だるま

だるまは、日本の伝統的な縁起物工芸品です。
願いが叶ったときに目を入れる「目入れ」の習わしや、何度倒れても起き上がることから「七転び八起き」の精神を象徴するものとして、古くから人々に親しまれてきました。
製造の最盛期は冬から春にかけてで、新年の縁起物として多くの需要があります。

目次

  1. 製造地域とだるま市
  2. 原材料と成形方法
  3. 製造工程(基本4ステップ)
  4. 研磨の必要性
  5. 使用する研磨材と番手選定
  6. 研磨材選定基準
  7. マイポックスのおすすめ研磨材
  8. まとめ

製造地域とだるま市

だるま製造

だるまの製造工場は日本各地に存在しますが、なかでも関東地方北部でのだるま作りが特に盛んです。
群馬県は国内シェアの約80%を占める最大の産地として知られています。

シェアが高い理由のひとつとして、気候条件があげられます。
冬の時期に北部の山脈から吹き下ろす冷たく乾燥した「空っ風」が、だるま製造の乾燥工程に好都合な環境をもたらしているとされています。

日本三大だるま市
群馬県高崎市少林山 七草大祭だるま市
静岡県富士市毘沙門天大祭
東京都調布市深大寺だるま市

そのほか、高崎だるま市(高崎市)・喜多院だるま市(埼玉県川越市)なども有名です。

原材料と成形方法

卵
新聞

だるまの型の主原料は、卵のケースや古新聞などの紙素材が一般的です。
成形方法には、職人が手作業で紙を張り重ねる伝統的な「手張り」と、機械を使用する「真空成形」の2種類があります。
現代では真空成形が主流となっていますが、どちらも木型に紙を何層にも貼り合わせる「張り子(はりこ)」と呼ばれる技法を用いています。

製造工程(基本4ステップ)

1
型作り
木製の型を作成し、だるま特有の丸みと安定感のある形状に仕上げます。製品品質を左右する重要な工程で、高い経験と技術が求められます。
2
紙貼り(張り子)
型に和紙を何層にも貼り重ね、十分に乾燥させることで強度を持たせます。
3
型抜き・成形
型から外して成形し、底部を切り開いて内部に粘土や石膏などの重りを入れます。これにより、倒れても自然に起き上がる構造になります。
4
底塞ぎ・下地処理
底を和紙で塞いで原型を完成させ、塗装に向けた下地処理を行います。

研磨の必要性

研磨の必要性

だるまは日本の伝統工芸品であり、縁起物として人々の願いや思いを託される存在です。
その品質は、形状や絵付けの美しさだけでなく、「手に取ったときの触感」「塗装の均一性」「長期間飾っても劣化しにくい表面状態」によっても評価されます。

研磨工程は、外観品質を決定づけるだけでなく、塗装の密着性・耐久性・製品歩留まりにも大きく影響します。
具体的には、張り子表面の凹凸や紙の継ぎ目を整えてだるまの丸みを形成し、塗料と下地材の密着性を高めることで塗装不良を防ぎます。
研磨が不十分であると、塗料のムラや剥がれの原因となり、仕上がりの美しさや耐久性に大きな影響が出るため、この工程は非常に重要です。

使用する研磨材と番手選定

だるまの研磨には一般的に空研ぎ研磨紙が使用されます。
工程ごとに適切な番手を選定することが品質向上のカギとなります。

工程 番手の目安 目的・ポイント
粗研磨 #180〜#240 張り子表面の大きな凹凸・段差を除去。研磨力が強すぎると紙の破れや毛羽立ちが発生するため注意が必要
中間研磨 #320〜#400 表面を均一化する重要工程。最終的な赤色塗装の発色や光沢に直結するため、研磨品質が外観を左右する
仕上げ研磨 #600前後 細番手で表面を丁寧に調整。力加減のコントロールが仕上がりを決める

研磨材選定基準

だるまの張り子は金属や木材とは異なり、紙が主原料の繊細な製品です。
強い力や粗い研磨材を使用すると張り子が損傷する可能性があるため、作業者の熟練した力加減が不可欠です。

基材の柔軟性
だるまは丸みを帯びた形状のため、基材が硬い研磨紙では曲面に沿って研磨できず、磨きたい箇所に密着しないことがあります。曲面への追従性が高い柔軟な基材を選ぶことが重要です。
番手の適切な選定
工程ごとに適した番手を使い分けることで、傷や毛羽立ちを防ぎながら効率よく仕上げることができます。粗→中間→仕上げと段階的に細かくしていくのが基本です。

マイポックスのおすすめ研磨材

おすすめ研磨材
品種 基材 砥材 粒度
60 80 100 120 150 180 220
RRAC-SDS Cw AA
AHAC-SDS Cw AA
FRCC-SDS Cw CC
FTCA-SDS Aw CC
品種 粒度
240 280 320 360 400 500 600 800 1000
RRAC-SDS
AHAC-SDS
FRCC-SDS
FTCA-SDS

マイポックスでは、成形後から仕上げ工程まで一貫して対応できる研磨材を提供しています。
張り子の「面出し」工程でどの研磨材を使うかが、最終的な品質を大きく左右します。

工程別おすすめ製品
粗研磨
FRCC-SDS 紙素材の複雑な曲面にも対応できる研磨力を発揮。曲面部分の「面出し」に効果的です。
中間〜仕上げ
FTCA-SDS / RRAC-SDS ソフトタイプの基材が曲面にしっかり密着。長時間の作業でも疲れにくい設計で、作業効率の改善に貢献します。
DS加工(目詰まり防止処理)
独自のDS加工により、紙粉による目詰まりを抑え研磨力の持続性を実現。コストパフォーマンスと作業効率を同時に改善します。
規格サイズ
230mm × 280mm ※シートカットにも別途対応しています。

まとめ

日本の伝統工芸品であるだるまは、単なる置物ではなく、人々の願いが込められた縁起物です。
職人による妥協のないものづくり、紙という難しい素材、そしてだるま特有の美しい曲面に対応した高品質な研磨材の使用が、製品の完成度を高めます。
マイポックスでは、独自のDS加工(目詰まり防止処理)技術を活かした研磨材で、作業効率の改善をサポートします。