帯電ロールと現像ロールは、主にプリンターやコピー機などの複写機で使用されます。これらの装置は、静電気を利用して画像や文字を紙に転写するために、複数の部品が共同して動作します。高い印刷品質のため、これらの部品にも研磨が必要です。それぞれの役割と、研磨の目的を解説致します。

現像ロールと帯電ロールの役割

【現像ロールの役目】

現像ロールはトナー(色粉)を感光体ドラムに塗りつける役割を担っています。 感光体ドラム上に微細な電荷として静電像が形成されます。 トナーは感光体ドラム上の静電像に引き寄せられ、イメージ通りにドラム上に塗りつけられます。

【帯電ロールの役目】

感光体ドラムを均一に帯電させる役割を果たします。感光体ドラムの表面は特殊な物質で覆われており、帯電ロールによって一定の電気荷を帯びます。 帯電ロールは、感光体ドラムの表面に透明な電荷の層(正の電荷または負の電荷)を形成します。

現像ロール 帯電ロール
現像ロール 帯電ロール

研磨の目的

【現像ロール研磨の目的】

金属シャフトにウレタンゴムをライニングしたあと、砥石で研磨して外径の寸法出しを行います。 砥石研磨をすると、ウレタンゴムロールの表面が鱗状痕(ウロコ状)になります。表面が荒れたままだとトナー運搬の性能が出ないため平滑にするために静電研磨フィルムを使用して研磨を行います。

【帯電ロール研磨の目的】

現像ロールと同じで、鱗状痕を除却しロール表面を平滑にすることで、感光ドラムへの帯電効率の向上となります。

研磨前(鱗状痕有り) 研磨後(鱗状痕除去)
研磨前(鱗状痕有り) 研磨後(鱗状痕除去)

研磨設備

円筒研削盤に写真のフィニッシャー研磨ユニットを乗せ研磨を行います。 4インチ幅の静電研磨フィルムにて、トラバースさせながら水溶性のクーラント液を掛けながらの研磨を行います。 このフィニッシャー研磨機での研磨の特徴は、静電研磨フィルムを少しずつ送り常に新しい研磨面にて研磨することにより、常にバラツキの無い安定した研磨加工が出きることです。

フィニッシャー研磨機
フィニッシャー研磨機

研磨フィルムが使われる訳

フィニッシャー研磨に弊社静電研磨フィルムを使用することで、加工条件(ワーク回転数・研磨フィルムの送り速度・コンタクトロールの押し圧など)の設定が決まれば簡単に作業出来、ロール1本目もロール100本目も常に安定した加工(同じ表面粗さ)の製品製造が可能となります。 これこそが、研磨フィルムの特性となり多くのユーザー様にご使用頂いております。

【静電研磨フィルム(VARIOFILM)】

静電研磨フィルムの特徴としては、研磨微粒子を厚みが平滑で強靱なポリエステルフイルム基材に静電塗布方式によりコーティングすることで、効率良く均一な仕上げ面を得ることが出来、耐水・耐油性に優れた接着剤を使用することで、湿式・乾式の研磨が可能となります。粒径をミクロン単位で管理された研磨微粒子により精密な研磨性・仕上げ性を実現することが出来ます。

VARIOFILM

【まとめ】

現像ロールや帯電ロールの表面研磨では、フィニッシャー研磨機と静電研磨フィルムの組み合わせで、表面粗さの管理(コントロール)が容易に出来、量産にも対応可能となっております。特に現像ロールでは、トナーの色によっては微妙に表面粗さが違う場合が有り、フィニッシャー研磨機の加工条件を替え、また静電研磨フィルムの番手を替えることで、微細な表面粗さの対応が可能となります。