はじめに

研磨フィルムは、半導体・自動車・精密部品など幅広い分野で使用される消耗品です。日々の生産現場では「あと何メートル使えるのか」「フィルムが切れたまま加工が続いていないか」といった仕様管理の問題が発生しがちです。

本記事では、研磨フィルムの巻き仕様に関する2つの実務的な知識を整理します。

本記事で解説する2つのポイント
外径と巻き長さの関係
フィルムの総厚・コア径から巻き長さ・外径を相互に算出する方法
エンドマークの種類と役割
フィルムの残量を知らせるエンドマークの仕組みと設備別の選び方

この2点を押さえることで、フィルム管理の精度と作業効率を大幅に向上させることができます。

研磨フィルム_製造巻き出し

目次

  1. 1. 外径と巻き長さの相互算出
  2. 2. エンドマーク ― フィルムの終わりを知らせる仕組み
  3. まとめ

1. 外径と巻き長さの相互算出

なぜ算出が必要になるのか

「150mの研磨フィルムでは外径は何φになりますか」「この研磨設備のガイド径に合わせると、最大何メートル巻けますか」― こうしたご相談をお客様からいただくことがあります。
特に自動車部品の量産現場では、研磨フィルムの交換頻度を減らして稼働率を上げるため、設備設計の段階からガイド径を大きく設定するケースが増えています。そのため、長さ↔外径の変換ニーズは非常に多い実務課題となっています。

算出に必要な3つの情報

外径と巻き長さの相互算出には、以下の3つのパラメータが必要です。

算出に必要な3つのパラメータ

① 研磨フィルムの総厚

単位:μm

② 巻き芯(コア)の外径

単位:mm

③ フィルムの長さまたは希望外径

単位:m / mm

「巻き君」の活用

マイポックスでは、値を入力するだけで外径や巻き長さを瞬時に算出できるツール「巻き君」をご用意しています。テープガイドのギリギリまで巻ける長さのご提案など、お客様のご要望に迅速かつ正確にお応えすることが可能です。

巻き君にて外形や長さの算出

2. エンドマーク ― フィルムの終わりを知らせる仕組み

エンドマークとは

研磨フィルムを使った自動研磨では、フィルムが終端に近づいてもセンサーが検知しなければ、そのまま研磨が続いてしまい未研磨ワークが流出するリスクがあります。これを防ぐのがエンドマークです。

エンドマークの仕組み
エンドマークは、巻き芯(コア)への巻き始めから1.5m付近に施すマーキングです。フィルムが残り約1.5mになったタイミングでセンサーがマークを検知し、パトライト(回転灯)等でオペレーターに交換時期を知らせます。

研磨設備によって砥粒面が外巻きか内巻きかが異なるため、エンドマークを施す面・方法もいくつかの種類があります。

エンドマークの種類
テープ貼り付け マジック線引き
エンドマーク(P/T)
黒テープを巻き芯の1.5m付近のPTE面に貼り付け
エンドマーク(T)
黒テープを巻き芯の1.5m付近の砥粒面に貼り付け
エンドマーク(P/WHITE TAPE)
白テープを巻き芯の1.5m付近のPTE面に貼り付け
エンドマーク(P)
黒マジックで巻き芯の1.5m付近のPTE面に線引き
エンドマーク(標準)
黒マジックで巻き芯の1.5m付近の砥粒面に線引き

センサーなし設備への対応

設備によってはセンサーが搭載されていない場合もあります。その場合は、エンドマーク自体の仕様(有無・種類)を事前に確認したうえで、作業者による目視確認のルールを設けることが重要です。

まとめ

本記事では、研磨フィルムの仕様管理に関わる2つのポイントを解説しました。

この記事のまとめ
外径↔長さの関係は、フィルムの総厚・コア径・目標値の3情報で把握できる
エンドマークは設備仕様に合わせた種類を選定し、未研磨ワーク流出防止につなげる

研磨フィルムの「長さ・外径・終わり」を正しく把握することは、生産効率と品質の両立に直結します。フィルム選定やトラブル対応でお困りの際は、ぜひマイポックスにご相談ください。


記事No,448