩耗が少なく、針側面もクリーニングできる


SWE

  
(SWEの構造)

説明      凹凸発泡樹脂の上に研磨材を塗布し、優れる弾力性を持つ
特性     針の摩耗が少なく、針側面もクリーニングできる


BC3

(BC3の構造)

説明       PET製品の背面に厚いノリ層を付ける
特性       針トップのクリーニング効果が良く、摩耗はPET製品より少ない


  • 針クリーニング効果の一例
 
(針クリーニング比較写真)

まとめ

以上のように、マイポックスの研磨シートは多種類のプローブ針のクリーニングに対応できると、顧客からその効果が評判されています。大まかに顧客の使用条件・使用経験をまとめると、針種類におけるクリーニングシートの対応関係は以下の参考表になります。

マイポックスのクリーニングシートの分類
シートタイプ クリーニング能力 使用温度
(Max℃)
針先摩耗性特徴対応針形状
先端側面
PET120High・ラッピングフィルム+粘着層の構造
・カンチレバー/フラット形状品に対応
・強固な付着物の除去に適した構造
PF3120Low・フラットクッション上に研磨層を形成
・低ダメージ高効率なクリーニングが可能
・カードタイプ、針先形状を選ばずに適用可能
SWE120Low ・凸凹クッション上に研磨層を形成
・低ダメージ高効率なクリーニングが可能
・ラウンド、凹ピン形状に適した構造
BC380Low・ラッピングフィルム+クッション粘着層の構造
・低ダメージ高効率なクリーニングが可能・カンチレバー、ラウンド形状に適した構造
 
マイポックスクリーニングシートの一部製品写真

上記クリーニングシートの分類は構造形状により、他にシート上の研磨粒子材質、粒度なども加えればさらに大きなラインナップになります。 ここでは複雑な紹介を省略いたします。

マイポックスのクリーニングシートは世界各国の半導体製造、テスティング、パッケージング業界で愛用されています。プローブカードのクリーニングに関しての質問および問い合わせは、マイポックス各地域営業窓口にお問い合わせください。

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■よくある質問(FAQ)

Q1. なぜプローブカードのクリーニングが重要なのですか?

A. プローブ針には検査時に金属片や酸化物などの異物が付着します。
これにより接触抵抗が変化し、測定誤差や誤判定の原因となります。
定期的なクリーニングにより接触安定性を維持し、歩留まり向上につながります。

Q2. プローブ針の寿命は何で決まるのですか?

A. 主に接触回数による摩耗と異物付着が寿命を左右します。
数十万〜数百万回の接触で摩耗が進行し、形状変化や導通不良が発生します。
適切なクリーニングにより摩耗進行を抑制できます。

Q3. プローブカードの種類によって何が違うのですか?

A. 垂直型・カンチレバー・MEMSなど構造が異なります。
それぞれコスト、対応ピッチ、精度、メンテナンス性が異なり、用途に応じて選定されます。
特に微細化が進む半導体ではMEMS型の重要性が高まっています。

Q4. 針形状(Round・Flat・Crown)で何が変わるのですか?

A. 接触方式とダメージ特性が変わります。
Roundは低ダメージ、Flatは面接触で安定、Crownは凹凸対応に優れます。
検査対象の電極形状に応じて最適な形状が選ばれます。

Q5. なぜ研磨シートの種類を使い分ける必要があるのですか?

A. 針の形状や付着物の種類によって最適なクリーニング条件が異なるためです。
強い除去力が必要な場合と、低ダメージが求められる場合で選定が変わります。
適切なシート選定が寿命延長と精度維持の両立につながります。

Q6. プローブ針の摩耗を抑えるポイントは何ですか?

A. 過度な研磨を避け、適切な粒度・構造のシートを選ぶことが重要です。
また、クリーニング頻度の最適化により摩耗と汚れのバランスを管理します。
工程設計としての“最適メンテナンス条件”が鍵になります。

▽参考資料
https://www.keyence.co.jp/ss/products/microscope/vhx-casestudy/electronics/probe-card-contact-probe.jsp 
https://www.seiken.co.jp/semiconductor/probecard.html 
https://www.mjc.co.jp/technology/column/probe_card.html 

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