木製建具枠は、単なる建材ではなく、空間デザインと建物の印象を左右する重要な要素です。
とくに近年は、意匠性と耐久性の両立が求められる中で、表面仕上げの品質が製品価値を左右しています。 本記事では、木製建具枠における「研磨工程」の必要性・機能・適切な研磨材選びまで、専門メーカーの視点からわかりやすく解説します。
なぜ研磨が重要なのか ラミネート密着と表面仕上げを支える工程
木製建具枠は、無垢材やMDFに塗装や木目調ラミネートシートを貼り付けることで仕上げられます。 その際に必要不可欠なのが「足付け研磨」です。 足付け研磨の目的 木地表面のバリや微細な凹凸、汚れの除去 微細な傷(凹凸)を意図的に作り、接着面積を増加 接着剤の密着性を高め、ラミネートの剥離・浮き不良を防止 とくに角部・曲面など応力が集中しやすい部分では、研磨による表面調整が接着強度向上に直結します。
切削加工後にも研磨が必要な理由
切削加工のみでは表面に以下のような不具合が残る可能性があります 切削跡や段差 毛羽立ち 表面の微細な欠陥 これらはラミネートの浮き・塗装ムラ・外観不良の原因となります そのため、仕上げ研磨による均一化処理が、外観・機能性の両立に不可欠です
木製建具枠に最適な研磨材と選び方
用途に応じて、以下のような研磨材が使用されます。 研磨材タイプ 特長 不織布シート 柔軟性に優れ、手作業でも曲面・角部にしっかりフィット 研磨ディスク エアサンダー等と組み合わせ、量産にも対応可能 研磨ベルト 自動ライン化された量産工程に最適。省力化・均一化を実現

研磨材選定のポイント 柔軟性があり、木地へなじみやすいもの 目詰まりしにくく、長時間安定して研磨性能を発揮するもの 粒度選定により、ラミネート前・塗装前・仕上げ後の用途を使い分け

品質要求の高まる時代に「研磨」が果たす価値
意匠性、安全性、耐久性が求められる木製建具枠において、“見えない部分の品質管理”こそが、最終製品の価値を決めると言っても過言ではありません 高い外観品質 → 企業ブランドの信頼性向上 安定した接着強度 → 不良率低減・ロス削減 長期的な美観維持 → ユーザー満足度アップ 研磨工程はそのすべてを支える縁の下の力持ちとして、今後ますます重要性が高まっていくと考えられます。
建具の品質は「研磨」で決まる
木製建具枠の製造現場において、研磨は“必要だからやる”工程ではなく、品質競争力を生む戦略的工程”です。 ラミネート密着性や塗装仕上げ、見た目と耐久性を左右する「研磨」の価値を、今一度見直してみてはいかがでしょうか 研磨工程でお困りなら、Mipoxへお気軽にご相談ください 当社では、お客様の課題に合わせた柔軟な研磨材提案や製品改良を行っております。 木製建具枠だけでなく、住宅・内装・家具向けなど幅広い用途に対応可能です。