フローリング研磨とは経年劣化などで傷んだ表面の塗装や無垢材のフローリングを研磨して傷んだ部分を削り取ることで床材の本来の美しさを取り戻すリノベーション工法のことをいいます。専用のサンディングマシンを使って毛羽立ちやささくれ、シミなどで汚れた無垢材の表面をおよそ0.8~1mm程度削ることで表面を新品の様な状態へ戻すことができます。 一概にフローリングとはいっても一戸建てやマンションから福祉施設や学校など様々な様式があり、求められる外観や機能性にも大きな違いがあります。今回はその中でも規模が大きく、要求される品質も非常に高い体育館のフローリング研磨を実例にあげて進めていきたいと思います。
体育館のフローリング研磨
多くの体育館のフローリングには耐久性やスポーツ競技に対応した安全性、グリップ力を満たすために樹脂塗料が塗られています。しかし、日常的な競技はもちろんイベントなどで使用されるうちに劣化や摩耗により初期性能は低下していきます。清掃やメンテナンスだけではこういった経年劣化を完全に防ぐことはできないためフローリング研磨による傷んだ塗装の剥離と無垢材の表面の整面、再塗装が必要となります。体育館のような大きい施設になりますと工期が1ヵ月ほどかかるため夏休み等の長期休暇中に実施されるケースが多くなります。

テストではフローリングの研磨と同時に旧塗膜の性質に合わせた研磨材選定テストを実施しました。今回の旧塗膜はスーパー耐久フローリング塗装と呼ばれるUV塗装(紫外線硬化型アクリルウレタン系)にセラミック砥粒を混合させた高硬度塗料となり、通常の一液性のポリウレタン塗装と比較して約20倍の耐摩耗性を備えているといわれています(硬度7H~9H)
サンディングマシン及びテスト研磨材
今回の剥離作業では研磨箇所に応じて手押し式と乗用式の2種類のサンダーを使用しています。
① フロア研磨用手押し式ドラムサンダー
一般的な手押し式のフロア用ドラムサンダーとなります。ドラム形状で自重があるため研磨力に優れていると同時に、手押し式で小回りが効くため小規模な面積やコーナー部などの研磨に適しています。 また、中研磨~仕上げ研磨以降では同じ手押し式でも仕上がりに優れるフロアポリッシャータイプのサンダーが使用されるケースが多くなります。余談ですがフロアサンダーは米国メーカー製が多いです。米国ではフローリングの家が多くDIYの文化が根付いているため一般家庭のドラムサンダー保有率が高いことがあります。
② フロア研磨用乗用式ドラムサンダー
乗用とすることにより研磨面にかかる圧力と重心が安定し作業効率が非常に高くなります。大きな面積の研磨、平滑な面出し作業に適しています。
当社テストトライ製品
セラミック砥粒 研磨布ロール DRSX-R T‐01 #40 305mmX23M ジルコニア砥粒 研磨紙ロール DRZD‐RDS #60 305mmX23M 使用時にはサンダーの仕様寸法に合わせて305X700mmへカットを行います。現場作業では微妙なサイズ調整などを行うため、任意の長さへカットが出来て使い勝手に優れるロール形状の研磨材が採用されています。
作業フローチャート
DRSX T‐01 #40 / DRZD #60 ➡ DRZD #100 ➡ポリネット330Φ #150 ➡ 塗装 |
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今回は、#40/#60で粗研磨の剥離作業テストを行っていますが、実際の研磨作業は#150までの上記フローとなります。#40/#60旧塗膜の剥離・整面、#100で無垢材の中仕上げ、#150で無垢材の仕上げとなります。
研磨テスト結果
今回のテストでは高耐久力UV塗装剥離用としてDRSX-R T-01#40、DRZD-RDS #60の評価を実施しました。作業を行った体育館の面積は約1,400㎡、この面積ですと通常の#40研磨布紙で305X700mmにカットしたものでは15枚程度使用することになるところをDRSX‐R T-01 #40では5枚の1/3の量で完了することができました。またDRZD-RDS #60の評価も良好で、DRSX‐R T-01には及ばないものの研磨力、耐久力、コストのバランスに優れており作業者の方からご好評をいただだいております。 最近の高耐久フローリングは硬質化・高機能化が進んでおり、通常の研磨材では歯が立たずに研磨力不足や目詰まりによる耐久力不足がおこりやすい作業となっております。フローリングの再塗装施工において研磨でお困りのことがありましたらいつでもご相談をお待ちしております。今後ともMipoxをよろしくお願い申し上げます。