サンドペーパーとは、紙や布などの基材に研磨材を接着した研磨用の資材で、「紙やすり」とも呼ばれます。木材や金属の表面を削ったり整えたりする際に使われ、基材・研磨材・接着剤の組み合わせによって多くの種類があります。使い方に合わないサンドペーパーを選ぶと、期待する仕上げ面や耐久性が得られないことがあるため、本記事では原材料の規格から種類ごとの特徴までをご紹介します。
目次
サンドペーパーを使った研磨の必要性
木材や金属などの材料の表面を保護し、美的・機能的付加価値を高めるために表面加工が行われます。研磨・研削もその手段のひとつで、この工程を省略すると密着不良や着色ムラなど、品質上の問題が起こります。研磨作業には主に3つの目的があります。
不要なものを除去する
表面の汚れを取る/厚みを調整する/バリを取る
表面を平滑にする
傷を除去する/塗装面を平滑にする/摩擦を低減する
表面に凹凸を付ける
重ね塗り時の密着性向上/艶消し・ヘアーライン加工
紙・研磨材・接着剤の種類
サンドペーパーは「基材(紙)」「研磨材」「接着剤」という3つの要素の組み合わせで構成されています。それぞれの違いを見ていきましょう。
基材(紙)
基材(紙)は、一般には「紙やすり」と呼ばれることも多い部分です。基材には、クラフト紙・防水処理紙・ラテックス処理紙があり、単位面積あたりの重量によって次のように区別されます。
Aw
研磨紙:95g/㎡未満
耐水:110g/㎡未満
厚み:約95μm
強度は弱いが柔軟性に富み曲面になじみやすい。手研磨・バイブレーションサンダー用。
Cw
研磨紙:95〜140g/㎡
耐水:110〜150g/㎡
厚み:約140μm
最も標準的な強度。ストロークベルトサンダーに標準使用。ラテックス処理タイプは手研磨・サンダー用。
Dw
研磨紙:140〜200g/㎡
耐水:150g/㎡以上
厚み:約190μm
強度がやや強く紙も硬い。粗い粒度でサンダー用。
Ew
研磨紙:200g/㎡以上
耐水:-
厚み:約270μm
最も強度があり硬い。ワイドベルトサンダー・エッジサンダー等の強研磨用。
研磨材
研磨材には天然産と人造がありますが、サンドペーパーには主に人造の3種類が使われています。
AA(溶融アルミナ/赤褐色)
硬度はやや落ちるが粘りがある。切込みが浅く研磨力は小さいが仕上げ面が細かい。柔らかい塗装膜で目詰まりが少なく耐久性が良い。
WA(溶融アルミナ/白色)
AAより形状が鋭く研磨力がある。塗膜研磨で研磨性がよく目詰まりも少ない。
CC(炭化珪素/黒色)
硬度はあるが脆い。形状がシャープで研磨力が良いが仕上げ面は粗くなる傾向。硬い木材や塗装膜に適する。
接着剤
サンドペーパーは研磨材を紙基材に接着し固定するために2回接着剤を塗布します。この接着剤は合成樹脂接着剤を使用し、基材の種類によって使われ方が異なります。
レジン(記号:R/R)
メイクコート:レジン
サイズコート:レジン
呼び名:オール・レジン、レジン・オーバー・レジン
特色:耐熱性があり、高速・高過重下の機械研磨用に使用する。
耐水性レジン(記号:W/P)
メイクコート:耐水性レジン
サイズコート:耐水性レジン
呼び名:耐水(ウォーター・プルーフ)
特色:紙基材は防水処理を行ったものに使用する。接着剤も耐水性レジンを用いて主に水を使用した湿式研磨に使用する。
接着剤の樹脂タイプによる違い
レジン(R/R):耐熱性があり、高速・高過重下の機械研磨用。
耐水性レジン(W/P):防水処理紙に使用。耐水性レジンで、主に水を使う湿式研磨用。
耐水性レジンを用いた耐水ペーパーの具体的な使い方や番手の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
番手(粒度)による違いについて
