世界市場で高いシェアを誇る日本の建設機械メーカー。しかし近年は激しい需要動向の変化から今まで以上に経費削減や業務効率化が求められており、「組み立て時間をもっと短縮する方法はないか」といった要望がMipoxにも寄せられるようになってきました。 こうした声に応えようとMipoxが開発したのが、剛goQ(ゴーキュー)とGO9(ゴーナイン)サンダーという2つの新製品です。油圧ショベルの組み立て工程で必要な研磨作業を従来と比べて2倍の速さ(当社従来品比較)で実現できるようになりました。

本記事では剛goQとGO9の性能やメリットについて紹介します。

目次

  1. Mipoxの研磨製品
    1. 剛goQ(ゴーキュー)
    2. GO9(ゴーナイン)サンダー
    3. 剛goQとGO9サンダーを組み合わせるメリット
  2. 研磨が必要な部位
    1. アーム
    2. キャビン
    3. カウンターウェイト
  3. 油圧ショベルを取り巻く環境

Mipoxの研磨製品

剛goQ(ゴーキュー)

剛Q
(画像=剛goQ)
【 剛goQ(ゴーキュー)仕様】
基材140gのDwt
粒度P60/P80/P120/P180/P240
サイズ125Φ穴無し
入数100枚/箱
研磨面の色ホワイト&ホワイト(トラ模様)
起毛布の色ネイビー+文字は白文字

こちらの剛goQ(ゴーキュー)は、建設機械ユーザーのお客様から「作業時間を圧倒的に短縮したいのだけど何か研磨ツール提案してもらえないか?」という要望から新製品開発がスタートしました。
剛goQのコンセプトは、Mipox『独自の製法』と『砥粒配列』の組合せによる「研削力重視のペーパー」となっております。Mipoxの理念となる「塗る・切る・磨くで世界を変える」中で我々は3種類の【磨く】に注力し開発を進めてきました。

①作業効率を磨く:作業時間の低減/作業ストレスの低減
②環境性能を磨く:作業者の負担を抑える/産業廃棄物を少なく
③品質基準を磨く:低コストを維持/誰が作業しても同じ品質/精度の安定

剛goQ(ゴーキュー)の紙基材は、Dwt(ディーウエイト)と従来の研磨紙マジック品と比較し、厚くて丈夫な紙基材を使用しています。これも建設機械ユーザーのお客様の声で、実はペーパー交換理由の6割は基材の破損がです。建設機械の研磨作業では、バリや狭い部位や角(かど)の研磨作業があり、ペーパーのダメージが高いのです。まだ砥粒面に研磨材が残っているのにペーパーを破棄するのはもったいないですよね。剛goQは完全に砥粒が無くなるまで使用可能なペーパーとなっています。

粒度はP60/P80/P120/P180/P240と粗番手のみのラインアップ、サイズ/形状は125φの穴なしのみとなっております

GO9(ゴーナイン)サンダー

GO9サンダー
(画像=GO9サンダー)
【GO9サンダー仕様】
タイプダブルアクションサンダー
仕様ワンハンドタイプ
重量0.96Kg
オービット9mm

1.なぜMipoxがエアーサンダーを発売したの?
長年、サンダーメーカーと研磨材メーカーはバラバラに開発し、販売していたのでサンダーとペーパーの相性とか検証がありませんでした。そこで、Mipoxはエアーサンダーとペーパーの検証データを基に開発を進めてまいりました。エアーサンダーとは、圧縮空気の力で金属や樹脂などの材料を削ったり、研磨したりするために使う空圧工具のことです。

2.GO9(ゴーナイン)サンダーの特長ってなに?
オービットダイヤが9mmになります。既存のオービットダイヤは、3mm、5mm、7mm、10mmがあります。大きい面積で研削力を求めるお客さまは本当は10mmを使いたかったのですが、オービットダイヤ10mmは、「重い」とか「バランスが悪くて暴れる」といったいう課題がありました。実はこのオービットダイヤ9mmを作って欲しいというのは、あるユーザーである作業長の声から生まれました。

goQ チラシ
(画像=goQ)
goQチラシ
(画像=goQ)

剛goQとGO9サンダーを組み合わせるメリット

1.作業ストレスの軽減
強靭の基材により破損しにくく、交換頻度を削減できます。
2.美しい研磨目
独自の紙基材により平面・曲面問わず研磨が可能です。
3.作業時間の短縮
研削性が高い剛goQとオービットダイヤ9mmの新ダブルアクションサンダーGO9サンダーとの組み合わせで時短作業を実現できます。

研磨が必要な部位

油圧ショベル
(画像=excavator)

