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研磨紙・研磨材業界において、炭化ケイ素(SiC)は長年にわたりスタンダードな砥材として広く使用されてきました。切れ味の鋭さや仕上がりの良さから、金属・樹脂・塗装面など多様な用途で採用されており、弊社でもWTCCシリーズをはじめ多くの製品に使用しています。

一方で、2024年4月に施行された労働安全衛生法の一部改正により、炭化ケイ素(SiC)は新たにリスクアセスメント対象物質として位置付けられました。本記事では、法改正の背景と実務上求められる対応を整理するとともに、SiC代替としての現実的な選択肢、さらに新たに開発された新製品について詳しくご紹介します。

目次

  1. 1. 法改正の概要と背景
  2. 2. 具体的に求められる実務対応
  3. 3. SiC使用継続の課題と代替検討の必要性
  4. 4. 既存代替品(WA砥材)のご紹介
  5. 5. 新製品「WTWC-S」の開発について
  6. まとめ

1. 法改正の概要と背景

改正のポイント
施行日 2024年4月1日
改正内容 労働安全衛生法の一部改正により、炭化ケイ素(SiC)がリスクアセスメント対象物質に追加
これにより、炭化ケイ素(SiC)を含有する研磨材を業務で使用する場合、事業者には「有害性の把握」「ばく露リスクの評価」「低減措置の検討・実施」といった一連の管理対応が義務付けられることとなりました。


なぜSiCが対象となったのか
炭化ケイ素そのものは極めて硬質で安定した物質ですが、研磨作業においては微細粉塵の発生が避けられません。これらの粉塵を長期的に吸入した場合、作業者の健康に影響を及ぼすリスクが指摘されており、予防的観点から今回の法改正に至っています。

炭化ケイ素砥粒

2. 具体的に求められる実務対応

法改正後、炭化ケイ素(SiC)を含む製品を使用する場合、以下の対応が必要となります。

1 リスクアセスメントの実施 使用工程・使用量・作業時間・換気状況などを踏まえ、ばく露リスクを評価し文書化します。
2 ばく露濃度の低減措置 局所排気装置の設置、湿式研磨への切替、防塵マスクの着用などを実施します。
3 記録の作成・保存 実施記録・対策内容・見直し履歴を作成し、一定期間保存します。


これらの対応は単なる書類対応にとどまらず、現場運用の見直しや管理工数の増加につながる点が、実務上の大きな課題となっています。

3. SiC使用継続の課題と代替検討の必要性

法改正後もSiC製品の使用自体が禁止されたわけではありません。しかし、管理コストの増加、現場オペレーションの煩雑化、作業者への安全配慮強化といった点から、可能であればSiCを使用しない選択肢を検討される企業様が増えています。そこで注目されているのが、アルミナ系(WA砥材)製品への切り替えです。

4. 既存代替品(WA砥材)のご紹介

これまで弊社では、炭化ケイ素(SiC)代替として、以下のアルミナ系研磨紙をご提案してまいりました。

アルミナの画像
WRAC-S 乾式・湿式両用。塗装面研磨において高い研磨力と安定した仕上がり。
RRAC-SDS ソフトバックタイプ。目詰まりしやすい塗装面の乾式研磨に最適。
AHAC-SDS 高研磨力タイプ。木工木地研磨から塗装面研磨まで幅広く対応。


 
マイポックス製品:耐水研磨紙シート

これらはいずれも発がん性物質不使用であり、法改正後の安全配慮の観点からも安心してご使用いただける製品です。

5. 新製品「WTWC-S」の開発について

こうした状況を受け、弊社では新たな選択肢として新製品「WTWC-S」を開発しました。

WTWC-Sの特長 ・WA砥材(アルミナ)を採用
・P60~P3000までのフル番手構成に対応
・乾式・湿式の幅広い研磨工程に対応可能
・発がん性物質不使用


従来、WA砥材では番手構成や仕上がり領域に制限があり、SiCからの全面切り替えが難しいケースもありました。WTWC-Sはその課題を解消し、粗研磨から超仕上げ領域までを1シリーズでカバーできる設計となっています。

WTWC 研削性データ
これにより、以下のような効果が期待できます。
SiC使用量の大幅削減
リスクアセスメント対象物質の管理負荷低減
製品統一による在庫管理の簡素化

まとめ

炭化ケイ素(SiC)に関する法改正は、研磨業界にとって避けて通れない重要な転換点です。今後は「従来通り使えるか」だけでなく、法令遵守、作業者の健康配慮、管理コストと現場負担といった観点を含めた総合的な材料選定が求められます。WTWC-SをはじめとしたWA砥材製品は、その有力な解決策の一つとなります。詳細な適用可否や評価については、ぜひ担当営業までお気軽にご相談ください。


記事No,490