かつて我々の身近にある様々な製品の材料として使用されていた『桐』についてのお話しです。現在も桐を材料に製品作りをされている広島県(備後地区)の企業様のご紹介と共に桐の研磨について説明します。
広島県(備後)は桐製品の産地
広島県東部に位置する府中市・福山市新市は備後桐の産地でした。そのため桐は琴や下駄、桐箪笥や桐箱に使用され桐製品は地域を支える産業へ発展しました。現在は人々の生活様式の変化から琴や下駄を使用することも減り、住宅も戸建てから集合住宅へ移り大型箪笥の需要も徐々に減ってきています。

桐の特性
桐の一番の特性は吸湿性・保湿性が高いことです。また防虫・防カビ効果も非常に高く昔から桐箪笥は着物の保管に優れています。また虫やカビを寄せ付けにくいことからも大事な衣装や食材保管にも桐箱は重宝されてきました。また他の木材や合成木材に比べ密度が低いため非常に柔らかく軽いことから琴や下駄などの材料にも使用されてきました。
桐箱を知ろう
先に述べたように桐箱は吸湿性・保湿性に優れており防虫・防カビ効果も高いことからへその緒から棺桶まで、また衣装ケースとしてや食材入れ、贈答用の箱など日本人には身近で密接な関係で使用されてきました。ここでは昔からの製法を受け継ぎ地場の産業として活躍されている曙工芸株式会社(桐箱販売会社:ピアパッコ株式会社)を紹介します。 曙工芸株式会社では昔から日本人に親しまれてきた桐箱を全く新しいイメージで桐箱を創出し世界へ発信をしています。

曙工芸(株)では欧州の有名ブランドメーカーや国内有名化粧品メーカー、有名装飾販売店とのコラボで桐箱を世界中に発信しています。また有名バッグケースや高級洋酒ケース、靴箱、乳歯入れなどを製作し世界43ヵ国へ販売をされています。特に乳歯は再生医療(歯髄細胞)が世界的に注目されており湿度安定性が高い桐箱の特性から乳歯(歯髄細胞)の保存に最適で桐箱需要が非常に高い状況です。
桐箱の研磨について
桐箱は桐箱形状に合わせNC工作機械(マシン制御によるNCルーター)で桐の板を正寸カットします。その形状に抜かれた桐板を側込み(箱の外板貼り合わせ)作業後に天板と底板を側込みに組み入れし研磨を行います。研磨作業は3点式ベルトサンダーを使用し側込み・蓋・底部を面一にするため木工用専用レジンクロスベルトが使用されます。

研磨後に蓋形状(印籠蓋・ヤロー蓋)に組立て再度手作業による仕上げ研磨を行います。桐箱の蓋の特徴は印籠蓋やヤロー蓋と言われ蓋と身(箱本体)が口縁部で合う作りで内部の立ち上がりによって蓋を引っ掛けられ密封度が非常に高く湿度から中身(商品)を守ります。皆様も桐箪笥や桐箱で蓋を閉めると中の空気が溢れたり他の引き出しが飛び出したりした経験があると思います。桐箱作りは桐の素材を活かすための緻密で精度を出しやすい研磨材が必要となります。

最後に蓋にデザインや焼印を入れて終了です。 桐箱は高級製品の梱包に使用されるため多くの手数と研磨の行程をようすることから高額と思われがちですが非常にお手頃な価格で購入できるためノベルティグッズケースとしての需要も高いです。
最後に
皆さん桐箱について知って頂けましたか。ぜひ桐箱を目にした際は手に取って触ってみてください。きっと桐の柔らかで肌触りの良い温もりを感じることができると思います。 日本の伝統工芸を維持し世界に発信している企業がまだまだ日本にはたくさんあります。そんな古き良き伝統を大事に引継ぎながら新しい世界へ発信する企業をMipoxは『研磨』の技術と製品で応援しています。これからもMipox製品をご採用頂くお客様へ「製品品質の向上」と「作業の安全」を最優先にお客様に最適な研磨製品を提供して参ります。