ガラスは、私たちの生活に欠かせない重要な素材の1つです。建築物の窓ガラス、光学機器のレンズ、食器や装飾品など、ガラスは私たちの生活を彩る様々な製品に使われています。近年、ガラスの加工技術の進歩により、ガラスの用途はますます広がりを見せています。今回はガラスの加工技術の中でも特に注目されているガラスの端面研磨についてご紹介します。

目次

  1. 端面研磨
    1. レジンクロスベルト
  2. 加工技術の進歩による活用
    1. 建築分野
    2. 光学機器分野
  3. まとめ
 

端面研磨

ガラスの端面研磨とは切断面や端面を研磨することでガラスの強度や光学特性を向上させる技術です。 この端面研磨には以下のような効果があります。

  1. ガラスの強度向上 端面研磨を施すことで、ガラスの強度を大幅に高めることができます。通常のガラスに比べ研磨したガラスの強度は3倍にも達するという報告があります。これによりガラスを使用した建築物の耐震性や安全性を高めることができます。

  2. 光学特性の向上 端面研磨によってガラスの光学特性も向上します。研磨面の平滑性が高まることで、光の反射や屈折が最小限に抑えられ、高い透過率を実現できます。これにより光学機器のレンズなどに使用されるガラスの性能を大幅に向上させることができます。 ※光学特性とは物質が光に対してどのように振る舞うかを表す性質のことで透過性、屈折率、分散、反射率、吸収などの特性があります。

3. 美観の向上 端面研磨によってガラスの表面が滑らかになり美しい仕上がりを得ることができます。これによりガラスを使用した建築物やデザイン性の高い製品の美観を高めることができます。

4. 汚れ防止 研磨したガラスの表面はなめらかで汚れにくい特性を持ちます、これによりガラスの清掃性が向上し長期的な美観の維持が期待できます。 このようにガラスの端面研磨はガラスの強度、光学特性、美観、清掃性などを大幅に向上させることができる重要な技術です。

レジンクロスベルト

ガラスの端面研磨へは当社ではレジンクロスベルト【DRCX-B】をご紹介いたします。
レジンクロスベルトは布基材に砥材を樹脂で固着させ両端を接合してベルト状にした研磨材のことです。DRCX-Bは非鉄金属及びガラス、大理石・セラミック等研磨用の標準品のベルトになります。
粒度は#40、#60、#150、#180、#240、#320をラインナップしております。

DRCX-B
(画像=DRCX-B)

加工技術の進歩による活用

ガラスの加工技術の進歩は、ガラスの用途を大きく広げています。従来のガラス製品に加えて、新しい分野でのガラスの活用が広がっています。

建築分野

建築分野では、ガラスを用いた外壁や屋根が注目されています。ガラスは、光を通しながら断熱性にも優れているため、省エネ性の高い建築物の実現に貢献しています。 強化ガラスや複層ガラスなどの高性能ガラスを使用した外壁ガラスやガラス屋根は光を通し開放的な空間を演出できるだけでなく耐久性や断熱性にも優れています。 またデザイン性も高く建物の外観を美しく演出できるため高級住宅や商業施設などで採用されています。 また、ガラスの加工技術の進歩により、曲面ガラスの製造も可能になり、斬新な建築デザインの実現にもつながっています。

光学機器分野

光学機器分野では、ガラスの高性能化が進んでいます、ガラスの研磨技術の向上により、高い光学特性を持つレンズの製造が可能になっています。これにより高画質な撮影機能を持つカメラやより精密な光学機器の開発が進んでいます。 また、ガラスの加工技術の進歩により3D造形によるガラス製品の製造も可能になってきています。3D造形技術を使えば従来の加工では実現が難しかった複雑な形状やデザインを作成することができ、独自の製品開発が可能になります。 このようにガラスの加工技術、特に研磨技術の進歩はガラスの用途を大きく広げ、私たちの生活に新しい可能性をもたらしています。
ガラスは私たちの生活に欠かせない素材ですがその可能性はまだまだ広がっているといえるでしょう。今後もガラスの特性を最大限に生かした製品開発が期待されます。

まとめ

今回はガラスの加工技術の中でも注目をされている研磨技術について簡単ではありますがご紹介させていただきました。 ガラス研磨には様々な手法があり研磨の目的やどのような分野で使用するガラスなのかなど状況に応じて最適な方法を選択することが重要です。当社ではご紹介したレジンクロスベルト以外にも不織布研磨材やフィルムの研磨材など幅広い製品をラインナップしております。ガラスの研磨でお悩みがございましたらMipoxへご相談ください。