屋久杉は日本の屋久島に自生する常緑針葉樹で、その美しい木目と高い耐久性から古くから建築材や工芸品の素材として重宝されてきました。特に屋久杉の研磨加工はその独特の木目を引き出し、製品の高級感を高める重要な工程です。
今回の記事では屋久杉の研磨加工の特徴や技術、そして研磨加工が製品の価値に与える影響について解説します。

屋久杉の特性と研磨加工の重要性

屋久杉
(画像=屋久杉)

屋久杉の特性

屋久杉は、高い耐久性と美しい木目が特徴の木材です。その特性は以下の通りです。
① 高い耐久性:屋久杉は通常の杉と比べ樹脂分が多いことから腐朽菌や害虫に強く、長期間使用できる。
② 美しい木目:縞模様の独特の木目が美しく高級感のある仕上がりが得られる。
③ 高い加工性:硬さがほどよく研磨加工が容易に行える。
以上のような特性をもつ木材になります。

研磨加工の重要性

屋久杉の特性を最大限に引き出すためには適切な研磨加工が不可欠です。研磨加工によって以下のような効果が得られます。
① 木目の美しさを引き出す。
② 滑らかな表面を実現し高級感を高める。
③ 製品の耐久性を高める。
このように研磨加工は屋久杉製品の価値を高める上で重要な工程です。

研磨工程と注意点

研磨工程

屋久杉の研磨工程は以下のような工程で行われます。
① 前処理
・屋久杉の表面や汚れやキズを取り除くため粗目の研磨紙(#80~#120)で下地処理を行う。
・木目に沿って丁寧に研磨し表面の凹凸を均一にする。

 

② 中間研磨
・前処理後、より粒度の細かい研磨紙(#150~#240)で中間研磨を行う。
・表面の微細なキズや凹凸を取り除き滑らかな仕上がりを目指す。

③ 仕上げ研磨
・中間研磨後、さらに粒度の細かい研磨紙(#320~#600)で仕上げ研磨を行う。
・表面の微細なキズを取り除き鏡面に近い滑らかな仕上がりを得る。

④ 最終仕上げ
・仕上げ研磨後表面に研磨剤を塗布しバフ研磨を行う。
・これにより、より滑らかで艶のある仕上がりを得る。
・最後に表面を拭き上げ埃などの付着物を取り除く。

この一連の研磨工程では、屋久杉の特性を理解し適切な工具と研磨方法を選択することが重要です。また各工程での温度管理にも細心の注意を払う必要があります。熟練した技術者によって行われる研磨加工により、屋久杉の美しい木目と質感を引き出すことができます。

 

注意点

屋久杉は加工性の高い木材ではありますが研磨加工ではを行う際に高い技術が必要な素材でもあります。特に以下のような点に注意が必要になります。
・木目の方向に注意する
 屋久杉は木目が緻密で硬質なため、木目に逆らって研磨すると表面が荒れやすくなってしまうため木目の方向に沿って研磨することが重要です。
・研磨工程を丁寧に行う
 屋久杉は研磨しにくい木材のため、粗目から細めのペーパーへと段階的に研磨を行う必要があります。急いで研磨を行ってしまうと表面が荒れたりムラが生じてしまう可能性があります。
・研磨後のメンテナンスが重要
 研磨後は木材の表面に油分を与え定期的にメンテナンスをすること滑らかな質感を長く保つことができます。

以上のように、屋久杉の研磨加工では木目の方向、丁寧な工程、研磨後のメンテナンスに注意を払う必要があり、これらの点に留意することで美しい仕上がりを得ることができます。

 

まとめ

今回は屋久杉の研磨加工についてご紹介いたしました。屋久杉の研磨加工はその美しい木目と高い耐久性を最大限に引き出す重要な工程です。研磨によって実現される滑らかな表面と高級感のある仕上がりは屋久杉製品の価値を大きく高めています。Mipoxでは研磨加工技術の向上と職人を支えていけるよう日々進化を続けていきます。
研磨についてお困りごとがございましたら是非当社へご相談ください。