車のボディの劣化や傷にお悩みの方は多いのではないでしょうか。そんな方にお勧めしたいのが、車磨き(カーポリッシング)です。くすんでいる塗装面を平滑にすることで、失われていたボディの艶は回復します。
今回は、ボディ磨きについて解説します。

目次

  1. ポリッシングとは
  2. ツールの選定
  3. まとめ

ポリッシングとは

車のボディには、使用年数がたつごとに細かい擦り傷や、雨染み、鉄粉などの汚れが付着しています。擦り傷や雨染み等は通常の手洗い洗車や機械洗車では落とすことが不可能です。 キズや汚れによってボディからの光の反射がうまくいかず、新車時は鏡面だった塗装が本来の性能を発揮できなくなってしまいます。 結果、ボディ表面の輝きにくすみが生じてしまいます。

車のポリッシングとは、細かい粒度の研磨材(研磨ペーパー)と非常に粒子の細かい研磨剤(コンパウンド)を使用し、ボディのキズや汚れを落としていく作業です。

ツールの選定

(1)洗車
ボディを磨く作業を始める前に汚れ落としが大切になります。 まずはボディの洗車からのスタートになります。ここで使用するツールはカーシャンプーになります。 車のボディ表面は、ほこりや砂、雨染みの他に鉄粉などが付着しています。これらが付着したまま作業を行うと、つやが出ないどころかキズを付けてしまう原因になります。 カーシャンプーは、泡立ちと泡切れが良好な商品を使用すると作業が楽になります。

 

(2)ボディの鉄粉取り
ボディのカーシャンプー後に、ボディについた鉄粉、塗装ミスト、などの汚れを取り除くために使用します。作業にはボディが濡れた状態が適しています。ボディが、乾かないうちに使いましょう。鉄粉は、車のブレーキダストや、鉄材料を切削する建設現場近くなどで車に付着し、時間がたつと酸化してボディ表面に固着する、やっかいな汚れになります。特に鉄粉が付着している車のボディ表面は、手でなでるとザラザラしています。 通常のボディーシャンプーでは落としづらい鉄粉汚れには、専用の鉄粉取り粘土を使用しましょう。

(3)マスキングテープ
ポリッシング作業で必要のない箇所を養生する際に使用します。ボディ磨きでは、電動ポリッシャーとバフポリッシング作業で、ボディのエッジ部分、ヘッドライトカバー、グリルカバー、パネルなどを誤って傷つけてしまうのを防ぐために使用します。マスキングテープにはさまざまなサイズがあり、使用する箇所によって選定が必要になります。

 

(4)耐水ペーパー
耐水ペーパーは、ボディ磨きの下準備として、ボディ表面の小さな傷や頑固な汚れを研磨するために使用します。 耐水ペーパーの特徴は、水研ぎができることです。水研ぎとは、耐水ペーパーに水を付けて研磨することです。水なしで研磨する空研ぎよりも、仕上がる表面がなめらかになりやすく、また粉塵が飛散しにくい、目詰まりしにくいといったメリットがあります。

 

塗装表面のクリア層、ボディカラーが塗装されているカラー層についた小傷には、番手#1000~#3000の目の細かい耐水ペーパーを使用しましょう。

(5)コンパウンド
コンパウンドとは、ボディ表面についた傷を消すために使用される研磨剤のことです。
カー用品業界でのコンパウンド、車の塗装についた浅い傷などに使う研磨剤のことを、コンパウンドとして紹介させていただきます。
研磨ペーパーの表面についているザラザラした部分も研磨材ですが、紙に研磨剤が接着されているサンドペーパーに対し、コンパウンドは粉状の研磨剤を薬剤と混ぜ合わせ、液体状になった製品を使用するケースがほとんどです。

研磨ペーパー同様にさまざまな目の細かさの商品が販売されていますが、微細な研磨が行えるものが多く、ポリッシャーという機械にバフ(ウールやスポンジ素材)を装着し、回転させて研磨するなどの方法で用いられます。

(6)ポリッシャー
ポリッシャーは、磨き作業に使用されるハンディタイプの電動工具で、円形のバフを回転させて、コンパウンドを用いて車のボディ表面についた細かな傷消し、水垢取り、塗装面の艶出しや、ワックス塗布などに使用されます。
ポリッシャーは、回転方法の違いで大きく3つのタイプに分類されます。バフを単純に1方向に回転させるシングルアクション、1方向の回転に変則的な動きを加えたギアアクション、回転運動と偏芯運動を組み合わせたダブルアクションの3つです。 手作業に比べて、労力は小さく、楽に研磨作業ができ、広い面積の研磨でも短時間で磨きを終えることができるのがメリットになります。

 

(7)バフ
磨き作業で、車のボディに直接触れるのがバフです。バフ選びのポイントは素材と厚みです。磨き作業の段階に適した素材のバフを選んでください。また、厚みがあるほど、ポリッシャーの回転部分がボディに接触しにくくなります。
車のボディ磨きには、「ウールバフ」と「ウレタンバフ」が使用され、それぞれ、使い方が違います。
ウールバフは、磨き作業の下地処理など、主に傷消し作業に適しており、やや粗い細目か中目のコンパウンドと一緒に使用します。
ウレタンバフは、艶出し・仕上げ作業に適しており、コンパウンドも艶出し・仕上げ用の粒度が細かいものを使用します。

まとめ

今回は、機械を使用した工法を紹介しましたが、ポリッシングには「手磨き」でできる工法もあります。道具を買い揃えようかと迷っておられる方は、まずは手磨き用ツールを購入することをおすすめします。当社は今後も研磨材の課題である目詰まりや耐久性の改善を継続し、お客様に満足していただける製品を開発していくよう努力してまいります。今後の当社製品にご期待ください。