Mipoxは自社保有の各検査装置、測定装置を活用した「受託測定サービス」を提供しています。その中の一つ、触針式プロファイラ(触針式表面形状測定装置)について説明します。
触針式プロファイラについて
触針式プロファイラは、主に「触針」「検出部(センサ)」「ステージ」及び「アンプ」で構成されます。
触針とは
触針はダイヤモンド等の硬い材料で構成される部品です。触針先端部を測定対象物に接触かつ摺動させるため、摩耗を防止するため硬質の材料が用いられることが一般的です。触針は検出部とセットで扱われ、検出機構(センサ)には一般的に差動トランス(LVDT)が用いられます。LVDTは、コイルとコアで構成されており、コアの位置が変わる(触針が動く)事により出力電圧が変わる現象を利用したセンサです。LVDTが出力した微信号をA/Dコンバータ等を含むアンプユニットでデジタル信号に変え、各ユーザーインターフェイスへ出力をします。検出部の機構はLDVTの他、レーザーを用いた光干渉式も存在します。

ステージとは
ステージは、石定盤などの高い精度の平面が保証された基準面をステージ(測定対象物を保持するためのユニット)を直線状に移動させるユニットです。移動時、測定対象物の表面の凹凸を触針がなぞり変動し、それを検出部(センサ)が捉えます。
触針式プロファイラの測定について
精密な測定を行うためには、触針の管理、選定が非常に重要です。特に精密な測定を行うためには触針先端R(曲率半径)はできるだけ小さい方がよいとされ、かつ測定時に触針にかける圧力(荷重)も小さい方が望ましいとされています。 例えば、半導体用各種ウェーハのCMP加工等では、先端Rが小さい部類の2μmやそれ以下の先端Rを有する触針が用いられます。先端Rに加え、触針先端の角度も重要です。一般的には60°が用いられます。 先端Rが小さい触針は摩耗が激しいため、その管理が非常に重要になります。標準片でのリファレンス測定と、その結果に応じ交換頻度を高めることで管理します。
触針式プロファイラのメリット
触針式プロファイラは、光学的な表面性状(反射、透過、薄膜など)に依存しないため、白色干渉方式では測定できない対象物を難なく扱う事ができるメリット有します。加え、数10~100mm以上といった長い測定距離にも対応できます。
一方で、接触式である故、粘着性をもった材料の測定が出来なかったり(材料を選ぶ)、触針先端R寸法以下の小さな表面形状は捉えられないなどの制約があります。加え、測定対象物に直接接触し動作するため、測定跡(触針が引っ搔いた傷)の発生が避けられないため、最終製品(最終品質の確認)への適用は不向きです。

Mipoxの触針式プロファイラのコンディションについて
Mipoxでは、触針式プロファイラのコンディションを正しく保った状態で運用を行い、各研磨材の開発や、受託研磨加工案件の品質保証に適用をしているほか、受託測定サービスも展開しております。半導体用途では、精密触針式プロファイラTencor社製を有しております。
最後に
測定できないものは改善できないと良く言われる通り、各問題解決(ブレイクスルー)を果たすためには先ず観る事(正しく状態を把握する事)が不可欠です。弊社のコア技術特に「磨く」については、各材料の表面性状を正しく把握する手段として、触針式プロファイラは大変重要な位置づけです。当社が磨く技術等と共に培ってきた測定技術(測定サービス)を是非ご利用ください。