アーム

○なぜ研磨が必要なのか?
塗装の足付け、キズ修正研磨が必要になります。

○アーム研磨の推奨工程
【研磨材】
素地研磨:剛goQ(ゴーキュー) #60 #80 125階
溶接部巣穴を埋めのパテ研磨:剛goQ (ゴーキュー) #120 125φ/剛goQ (ゴーキュー) #180 125φ
サフ研磨:剛goQ (ゴーキュー) #240 125φ/剛goQ (ゴーキュー) #320 125φ
【ツール】
GO9(ゴーナイン)サンダー

○なぜ作業の時間短縮が実現できるのか?
研削性の高い剛goQ とオービットダイヤ9mm のGO9サンダーとの組合せによるものです。従来品ペーパーとオービット5mmの組み合わせと比較し、15%作業時間の短縮が可能です。

キャビン

キャビン
(画像=キャビン)

◯なぜ研磨が必要なのか?
鉄板の溶接後の肉盛除去、歪み修正、キズ修正に研磨工程が必要になるからです。

◯キャビン研磨の推奨工程 【研磨材】
素地研磨:剛goQ(ゴーキュー) #60 #80 125φ
溶接部巣穴を埋めのパテ研磨:剛goQ (ゴーキュウ) #120 125φ/剛goQ (ゴーキュー) #180 125φ
サフ研磨:剛goQ (ゴーキュー) #240 125φ/剛goQ (ゴーキュー) #320 125φ
【ツール】
GO9サンダー

◯なぜ作業の時間短縮が実現できるのか?
研削性の高い剛goQ と国内初のオービットダイヤ9mm のGO9(ゴーナイン)サンダーとの組合せによるものです。従来品ペーパーとオービット5mmの組み合わせと比較し、10%作業時間の短縮が可能です。

カウンターウェイト

カウンターウェイト
(画像=Counter-weight)

◯なぜ研磨が必要なのか?
外側は鉄板で中は金属、鉄鉱石、鉄粉等をコンクリートで固めたものの製缶タイプと鋳造タイプの二種類があります。特に鋳造タイプはパテの巣穴が開いたり、大きな歪みが発生したりしやすいため、それを隠すためにパテで埋めます。このパテ研磨で研磨紙を使用します。

◯カウンターウェイトの推奨工程
【研磨材】
パテ足付け研磨:剛goQ #120 125φ
パテ研磨:剛goQ #180 125φ
サフ足付け研磨:剛goQ #240 125φ、RRAC #320 125φ
塗装足付け研磨:RRAC #320 125φ
【ツール】
GO9サンダー

◯なぜ時間短縮が実現できるのか?
研削性の高い剛goQ と国内初のオービットダイヤ9mm のGO9(ゴーナイン)サンダーとの組合せによるものです。従来品ペーパーとオービット5mmの組み合わせと比較し、30%作業時間の短縮が可能です。

油圧ショベルを取り巻く環境

ここまで剛goQとGO9サンダーについて説明してきましたが、そもそもなぜ剛goQとGO9サンダーを活用した研削力のアップと時間短縮が求められているのでしょうか。その背景には主要マーケットと需要動向の変化が挙げられます。主要マーケットは西欧米亜ですが、ロシアもエネルギー需要の拡大により成長拡大の端緒にようやく辿り着きました。寒冷地に強いと定評のあるメーカーの増産はこのロシア市場の拡大によるところが大きいです。中東・アフリカにおいても同様に昨今の資源高騰、オイルマネーの背景が増加傾向に見られております。アメリカでは北米が圧倒的なウェイトを占めており、旺盛な住宅着工、国内道路整備など好調が続いており建機バブルとの声も聞かれています。

アジアの中でも中国は大型プロジェクトが目白押しで、需要の更なる伸びが見込まれます。中国市場における油圧シャベルに関しては、韓国メーカーがシェアを確保しておりますが、高価格、高品質を売りにする日本及び欧米メーカー間の競争が激化しています。また、見逃せないのはインドであり、現在は国産優遇措置のため完成車には高い関税が課せられていますが、この動きも緩和される傾向であるため、日本・欧米・韓国のメーカーの競争が予想されます。

日本での建設機械需要の60%強は、レンタル機の活用に移ってきています。建設業者の経営合理化に向け、機械経費削減のためにこの流れは加速しています。上述したように、当社は剛goQとGO9サンダーとの最適な組み合わせにより、圧倒的な研削力アップそして時間短縮が実現できます
お客さまのあらゆるニーズに応えた研磨のノウハウを、単に製品を提供するのではなく使い方を含めてトータルで提案できるのがMipoxの強みです。これからもトレンドの変化を見ながら、さらにお客さまに価値をもたらせる製品を提供していきます。