バス製造に携わる会社様において、消耗品のコストダウンに悩まれている担当者も多いのではないでしょうか。その消耗品の中でもMipoxではボディー塗装における研磨材のコストダウンに繋がる研磨時方法の解説をいたします。
製造の流れ

バス製造工程の流れを紹介させていただきます。
- 前・後・屋根の製造
- ボディー溶接・組み立て
- フルディップ電着塗装
- ボディー塗装
- シャシー組み立て
- ボディーとシャシーの結合
- 内外艤装・組み立て
- ヘッドライトなどの調整・整備
- 床下アンダーコート
- 走行テスト
- 磨き・雨漏れテスト
- 完成
この工程内で主に、
2.ボディー溶接・組み立て
4.ボディー塗装
11.磨き・雨漏れテスト
においてMipox製品及び関連製品の紹介をいたします。
ボディー溶接・組み立てにおける研磨工程

冷延鋼板を切り出しプレスし各取り付け場所に収まる1枚の板を製作します。一般の乗用車と違いバスは大きいので、この各鋼板パーツを溶接し組みあげていきます。この溶接の際にできた肉盛りの除去を
- 砥石ジスク #36 粗削り
- グランダー砥石 WA120 目慣らし
- Mipox品 ハイハイジスク 100×20×16 #100
で研磨をしていきます。
この工程で溶接のバスの強度を上げるため乗用車、トラックよりもしっかり溶接を行います。そのため肉盛りも大きく、熱歪の不良発生、溶接部の巣穴などという問題点があります
従来は上記のような工程で研磨作業を行っていたのですが、
時間がかかる→時間をかけることにより鋼板に熱が伝わってしまい鋼板に歪みが生じてしまう→その歪みを埋めるためにパテを多く盛らないといけないなどのデメリットが多く見られます。
これを解消すべく、時間をかけず大量研削する方法として小物ベルトの使用を提案します。
上記研磨作業に小物ベルトの
- ファインセラ #60 20×520
- ファインセラ #60 10×330
を提案します。
この小物ベルトの使用することにより、従来では研磨を行っていなかった細かな場所も研磨でき、肉盛りの大きな部分的をピンポイントで研磨ができるので時間短縮が可能になります。
ボディー塗装における研磨工程
車の塗装はボディーの素材である鋼板の錆を防止し美観を整えることを目的としています。塗装は全工程を通じて最も時間のかかる工程であり、基本的に下塗り、中塗り、上塗りの三層構造になっております。
洗浄→前処理→乾燥→マスキング→塗装→乾燥を何度も繰り返し一台のバスに約50Kgの塗料を塗っていきます。
下塗りは、ボディー鋼板と塗料のなじみを良くするとともに防錆塗料としても大きな役割を果たします。乗用車では当たり前のフルディップの電着塗装ですが、バスの場合そのサイズの大きさから世界でも数社しか採用されていないものであります。
この工程における研磨工程としては、まずフルディップタンクに入れる前に溶接・組み立て後にできる大きな歪み部分、溶接による巣穴などを埋めるためパテを盛ります。このパテ研磨において
- マジックタック DRAD-RDSM-8 #80 100×175
を提案いたします。 フルディップの電着塗装からでてきたボディーは、真っ黒な色をしており、このボディーがラインに乗りゆっくり流れていきます。その両脇を何十人も人が囲み、歪み、塗装ミス、キズなどをチェックしチョークで印を付けていきます。その部分を再度パテで埋め研磨していきます。 - DRAC-RDSM-8 #100 100×175
- DRAC-RDSM-8 #150 100×175
- RRAC-RDSM-8 #240 100×175
- 剛goQ #150 125φ
を提案いたします。その後ろの中塗りは下塗りの塗装表面を平滑にし、上塗りの良さを出すサーフェーサーとしての役割をもっております。この工程においては、非常に細かい番手を使用し、目詰まりもし易いです。
ここで提案したいのが
- 耐taiQ #320 125φ
になります。
ここでは、鋼板上のサーフェーサー研磨に加え、バスのトランクにあたるサイド部分下部の「リット」と呼ばれる部位の塗装研磨も行います。この「リット」はアルミ製であり鋼板部分よりも目詰まりが発生し易いです。この工程におうてのペーパー使用枚数は最も多く、ユーザー様からも「よりいい物」を望んでおり今後の製品開発の重要な課題であります。
最後が上塗り(デザイン塗り)で、バスの場合、受注各社によってデザインが異なりすべて職人による手拭きで行います。
ここでの研磨作業は手直し、修正で使用するものとして
- 耐taiQ #320 125φ
- 耐taiQ #400 125φ
を提案いたします。
また、この他にも室内塗装、天井塗装、部品塗装などがあり上記塗装工程のような手順を踏んでおります。
磨き・雨漏れテストにおける研磨工程

出来上がったバスの最終工程において磨き~雨漏りテストの工程があります。
ポリッシングでは、電動ポリッシャーやエアーポリッシャー、不随するバフ類を提案します。
その後の雨漏れテストでは上下右より水を吹き付けるというシャワーテストを行います。井戸水でこのシャワーテストを行うユーザー様もおり、シャワーテスト後の水アカが問題となっております。通常の水では水道代がかかりコストアップになるため井戸水を使用しているのですが、この井戸水は水道水よりも水アカが取れにくいのです。
この水アカを解消すべく、塗膜に傷がつかずに水アカが早くとれないかということで、
- NL H-01 砂なしタイプ 100φ
トリコット付を提案いたします。
最後に
私たちはバス製造において総合的な知見と技術を持つ業界のトップランナーとして、その進化にさらに貢献していくことをこれからも目指していきます。