ナイフ研ぎながら、研ぎ車輪を研ぐ火花

はじめに

日々、製造現場のお客様から「バリ取りがうまくいかない」「研磨材の交換頻度が高すぎる」「後工程で手直しが発生している」といったご相談をいただきます。現場を拝見すると、その原因の多くは「材質に対して研磨材の機能がマッチしていない(オーバースペックまたはアンダースペック)」ことにあります。

今回は、現場で頻出する「鉄・アルミ・ステンレス」について、私たちマイポックスが提案する「研磨のプロ視点での選び方」を解説します。

目次

  1. そもそも「バリ取り」の難易度は、材質で決まる
  2. まとめ|研磨材は「消耗品」ではなく「生産性向上ツール」です

そもそも「バリ取り」の難易度は、材質で決まる

一口に「バリ」と言っても、その性質は材質によって全く異なります。これらを無視して「いつもの番手」を流用していると、「バリが取れない」「ワークが焼ける」「研磨材がすぐ無くなる」という三重苦に陥ってしまいます。それぞれの材質に最適なアプローチと、マイポックス製品が貢献できるポイントを見ていきましょう。

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硬いが粘りが少ない材質です。比較的素直に削れますが、バリの量が多いと研磨材の負担が大きくなります。
2 アルミ
柔らかく粘る材質です。目詰まりや溶着が起こりやすく、研磨材の早期廃棄につながります。
3 ステンレス
硬く粘り、熱を持ちやすい材質です。加工硬化や焼けのリスクが高くなります。

① 鉄(SS・SPCC・S45Cなど)

鉄は最も一般的な材質ですが、シャフトや精密部品においては「バリを取りすぎて寸法が変わる」「研磨材の継ぎ目(ジョイント)段差が転写される」といった課題がつきものです。

処方箋:「研磨力」と「均一性」の両立 鉄の一次バリ除去には、砥粒の突き出し量が大きく、高い切削力を持つ研磨材が不可欠です。一方で、仕上げ工程において最も重要なのは「研磨の均一性」です。弊社では研磨材自体の性能に加え、ベルト製品の「つなぎ目(ジョイント)」にも独自のノウハウを持っています。段差を極限までなくすジョイント加工により、回転ごとの衝撃(チャタマーク)や転写のない、高精度な仕上げを実現します。

マイポックスの提案:レジンクロスベルトの研磨材

一般金属・特殊鋼金属用レジンクロスベルト 汎用性が高く、様々な分野で使用されているレギュラータイプです。重研削から仕上げ研磨まで幅広くご使用いただけます。
非鉄金属・仕上げ用レジンクロスベルト 厚みが極めて均一なため、砥粒が均等にワークに当たります。これにより「バリは取るが、余計な寸法は削らない」精密なコントロールが可能になります。

レジンクロスベルト
マイポックス製品:レジンクロスベルト

② アルミ(A5052・A6063・ダイカストなど)

アルミ加工における最大の敵は「目詰まり(ローディング)」です。アルミの切り粉が砥粒の隙間に溶着すると、まだ砥粒が残っているのに削れなくなります。これを「研磨材がなくなった」と勘違いして廃棄していないでしょうか。それは大きなコストロスにつながります。

処方箋:「削る」より「詰まらせない」コーティング技術 アルミ研磨において、マイポックスは独自の「トップコート技術」で差別化を図っています。安価なペーパーでは数分でアルミが溶着し、摩擦熱でさらに状況が悪化してしまいます。そこで特殊表面加工ベルト(柔軟クロスベルトNR・PRタイプなど)により、研磨表面に特殊な処理を施すことで切り粉の排出性を劇的に向上させます。従来のレジンクロスベルトに比べ、2〜3倍の長寿命化を実現した事例も多数あり、「まだ使えるのに捨てる」ムダをゼロにします。
金属素材画像

③ ステンレス(SUS304・SUS430など)

ステンレスは熱伝導率が低く、研磨熱が逃げにくい材質です。無理に押し付けると表面が黒く変色する「焼け」が発生し、耐食性が低下します。外観部品や機能部品においては致命的な問題となります。

処方箋:「冷却効果」と「鋭い切れ味」の持続 SUS研磨で重要なのは、いかに熱を発生させずにスパッと切るか(クールカッティング)です。砥粒が脱落しやすい安価な製品では、すぐに「丸まった砥粒」で擦ることになり、摩擦熱でワークが焼けてしまいます。マイポックスのレジンクロスベルト New Z・ファインセラタイプは、高硬度なセラミック砥粒や配向制御された砥粒を使用し、少ない加圧でバリをせん断します。また耐水・耐油性に優れたフィルム基材を採用しているため、油剤やクーラントを併用した「湿式研磨」への切り替えも容易で、焼けリスクを物理的に遮断します。
レジンクロスベルト
マイポックス製品:レジンクロスベルトNewZ / ファインセラ

まとめ|研磨材は「消耗品」ではなく「生産性向上ツール」です

鉄には、寸法を変えずにバリだけ狙う「均一性」を。
アルミには、寿命を延ばす「目詰まり防止技術」を。
ステンレスには、熱を抑えて切る「高研削・冷却性」を。

もし現在、「削れない」「持ちが悪い」「品質が安定しない」とお悩みであれば、それは作業者の腕のせいではなく、研磨材の選定で解決できる可能性があります。

マイポックスは「製品」だけでなく「解決策」を提供します

私たちマイポックスは、単に研磨材を販売するだけではありません。お客様のワークをお預かりし、自社のラボで最適な研磨材と条件を選定する「受託評価・試作」も行っています。

「今の工程のままで、研磨材だけ変えてコストを下げたい」「原価低減のために、研磨工程全体を見直したい」――この記事をお読みいただいているお客様にこそ、私たちの技術が活きると確信しています。

まずは現状の課題を、お気軽に担当営業までご相談ください。


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