製造業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)は、業務効率化や生産性向上だけでなく、企業の持続可能な成長を支える重要な要素です。 特に上場企業やIPO(新規株式公開)を目指す企業にとって、DXの推進と同時に内部統制の強化が求められます。 ここでは、Salesforceを活用したDX推進の事例と内部統制の担保について詳しく紹介します。

製造業におけるDXの背景

製造業はグローバル化の進展や市場ニーズの多様化により、迅速かつ効率的な対応が求められています。 AIやIoT、クラウド技術を駆使したデジタルソリューションが業務の改善や新たな価値の創出に重要な役割を果たしています。 これらの技術を活用することで、サプライチェーンの最適化、業務プロセスの自動化、顧客体験の向上(CX)が図れます。

 

Salesforceによる製造業のDX事例

Salesforceは、製造業におけるCRM(顧客関係管理)を軸としたDX推進に広く採用されています。 特に、営業管理からアフターサービスまで一貫したプロセス管理を可能にするプラットフォームとして、製造業のデジタル化を強力にサポートしています。 当社では過去13年分の企業活動の全データがデータプラットフォームであるSalesforceに格納されており、今後のAI、Eコマース、マーケティングオートメーションへの活用に期待されています。

Mipoxの事例

Mipox株式会社では2011年にSalesforceを導入し、営業プロセスの見える化を実現しました。 Salesforceの機能を活用することで、見積もりから顧客対応までの一連の業務が統合され、データに基づく意思決定が迅速化しました。 このような業務の効率化により、競争力を強化し、製造業としての成長を支えています。 社内での情報共有や言語化→記録を残す習慣を醸成、Salesforceを短期間で定着させ、結果としてデータを活用したマーケティングの最適化と営業効率の向上を実現しました。 Salesforceを中心に、業務プロセス全体をデジタル化し、経営の透明性(可視化)を高めています。 このような取り組みは、上場企業だけでなくIPOを目指す際の重要な要素である内部統制にも大きく寄与すると思われます。

 

内部統制の担保

上場企業やIPOを目指す企業にとって、内部統制の整備は極めて重要です。 特に、企業の成長とともに複雑化する業務プロセス、決済フローやデータ管理を適切にコントロールするためには、次のような内部統制が必要です。

①業務の可視化とデータの一元管理:Salesforceを活用することで、営業活動や顧客データ、見積もりや契約管理などを一元化し、データに基づいた業務の透明性が確保されます。これにより、企業内での意思決定プロセスが明確化し、業務監査やIPO審査でも重要視される透明な経営体制を担保できます。

②コンプライアンス遵守とリスク管理:Salesforceを通じて業務プロセスを標準化し、コンプライアンスに関わるデータをリアルタイムで追跡可能にすることで、企業のリスク管理能力が向上します。これにより、内部監査の効率化や法的リスクの軽減が可能となり、企業としての基盤が強化されます。

③監査証跡の確立:Salesforceは各種業務の履歴を追跡できるため、業務プロセスにおける透明性と信頼性が確保されます。これにより、監査人が業務フローやデータ管理の正確性を容易に確認でき、内部統制の評価においても高い評価を得ることが可能です。

SalesforceがもたらすDXと内部統制強化の相乗効果

Salesforceを活用した製造業のDX推進は、単なる業務効率化にとどまらず、内部統制の強化という側面でも重要な役割を果たします。 Salesforceの導入により得られるプロセスの一貫性やデータの透明性が、健全な企業運営と持続的な成長を支える強力なツールとなります。 今後、製造業におけるDXと内部統制の強化はさらに進むことが予想され、ITシステムはその中核を担う存在として引き続き注目されるでしょう。

製造業におけるSalesforceの活用は、未来に向けた持続可能な成長と確固たる基盤を築くための最良の選択肢であると言えるのではないでしょうか?

https://www.mipox.co.jp/dcms_media/other/ir_20241001.pdf