“経験値の高い現場”を、次の世代につなぐエンジニアリング
「この条件なら、たぶん問題ないですね」 製造現場では、こんな判断が日常的に行われています。長年の経験があるからこそ出せる答え。でもその一方で、「なぜその条件なのか?」と聞かれると、言語化が難しい場面も少なくありません。 マイポックスが取り組んでいる 誘導加熱(IH)×CAE解析 は、そうした“暗黙知”を設計できる知識に変えていくためのアプローチです。単なる加熱技術の話ではなく、これからのものづくりを支える考え方そのものに関わっています。
誘導加熱は「装置」ではなく「設計対象」
IHというと、「早い」「省エネ」「炉がいらない」といったメリットが注目されがちです。もちろんそれも正しいのですが、エンジニア目線で見るとIHは設計変数のかたまりです。 周波数、出力、コイル形状、ワークとの距離、材質。少し条件が変わるだけで、温度の上がり方やムラの出方は大きく変わります。だからこそ、「なぜそうなるのか」を理解せずに使うと、再現性の壁にぶつかります。 そこでCAE解析が効いてきます。電磁界解析によって、エネルギーがどこに・どのように入っているのかを事前に確認できる。これは試作回数を減らすだけでなく、設計そのものの質を引き上げます。
身近な例で考えるIH×CAE
たとえばIHクッキングヒーター。同じ鍋でも、材質や底の形で温まり方が違う経験はありませんか? IHは「電気を流せば温まる」ほど単純ではなく、エネルギーの入り方をどう設計するかがすべてです。工業用IHも同じで、CAEはその“中身”をのぞくための道具。感覚だけに頼らず、「ここが原因で、ここに熱が集中する」と説明できるようになります。
マイポックスが目指すエンジニアの役割
私たちが大切にしているのは、CAEを答え合わせのツールにしないこと。解析結果を起点に、 「この条件はなぜ厳しいのか」 「量産を考えると、どこを変えるべきか」 と議論を前に進めるための共通言語として使います。営業、製造、顧客と同じ画面を見ながら話せる。この積み重ねが、提案の説得力や信頼につながっています。
“未来を設計する”ということ
ベテランの経験を否定するのではなく、次に引き継げる形にする。IH×CAEの仕事は、その橋渡し役です。
- 解析と実機のズレに悩み
- 仮説を立て、検証し、また考える
このプロセスを楽しめる人にとって、かなり奥行きのある仕事だと思います。最後に 「なぜそうなるのか」を考えるのが好きな人。装置だけでなく、プロセスそのものを設計したい人へ。 誘導加熱とCAE解析を軸に、マイポックスでは、これからのものづくりを一緒に設計していくエンジニアを求めています。
Q&A(FAQ)
Q1. なぜIH加熱は「装置」ではなく「設計対象」と言われるのですか?
A. IH加熱は、周波数・出力・コイル形状・ワーク材質・距離など多くの条件が相互に影響します。 そのため、単に装置を導入するだけではなく、条件そのものを設計しないと再現性が確保できません。
Q2. なぜ経験豊富な現場でもIH条件の言語化が難しいのですか?
A. 多くの判断が「過去の成功体験」に基づく暗黙知で行われているためです。 結果は正しくても、なぜその条件なのかを説明できないケースが少なくありません。
Q3. IH×CAE解析はどのように試作削減に貢献しますか?
A. 電磁界解析により、エネルギーの入り方や発熱分布を事前に可視化できます。 これにより、無駄な条件振りや試作回数を減らし、設計の初期段階で精度を高められます。
Q4. CAE解析を「答え合わせ」に使ってはいけないのはなぜですか?
A. 結果確認だけに使うと、設計の質や議論が深まりません。 仮説を立て、条件変更の理由を考える起点として使うことで、設計力が蓄積されます。
Q5. IH×CAEは量産工程にどう役立ちますか?
A. 条件の根拠を数値と理屈で説明できるため、工程の再現性と標準化が進みます。 属人化を防ぎ、次世代への技術継承にもつながります。
Q6. どのようなエンジニアにIH×CAEの仕事は向いていますか?
A. 「なぜそうなるのか」を考えるのが好きな人に向いています。 装置単体ではなく、プロセス全体を設計したい人にとって奥行きのある仕事です。
