はじめに
油圧ショベル、ブルドーザー、ロードローラーなど、土木・建築工事で多く使用される「建設機械」は、主にブーム・バケットなどの「作業装置」、キャビン・カウンターウエイトなどの「上部旋回体」、クローラ・ブレードなどの「下部走行体」の3部位で構成されています。作業員が乗り込み建設機械を操縦するキャビン(運転席)の製造は、一般的に次の5つの工程で進められます。
鋼板を曲げ、溶接して箱型に成形する。
防錆剤を塗布し、強固な下地を作る。
塗料の密着性を高め、表面を平滑にする。※ドライタックペーパーが活躍する工程
黄色やオレンジなど、メーカー指定のカラーに塗装する。
ガラスやレバー、シートをキャビン本体に取り付ける。
瓦礫や土砂が発生する環境下での作業となるため、キャビン出荷前には外装の汚れや傷、各部品の機能など細部まで検査します。雨天時の作業も想定し水漏れ検査なども実施されるなど、作業員の安全を守るために高い品質が求められます。このキャビン製造工程において、弊社のドライタックペーパーが貢献しています。どのタイミングで使用されているのか、詳しく解説します。
キャビン製造工程でのドライタックペーパーの立ち位置
下地塗装では、巨大なプールにキャビンを浸ける「カチオン電着塗装」が施されます。この塗膜は非常に硬く防錆力に優れていますが、そのまま上塗りすると剥がれやすいため、表面を細かく荒らす「足付け」が必要です。弊社ドライタックペーパーの切削力により、硬い下地でも効率よく表面を荒らすことができます。
また、溶接時に飛散する小さな粒(スパッタ)や鋼板自体に生じた僅かな歪みを平坦にする「面出し」工程でも多用されています。粘着(タック)式でサンダーのパッドによく密着するため、サンダーの振動が逃げず、凸部をピンポイントで素早く削ることが可能です。
さらに、製造工程でついてしまった傷や凹みをパテ埋めした後、パテと周囲を馴染ませる工程でも使用されます。パテの粉塵はペーパーに目詰まりしやすいですが、弊社ドライタックペーパー表面には目詰まり防止加工が施されており、目詰まりを抑えて持続的に作業を進めることができます。
塗装ラインに入る直前の下地調整で最も使用されており、ここで高い品質の「肌」を作れるかどうかが、キャビンの高級感や10年後の塗装の剥がれにくさを左右します。
手作業工程で採用される理由
近年のキャビン製造ではロボットによる自動研磨も増えていますが、最終的な仕上げや複雑形状部分には作業員の手研磨作業が不可欠です。手研磨作業では指先の感覚がダイレクトに伝わる、タック式ならではの特性が大きく関係しています。
まとめ
建設機械をはじめ、ものづくりの世界ではペーパーは「長持ちすること」と同じくらい「最後まで同じ感覚で削れること」が重視されています。マイポックスの高い製造技術により、使い始めに深いスクラッチが発生することはなく、また使い込んでも急に削れなくなるといった研磨作業のムラが少ないことが特徴です。この「予測できる安定感」こそ、一分一秒を争う熟練工のラインにおいて精神的ストレスを減らし、品質を安定させる要因となっています。
今回紹介したドライタックペーパーのほかにも、マイポックスは多種多様な製品を取り扱っています。「塗る・切る・磨く」でお困りごとがございましたら、お近くの営業所へお気軽にご相談ください。
記事No,491
