液晶ディスプレイ(LCD)の色を再現するカラーフィルターは、RGB(赤・緑・青)の画素ごとに微細な層で形成されています。
製造工程では塗布・露光・現像を繰り返しながら数ミクロン単位の構造を作り上げますが、その過程で発生する突起(プロトルーション) が表示ムラや異物混入の原因になることがあります。
このため、カラーフィルターの表面を均一に整える 「突起修正研磨」 は、高精細化が進む液晶パネル製造において欠かせない工程です。

🧠 カラーフィルターとは(技術的な定義)
液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)は、光を自ら発するのではなく、バックライトの光を液晶層とフィルターで制御する構造になっています。
その中で「カラーフィルター(Color Filter)」は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の画素を形成する色再現層であり、TFT(薄膜トランジスタ)基板と対になる「Color Filter基板」として構成されています。

液晶カラーフィルターはどこに使われているのか
カラーフィルターは、私たちの生活の中で目にするほとんどの液晶ディスプレイに搭載されています。 テレビ、ノートPC、スマートフォンなどの家庭用機器はもちろん、車載ディスプレイや医療用モニターなど、産業用途にも幅広く利用されています。
用途カテゴリ | 主な製品例 | 要求特性 |
---|---|---|
家電・コンシューマー | テレビ、ノートPC、スマートフォン | 高精細・高コントラスト・低反射 |
車載ディスプレイ | メーターパネル、ナビ、センターディスプレイ | 高輝度・広視野角・耐熱性 |
産業・医療機器 | 医療モニター、計測機器、工業用パネル | 高精度な色再現・長寿命 |
近年は、車載・医療など高信頼性ディスプレイの需要拡大に伴い、カラーフィルターの品質要求も高まっています。
微細な突起や異物がわずかでも残ると、セル貼合不良や輝点欠陥の原因となるため、表面の平滑度が極めて重要です。
🔍 カラーフィルターの役割
- R/G/Bの光を透過させ、色を作る
→ 各画素が異なる光を通すことでフルカラー画像を再現。 - Black Matrix(黒マトリクス) により光漏れを防ぎ、コントラストを向上。
- 製造プロセス(塗布・現像・焼成)で生じる 微細な突起(プロトルーション) は、液晶注入やセル貼合時の欠陥要因となるため、突起修正研磨 で平滑化する。
Mipox製品が果たす役割
Mipoxは、半導体・光学・電子部品向けの精密研磨分野で長年の実績を持つメーカーです。 液晶カラーフィルター工程では、突起修正に特化した専用研磨フィルム を展開。国内外の主要装置メーカーに対応し、安定した研磨品質と高いクリーン性を両立しています。
Mipoxの研磨フィルムは、装置に合わせて以下の2タイプをラインアップしています。
- ロールタイプ :V-Technology社・タカノ社・Kubotec社製装置向け
- インカセットタイプ :Lasertec社製装置向け

製品ラインアップと特長
【ロールタイプ】V-Technology装置向け
- 研磨材:ホワイトアルミナ(White Alumina)
- 粒子径:0.1〜0.3µm(FNY-B)/0.2µm(FNY-D)
- 基材:PETフィルム
- テープ寸法:幅12.6mm × 長さ100m
- 特長:極微粒子による均一な突起修正。主要装置に対応し、高い安定性と再現性を実現。

【インカセットタイプ】Lasertec装置向け
- 研磨材:ホワイトアルミナ
- 粒子径:AWA10000(0.4–0.6µm)/AWA15000(0.2–0.4µm)/AWA20000(0.2µm)
- テープ寸法:幅3.8mm × 長さ40〜50m
- 特長:検査・修復工程用に最適化された設計。カセット収納により扱いやすく、異物混入を防止。

高品質を支えるMipoxの製造・管理体制
Mipoxの研磨フィルムは、MADE IN JAPAN(日本製) の基材を使用し、マレーシア工場にてクリーンルーム環境下で裁断・組立を実施。 全製品に対し、以下のような品質保証を徹底しています。

- COA(分析証明書) をロットごとに発行(表面粗さ・全厚・SEM画像を記録)
- 10〜40℃・湿度20〜80% での厳格な保管管理
- クリーン包装・真空ヒートシール仕様 で輸送中の品質を維持

まとめ
ディスプレイの高精細化・高コントラスト化が進む中、突起修正工程の品質が液晶パネルの完成度を大きく左右します。
Mipoxのカラーフィルター突起修正研磨フィルムは、微細粒子制御と高いクリーン性により、世界の液晶メーカーの品質改善と生産効率向上に貢献しています。