はじめに
Mipoxで製造される細かい粒度の研磨フィルムは、研磨面を手で触るとツルツルしているため、摩擦係数が低いことから、輸送中の衝撃や温度差により、巻き状態が崩れてしまうことがあります。
また、巻状態の崩れを防止するために、真空包装という手段で製品を包装しますが、輸送中の衝撃で包装袋に穴が開いてしまうと空気が入って、未真空状態による巻崩れが発生します。
そのため、包装変更があったときは、輸送時の耐衝撃性を検証するために落下試験を行っています。
落下試験とは
荷物の落下試験の主な目的は、製品包装が耐久性を持ち、輸送中に起こりうる落下や衝撃に損傷がないか確認することです。
この試験により、製品の品質と安全性が確保され、お客様へ適切な製品が届きます。しかしながら輸送中はどうしても製品の落下や衝撃は避けられない場合があります。
例えば、空港での手荷物の取り扱いや物流の過程で、荷物が落下する可能性は少なからずあります。そのため、製品がこれらの状況に耐えられるかどうかは重要な検証事項です。
落下試験の手順
落下の高さの決定
落下試験では、まず製品の輸送環境と総重量に基づいて区分が選ばれます。
その後、落下の高さのパラメータを決定します。
-輸送環境による落下試験レベル区分\
区分 | 区分の目安 |
---|---|
レベルⅠ | 転送積替え回数が多く、非常に大きな外力が加わるおそれがある |
レベルⅡ | 転送積替え回数が多く、比較的大きな外力が加わるおそれがある。 |
レベルⅢ | 転送積替え及び外力の大きさが通常想定される程度である。 |
レベルⅣ | 転送積替え回数が少なく、大きな外力が加わるおそれがない。 |
落下高さ
試験の実施
試験実施時には、製品は図にあるような順序で計10回、実際に落下させます。1角、3陵(辺)、6面の10回の落下
製品の損傷の評価
製品の損傷や破損の程度が評価されます。製品種によって評価項目は様々ですが、前述の巻きズレや製品包装の破損などを確認します。
まとめ
荷物の落下試験は、製品の耐久性と安全性を確認する重要な工程です。この試験を通じて製品の信頼性を確保し、お客様に安心感を提供します。落下の高さや評価基準の選定は、製品の用途や業界によって異なるため、適切な試験条件を選ぶことが重要です。