バスバーとは、電気自動車(EV)の配電用部品で大容量の電流を流すための電極バーのことです。これまでは電源と各部分を接続する際にケーブルや電線が用いられていましたが、EV市場の拡大が加速するなか、効率よく大容量の電流を供給できることと持続可能性から、銅製のバスバーが用いられるようになりました。 自動車電気システム用の世界の銅バスバー市場規模は、2022年に4億4,530万米ドルで、7.3%の年間成長率で、2031年までに8億3,817万米ドルに達すると予測されています (※1)

電気自動車

絶縁塗装におけるIH加熱は、電磁誘導を利用してバスバーを加熱する方法で、工業分野における革新的な技術の一つとして注目されています。当社では、IH加熱を用いた粉体塗装システムをご提案しております。この技術は、ガスなど従来の熱源を用いた加熱方法に比べて多くの利点を有しています。

1.均一で効率的な加熱

IH加熱は、バスバーの表面から内部に向かって均一に加熱を行います。 この均一な加熱は、バスバーの絶縁塗装において耐熱性能を向上させ、優れた絶縁層を形成することが可能です。また効率的な加熱により、作業時間やエネルギー消費の削減が期待できます。

2.温度の制御

電気制御のため、スイッチ一つで瞬時に加熱を開始し、また停止もできるため、温度の制御が容易です。これにより、塗装プロセス全体での温度管理がしやすくなり、バスバーの絶縁塗装の品質向上に効果的です。

バスパー

3.急速な加熱が可能

IH加熱はバスバーを直接加熱することができるため、急速な加熱が可能です。 雰囲気で間接的に加熱する従来の方法よりも、省力化、生産効率の向上が見込めます。

4.環境にやさしい

ガスを使用しないため、環境に対する影響が少なく、持続可能な製造プロセスに貢献します。 塗装に用いる粉体塗料はリサイクルも可能なため、環境に負荷を与える余分な廃棄物や排出物を最小限に抑えることができることもメリットです。

これらの利点は、産業界での革新的な製造技術の進化を支える大きな要素となります。

IH粉体塗装ラボ

当社では、IH粉体塗装システムのご提案を行っており、実証実験ラボもございます。 見学も可能ですので、ぜひお気軽にお問合せください。

(※1) 参考:Business Research Insights「世界の自動車電気システム市場向け銅バスバーの詳細な目次と2031年までの予測」自動車電気システム市場レポートの概要