令和5年度の補正予算において、省エネルギー投資を促進し、需要構造の転換を支援するための事業費補助金が設定されました。その中で「工場・事業場型」における『先進設備・システム』の概要が公開されました。本記事では、この概要を整理し、詳細をブログ形式でお伝えします。
本事業の目的は、省エネルギー投資を促進し、再生可能エネルギーや電気への需要構造を転換することによって、エネルギー使用量を削減しながら生産性の向上を目指すものです。この取り組みの一環として、『IH(高周波誘導加熱)粉体塗装システム』などの先進的な省エネ設備やシステムが対象とされています。
IHシステムの導入により、従来のガスエネルギーから電気エネルギーへの転換が可能となり、年間エネルギー使用量を15%以上削減できることが期待されています。コンプレッサーの年間生産量40万個を想定した場合、従来のエネルギー使用量を大幅に削減することが可能です。また、ガスエネルギーを使用した既存設備から更新することで、乾燥時間の大幅な短縮や化石燃料の使用量削減、省スペース化も実現します。
このシステムは金属部品の粉体塗装後の乾燥工程に使用されます。このシステムを導入することで、乾燥時間の短縮や化石燃料の削減、生産効率の向上も期待されています。技術的には、IHシステムは金属部品の形状や厚さに応じてIHコイルの位置を調整することが可能です。これにより、効率的な加熱と省エネを実現します。さらに、フレキシブルコイル技術を採用し、特許も出願済みです(特開2022-021618)。

製品紹介ページでは、詳細な技術情報や導入事例が紹介されており、具体的な効果を確認することができます。
本事業のキー・ポイントとして、導入により従来のガスエネルギー使用設備から電気エネルギー使用設備へ転換し、省エネルギーを実現できること、乾燥時間の短縮やスペースの削減により、効率的な生産が可能になること、そしてフレキシブルコイル技術の導入により、金属部品の形状に応じた柔軟な加熱が可能であることが挙げられます。
令和5年度の省エネルギー投資促進事業では、先進的な省エネ設備の導入が奨励されています。IH粉体塗装システムはその代表例であり、効率的なエネルギー使用と生産性の向上を実現し、今後のエネルギー使用の最適化に大いに寄与することが期待されます。