クリーニングシートはプローブピン(針)の先端に付いた付着物を除去する目的で使用されることが一般的と考えられておりますが、他にも適応可能な目的があることをご存じでしょうか?実は出荷前のプローブピンに対して先端成型を行い目的の形状に加工することができ、クリーニング最中に整形の目的も兼ねご使用頂く事が可能です。本記事では、①異物除去、②先端成型、③リペアの項目に分けてクリーニングシートの使用方法をご説明致します。また最終項目にはインラインでクリーニングシートを使用する際の貼り合わせ先も紹介します。

目次

  1. クリーニングシートの使用方法3選
    1. 異物除去
    2. 先端成型
    3. リペア
  2. クリーニングシートの貼り合わせ先
  3. まとめ

クリーニングシートの使用方法3選

異物除去

プローブピン先端に異物が付着していると、半導体デバイスを検査する際に、通電性エラーで正確に検査を行うことが難しくなります。プローブピン先端に付着した異物を除去する方法としてはクリーニングシートを使用する方法が挙げられます。クリーニングシートに対してプローブピンを数回コンタクトさせることによって、異物をシート側にさせます。当社の標準なクリーニングシートラインナップは4種あり、様々なプローブピンの形状、異物の付着度合いによりシート選定を行うことが可能です。
▽製品特徴

 

▽製品例

 

先端成型

クリーニングシートはプローブピンの先端成型として、高さバラつきの均一化、目的の形状に加工を行うことが可能です。高さバラつきの均一化の場合は、主にPETタイプを使用しプローブピン先端を平滑に研磨します。バラつきを均一にすることにより、2次加工での仕上がり精度が高まります。
目的の形状に加工する場合は、加工後の目的形状によってシートを選定します。クリーニングシートの基材タイプにより加工後の形状に影響するため、しっかりとした選定が必要となります。例えば、ラウンドの形状にする場合は、粗目の研磨材が塗布されたSWEタイプを使用し角を落とすように研磨します。

リペア

検査工程でプローブピンを半導体デバイスにコンタクトさせることによって、プローブピンの先端が摩耗し、高さや形状にバラつきが発生し、電気的特性の検査がスムーズに行えなくなる場合があります。普段クリーニング目的で使用するシート、または番手をより粗くしたシートを使用することによってリペアを行うことも可能です。

クリーニングシートの貼り合わせ先

プローブカード用のクリーニングシートは、プローバーやハンドラーなどの自動機をご使用の場合は、研磨板やダミーウェーハ(デバイス)に貼り合わせる方法があります。研磨板には、各自動機内に設置された研磨板と呼ばれるステージにクリーニングシートを貼り合わせます。あらかじめクリーニングが必要なタイミングでプローブカードが研磨板までコンタクトできるように設定することによって、インラインでクリーニングすることが可能となります。
ダミーウェーハ(デバイス)では、クリーニングシートを貼り合わせてクリーニングウェーハ(デバイス)を作成します。検査中に一定のタイミングでクリーニングウェーハ(デバイス)が、検査工程と同様にステージに搬入されるよう設定することで、インラインでのクリーニングが可能となります。
研磨板とダミーウェーハはどちらもインラインでのクリーニングが可能であるため、クリーニングをする必要がある度に機械を止めることなく検査を続けることが可能です。

まとめ

本記事では、クリーニングシートの選定方法を一部例として紹介しました。実際に使用するプローブピンの先端状態や最終的に求める仕様によって、選定するクリーニングシートが異なる場合があります。クリーニングの要望に適した製品選定を行って参ります。