目次

  1. 超硬刃とは
  2. 超硬刃の種類と用途
  3. 超硬刃の研磨が必要な理由
  4. チッピング除去研磨の方法
  5. 研磨フィルムによるチッピング除去の効果
  6. まとめ

超硬刃とは

スリットの刃

超硬刃は、タングステンカーバイドの粉末とコバルトなどの鉄系金属粉末を混合し、高温で焼き固めた複合材料です。正式名称は「超硬合金」といい、非常に高い硬度と低い熱膨張率を持つことが特徴です。金属加工用の切削工具や金型など、精密さが求められる多様な分野で広く使用されています。

超硬刃の種類と用途

超硬刃の丸刃
超硬刃の丸刃
丸刃 紙・フィルム・粘着テープのスリット加工など、連続した切断用途に使用されます。
超硬刃の板刃
超硬刃の板刃
板刃 樹脂素材を大根のかつらむきのように薄く均一に削り出すなど、高い寸法精度が求められる用途に使用されます。

超硬刃の研磨が必要な理由

超硬刃は微細な粒子を焼き固めた構造のため、刃先の状態が加工品質に直結します。刃先が不均一であったり、刃の角度が適切でなかったりすると、切れ味の低下や加工精度の悪化、さらには刃の寿命短縮につながります。精密な加工を安定して行うためには、刃先形状の整合性と平滑性が不可欠です。

なかでも重要な課題となるのが「チッピング」です。焼き固めた微粒子が刃先からこぼれ落ちることでチッピング(微細な欠け)が発生します。その大きさは通常5〜10μm程度ですが、さらなる微細化あるいは完全除去を求める声も多く、研磨による対処が求められています。

加工前チッピングの写真
加工前の刃がチッピングしている写真

チッピング除去研磨の方法

丸刃の場合

丸刃を回転させながら研磨フィルムを刃先に押し当てることで、チッピングの除去が可能です。この際、回転ムラが研磨ムラに直結するため、正確なセンタリングを行い、均一な回転状態を確保することが重要です。

板刃の場合

刃の角度を一定に保ちながら、包丁を砥石で研ぐように研磨方向を統一します。刃に対して「縦目(刃の長辺方向)」に研磨することで、チッピング除去に高い効果が得られます。

ポイント:研磨方向と均一性が仕上がりを左右する

丸刃はセンタリングによる安定回転、板刃は縦目研磨による方向統一が、それぞれチッピング除去の精度を決定づけます。

研磨フィルムによるチッピング除去の効果

今回のチッピング除去には、砥材にダイヤモンドを使用した研磨フィルムを使用しました。ダイヤモンド砥材は超硬合金の硬度に対応できる数少ない砥材のひとつであり、微細なチッピングを効果的に除去できます。

フィルム研磨後の刃の画像
フィルム研磨後の刃の画像

まとめ

チッピング除去前の超硬刃では、加工中にワークへのスジ入りなどのトラブルが見られました。しかし研磨フィルムによってチッピングを除去した後は、スジの発生がなくなり、安定した加工が実現できました。

たかが5〜10μm、されど5〜10μm

肉眼ではほぼ見えないほどの微細な欠けであっても、除去することで加工品質と刃の性能が大きく向上することが確認されました。超硬刃のパフォーマンスを最大限に引き出すためには、刃先の微細なコンディションまで丁寧に管理することが重要です。

超硬刃の研磨・チッピング除去についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。


記事No,469