試料片研磨とは
新材料の分析や製品の故障分析をする為に、材料の組織や断面の表面を鏡面加工することで、金属顕微鏡や電子顕微鏡(SEM、TEM等)で観察をするとその組織が浮かび上がり、どんな物質がどのような組織を形成しているかを視覚的に認識できるようになります。
半導体、電子部品の精密断面研磨~観察
・BGAやCSPを搭載したプリント基板のはんだ接合部不良解析
・多層配線板のVIA断面構造、Cuメッキの付きまわり確認
・車載ECUの基板~部品間接合状態の観察
・車載ディスクリートデバイスの断面研磨
・スマホ、タブレット端末などの液晶パネル断面構造観察
・レーザダイオード断面観察 etc
研磨前の準備
切断
試料を切断する時にひずみや割れ欠けが発生しないように平坦に切り出し、また、キズや熱の発生にも注意しなければなりません。
埋込樹脂
試料の切断後、そのまま次の研磨工程に進む時もありますが、多くの試料は、試料のエッジに掛かる負荷の低減やダレの発生を防ぐためにエポキシやアクリル樹脂に埋込を行います。
試料片断面研磨用研磨材
・荒・中間仕上げ研磨 (P80~P2000)
ダイヤモンド・炭化ケイ素などの炭化物系研磨は、砥粒が鋭利な切削角を持っているため除去力が高い固定研磨材であり、安定した仕上げ面を維持することが可能です。


・仕上げ研磨(9μ~μ以下)

アルミナ、コロイダルシリカなどの酸化物系研磨剤の砥粒は丸みを帯びた形状を持っており、除去力は劣る遊離研磨材を使用するケースが多く、仕上げ研磨に適する。但し、試料の硬度が高い場合、ダイヤモンドスラリーを使用するケースがあります。
・アルミナ・ダイヤモンドフィルム・スラリー
・コロイダルシリカフィルム・スラリー
試料片研磨方法
・研磨は、一般的に一定の圧力で試料を押さえつけ、円形耐水研磨紙を使用して、機械・手動で行われます。これにより、均一な表面が得られます。

試料片研磨の重要性
・分析精度の向上: 研磨された試料は、顕微鏡やその他の分析機器での観察が容易になり、結果の精度が向上します。
・材料特性の理解: 表面の状態は、材料の機械的特性や化学的特性に影響を与えるため、研磨は材料研究において不可欠なステップとなります。
最後に
今後、電子機器の高性能化や小型化が求められるなか、プリント基板はより高密度化され、基板上により多くの機能を搭載することとなり、電子機器の進化や開発に貢献していきます。一方で、試料片の研磨方法においても、プリント基板の高精度化に伴い、高度な制御システムやセンサーにより、研磨圧や速度を調整、表面の状態をリアルタイムで監視し、最適な研磨条件で研磨することができ、また、熟練者の手作業に匹敵する精度同様に、ロボットアームが自動的に試料を研磨し、均一な仕上がりを実現することも可能となってきています。また、研磨製品おいても市場の変化に対応し、お客様のニーズ・技術の進化に適応した製品・開発、地域密着型の営業とより良いお客様の期待に応えられるようなサービスの提供をおこなっていきます。