はじめに

建設機械の油圧シリンダーは、重負荷環境で確実に動作するため、高い耐摩耗性と耐久性が求められる重要部品です。特にピストンロッドは、外部環境に露出しながら高精度な摺動が求められるため、タングステンカーバイド(WC)溶射による表面強化が一般的になっています。

しかし、このタングステンカーバイド層は非常に硬く、その仕上げ研磨には高性能な加工技術が不可欠です。
そこで活用が広がっているのが、当社のダイヤモンドフィルム WTDFです。

目次

  1. タングステンカーバイドロッドを研磨する目的
  2. WTDFの製品特徴
  3. その他の用途(幅広い難削材に対応)
  4. まとめ

タングステンカーバイドロッドを研磨する目的

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タングステンカーバイド溶射は、ピストンロッドに以下の性能を付与します。

  • 高い耐摩耗性:過酷環境での摩耗を大幅に抑制
  • 耐食性向上:水・泥・化学物質への耐性
  • 耐久性向上によるメンテナンス削減

ただし、溶射後の表面は粗く、このままではシールが均一に摺動できず、適切な油膜形成が阻害されるため、漏れやシール寿命の低下につながります。そのため、シール性を確保し、長期的な信頼性を実現するための精密研磨が不可欠となります。

溶射層は硬度が非常に高く、従来の研磨材では加工効率が低下したり、仕上がり品質にばらつきが生じる課題がありました。こうした難削材に対応するため、高性能なダイヤモンド砥粒を用いた研磨材が求められています。

WTDFの製品特徴

WTDF(ダイヤモンドフィルム)は、さまざまな難削材に対して均一な仕上がりを実現することを目的に開発された研磨フィルムです。タングステンカーバイドを含む硬質材の精密加工に適しており、建機のピストンロッド研磨でも高い効果が評価されています。

また、独自の技術により、PETフィルム上にダイヤモンド砥粒を精密に配置・固定しています。この制御技術によって、以下の特性が得られます。

  • 溶射被膜、セラミックス、チルド鋼などの難削材や高硬度被膜の研磨における生産性向上を実現
  • PETフィルムのバッキングは耐水性があるため、水または油性の潤滑剤で研磨可能
  • 不要な削りくずや破片を洗い流し、クリーンな研磨環境を維持
  • 粒度ごとに色分けしており、間違った選択をするリスクを低減
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その他の用途(幅広い難削材に対応)

WTDFは、タングステンカーバイド以外にも、幅広い難削材の研磨に対応できます。

対応可能な材料

  • 炭化物・セラミックス
  • 焼結金属、超合金、鋳造材料
  • ガラス、石材、宝石
  • 複合材料 

硬度・脆性の高いワークに対しても、均質で安定した仕上がりを提供します。

特に、自動車部品・航空機部品・金型など、高精度な表面仕上げが求められる分野で、WTDFの性能が高く評価されています。

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まとめ

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タングステンカーバイド溶射を施した建機用ピストンロッドは、シール性確保のために高精度な研磨が必要です。

WTDF ダイヤモンドフィルムは、独自技術による砥粒制御により、難削材でも均一で安定した仕上がりを実現し、この用途にも適した性能を発揮します。炭化物やセラミックスなど、他の硬質材料にも幅広く対応できる点も特長です。

重負荷環境で求められる耐摩耗性と耐久性を、精密研磨技術でサポートし、建設機械の信頼性向上に貢献します。