はじめに
金継ぎの研磨工程では、漆の層構成(錆漆・パテ・中塗り漆など)と仕上げの目的に応じて、 #240番から#2000番以上までの幅広い番手の耐水ペーパー(サンドペーパー)を使い分けます。
基本的な考え方は、
- 粗い番手で形を整える
- 徐々に細かい番手へ移行し、表面精度を高める
- 最終的に金粉を蒔くための平滑な下地を作る
という段階的な研磨です。
特に実務では、#400~#800番で肉付け部分を研ぎ、#1000~#2000番で表面精度を上げる工程が頻繁に行われます。
主な耐水ペーパー番手と用途
Nikkenブランド 耐水ペーパー
#240~#400番|肉付け・形状出しの初期研磨
- 盛り上げたパテや錆漆(さびうるし)
- 欠け部分の肉付け処理
- 大きな段差や歪みの除去
目的:全体の形状を整える段階 この工程では「削る」意識が強く、面を出すための基礎作業となります。
#600~#800番|なだらかな面づくり(捨て塗り研ぎ)
- 肉付け部分がほぼ平滑になった後の研磨
- 表面の急な段差をなだらかにつなぐ
- 捨て塗り後の研ぎにも多用
目的:面の連続性を整え、次工程へつなげる
#1000~#1200番|表面精度の向上
- 微細な凹凸や研磨傷の除去
- 下地としての平滑性を高める工程
注意点: 漆層を削りすぎると研ぎ破りが起こりやすく、 下地の色が表に出てしまうため、力をかけすぎないことが重要です。
#2000番以上|最終下地調整
- 極めて高い平滑性が求められる場合
- 金粉を蒔く直前の下地仕上げ
目的: 金粉の定着ムラを防ぎ、仕上がりの質感を均一にするための最終調整。
金継ぎ研磨における重要ポイント
水研ぎ研磨作業風景
水研ぎが基本
耐水ペーパーを使用し、必ず水をつけながら優しく研磨します。 水研ぎにより、
- 目詰まり防止
- 漆層へのダメージ軽減
- 均一な研磨面の形成
が可能になります。
研ぎ破りに注意
研磨しすぎると、漆層を突き抜けて下地が露出し、 金継ぎ後の色味・質感に差が出る原因となります。
- 「削る」よりも「整える」意識
- 必要に応じて漆の塗り直し → 再研磨
が重要です。
番手は必ず順に上げる
粗い番手からいきなり細かい番手へ移行すると、
- 深い研磨傷が残る
- 面精度が安定しない
ため、段階的に番手を上げることが美しい仕上がりへの近道です。
ペーパー以外の研磨道具
仕上げ工程では、耐水ペーパー以外にも以下が使われます。
- 駿河炭(するがすみ)
- 朴炭(ほおずみ)
- 研磨用コンパウンド
これらを併用することで、より繊細で上質な表面調整が可能になります。
まとめ|金継ぎ研磨は「番手選び」と「力加減」が仕上がりを決める
金継ぎの研磨は、 工程ごとの目的を理解し、適切な番手を適切な力で使うことが最も重要です。
- #240~#400番:形を作る
- #600~#800番:面を整える
- #1000~#2000番以上:精度を高める
この基本を守ることで、金粉が美しく映える下地研磨が実現します。 当社は粗研磨から精密研磨まで様々な業界の研磨材を開発・製造し、世界中の幅広い用途で当社製品を提供しています。日本最初の耐水研磨紙メーカーでもありますのでお気軽にお問い合わせください!
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