サンドペーパーは、これまで説明した基材・研磨材・接着剤の組み合わせに加えて、「番手(#で表される粒度)」によっても仕上がりが大きく変わります。数字が小さいほど目が粗く、大きいほど目が細かくなります。用途別の具体的な番手の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
研磨力・仕上げ面粗さと耐久性について
サンドペーパーに要求される性能には、研磨力・仕上げ面・耐久性・強度・使いやすさなどがあり、これらが同時に、または個別に要求されます。この中から特にサンドペーパーの基本的な性能である研磨力と仕上げ面について説明いたします。
①粒度:粗い研磨材の方が細かい研磨材より研磨力が高くなります。
②研磨材の種類:形状がシャープなCC研磨材は研磨力が高い傾向。ただし硬い対象物を回転工具で研磨する場合はCCが欠けやすく、AAやWAの方が研磨力が高くなることがあります。
③接着剤の種類:硬い接着剤ほど研磨力が高くなります。
④基材の種類:接着剤と同様、硬い基材ほど研磨力が高くなります。
仕上げ面粗さ
研磨力と仕上げ面粗さは相関関係にあり、研磨力が高くなるほど仕上げ面粗さは粗くなります。そのため上記の研磨力が高くなる要素は、同時に仕上げ面を粗くする要素でもあります。
耐久性について
サンドペーパーの耐久性は、水を使わない乾式研磨の場合に、研磨したカスがサンドペーパー表面に付着する「目詰まり」が問題になることが多いです。この目詰まりを防止するために、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸を主原料とした「目詰まり防止剤」を塗布したタイプがあります。目詰まり防止剤は耐久性を伸ばせる一方で、研磨力が低下したり、研磨後に塗装する場合は塗装欠陥の原因になったりすることがあるため、用途に応じた選択が必要です。当社ではこの加工を「DS」加工と呼び、DS加工品は製品名の後に「DS」を付けて表示しています。
耐水研磨紙・空研研磨紙の製品例
耐水研磨紙の標準品・金属や塗装面用の万能タイプ。DS品は乾式使用で、特に目詰まりの多い軟質塗面に最適。
金属や木工塗装面用。研磨力を重視したタイプ。乾式・湿式の両方で使用できる。DS品は乾式使用・硬い塗装面が研磨できる研磨力重視タイプ。
硬質の塗装面に最適。高研磨力タイプ。
柔軟なソフトバックタイプ・硬質の木工・金属の塗装面に最適で乾式・湿式の両方で使用できる。
柔軟なソフトバックタイプ。高研磨力中でも仕上げ面を重視したタイプ。乾式・湿式の両方で使用できる。DS品は目詰まりの早い塗装面の乾式研磨に最適。
木工木地と塗装面の曲面と平面の手磨き及びサンダー研磨用。
乾式専用標準品。金属と木工塗装面の研磨に最適。研磨力良好。
木工木地、塗装面に最適。目詰まり少なく仕上げ面良好。
金属木工塗装面に最適。研磨力良好。
木工木地と塗装面の曲面と平面の手磨きサンダー研磨用。
金属および塗装面の下地研磨用。
まとめ最後に
研磨力を重視するなら、硬い基材・接着剤の組み合わせを選びましょう。
仕上げの美しさを重視するなら、柔軟な基材や目詰まり防止加工(DS加工)を選びましょう。
迷った際は、研磨したい対象物(木材・金属・塗装面)と、荒削りか仕上げかという工程を基準に選ぶと失敗が少なくなります。
サンドペーパーは、基材(紙)・研磨材・接着剤の組み合わせによって性能が変わり、さらに番手(粒度)によって用途が大きく異なります。当社は今ある研磨材だけでなく、お客様のご要望に合わせた研磨材製品の改良・開発も行っています。お客様のご要望に真摯にお応えして、カスタマーサクセスにつながるご提案をさせていただきます。
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