塗装現場において、ピンホール発生対策が重要課題となっております。その中で、内部加熱による対策が、ピンホールの発生リスクを低減する手法として注目されています。

粉体塗装

塗装におけるピンホールはどうして発生するの?

ピンホールとは、塗装仕上げ面に微細な穴状の欠陥や凹みが現れる現象を指します。 塗装工程において外部加熱を行うと、乾燥や硬化が早まるため、ピンホールが発生するリスクが上がることがあります。具体的なポイントは以下の通りです。

  1. 外部加熱の影響:
    - 外部加熱により塗料中の溶剤が急激に蒸発すると、塗膜内に十分な時間がなく、気泡が抜けきれずに内部に残ることがある
    - 塗膜が急速に固まるため、内部の気泡や微細な隙間が表面に現れ、ピンホールが発生しやすくなる。
  2. 温度管理と乾燥速度:
    - 過度な温度上昇は塗膜内の温度勾配を大きくし、均一な乾燥が難しくなる。
    - 適切な温度制御がないと、一部が過剰に乾燥し、結果として表面に気泡が残りピンホールになる可能性が高い。
ピンホール

内部加熱は効果があるの?

塗装工程における内側加熱は、塗膜内部から均一に熱を加えることで、表面のみが急激に乾燥するのを防ぎます。以下、内側加熱によるピンホール防止の主なポイントを説明します。

  1. 内側加熱の効果:
    - 塗膜内部から加熱することで、塗料内部の溶剤の蒸発がより均一に進行します。これにより、表面だけでなく内部でも均一な硬化が促され、局所的な圧力ムラが生じにくくなります。
    - 急速な表面乾燥を防ぎ、内部の気泡が塗膜表面に押し出される現象が緩和され、ピンホール発生のリスクが軽減されます。
  2. 温度制御の重要性:
    - 内側加熱を導入する際は、加熱温度や時間を適切に管理する必要があります。過剰な加熱は内部と外部との温度差を大きくし、むしろムラや他の不具合を引き起こす可能性があるため、最適な条件設定が重要です。
    - 塗料の種類や基材の熱伝導率に応じた加熱設計を行い、均一な温度分布を確保することが求められます。

IH(誘導加熱)を利用した内部加熱について

IH(誘導加熱)を利用した内部加熱は、塗装工程においてピンホール防止に効果的な手法として注目されています。以下、主なポイントを説明します。

  1. IH内部加熱の基本原理:
    - IHは、基材内部に誘導電流を発生させ、内部から均一に加熱を行います。これにより、表面だけが急速に乾燥するのを防ぎ、塗膜内部と表面の温度差を最小限に抑えます。
  2. ピンホール防止への効果:
    - 均一な温度分布により、溶剤の蒸発がバランス良く進行し、塗膜内部に気泡が生じにくくなります。
    - 急激な乾燥が抑制されることで、内部に閉じ込められたガスや気泡が表面に現れにくくなり、ピンホール発生リスクが低減されます。

塗装ピンホールゼロを目指して

IHを利用した内部加熱はあくまで一手法であり、塗装前の表面処理や塗料の種類の撹拌、希釈など他の工程とのバランスが必要です。内部からの加熱は、塗膜全体に均一な硬化を促すための有効な手段ですが、外部環境との組み合わせで最適な施工条件を整えることが成功の鍵となります。Mipoxでは、塗料の特性や基材の熱伝導率に合わせた最適な設定を、CAE解析を用いたIH誘導加熱解析で実現提案しております。

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