研磨フィルムの性能を最大限に引き出すには、「巻き芯(コア)」の選定が非常に重要です。
コアの種類や仕様は、使用する研磨装置や作業環境によって適切に選ばなければ、作業効率の低下やトラブルの原因にもなります。 この記事では、研磨フィルム用の巻き芯の種類(プラスチックコア・紙コア)や特徴、選定のポイントについて、実際の使用事例を交えてわかりやすく解説します。
巻き芯(コア)の基本と役割
巻き芯(コア)は、研磨フィルムをロール状に保持するための中芯部分です。主に以下の要素で構成されます。
- 内径サイズ:1インチ、3インチなど
- 巻き方向:内巻き(I巻き)、外巻き(O巻き)
- 素材:プラスチックコア、紙コア
- 溝仕様:KEYWAYの有無 特に研磨装置との互換性やクリーンルーム環境の要件を満たすかどうかが、選定のカギになります。

(画像=左 2KEY 右 4KEY)
プラスチックコアの特徴と用途
主な用途 クリーンルーム環境や粉塵を嫌う現場 空回り防止のためのキー溝付き仕様 KEYWAYの種類
- 4KEYWAY:3インチ内径、4方向溝付きで素早くセッティング可能
- 2KEY/4KEY:1インチ内径、両端切りかけ付き(フィルム幅17mm以上推奨) Mipoxでは、3mm幅のプラスチックコアに最大330mまで巻き取り可能です。材質は、塩ビ樹脂・ABS樹脂

(画像=プラスチックコア)
紙コアの特徴と用途
主な用途 一般環境(クリーンルーム外)の研磨工程 自動車部品(クランクシャフト・カム・ギヤシャフトなど)

(画像=紙コア)
型番例と意味
- 1-OK :1 ⇒インチ内径 O ⇒ 砥粒面外巻き K ⇒ 紙コア
- 3-IP : 3インチ内径 I ⇒ 砥粒面内巻き P ⇒ プラコア
- 3-OM : 3インチ内径 O ⇒ 砥粒面外巻き M ⇒ 溝付きコア
- (例)3-OM-4KEYWAY ⇒ 3インチ・外巻き・4方向キー溝付きプラコア
- M の後に4KEYWAYや2KEY など溝の情報を記載することで選定可能となります。
よくあるトラブルとコア選定の重要性
「たかがコア」と侮るなかれ。適切でないコアを使用すると… 巻きずれによるフィルムの偏り 研磨装置への装着不良 異物混入(特に紙粉)による品質問題 特にフィルムをカットして使用する場合は、3インチ内径のコアを選定することでカール現象を軽減できます。
まとめ:最適なコア選定が製品品質と作業効率を左右する
研磨フィルムの性能を最大限に引き出すには、使用環境・研磨機仕様・目的に応じた最適な巻き芯を選ぶことが不可欠です。 当社では、豊富な種類のプラスチックコア・紙コアをご用意しております。用途や仕様に応じた最適なコアをご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。