2024年11月21日、23日に愛知県国際展示場にて開催された技能五輪全国大会へ訪問してきました。当社が製造・販売している技能五輪向け高精度やすり「カーボナイトG3」、「EuroHybrid(ユーロハイブリッド)」が多くの企業の選手の方々にご使用いただいている「機械組立て」競技の観戦、そして選手を支える各企業のコーチやスタッフとお会いして、お礼と激励の意を伝えてまいりました。

高精度やすりカーボナイトG3
(画像=高精度やすりカーボナイトG3)

目次

  1. 技能五輪全国大会とは
  2. 機械組立て職種競技と参加企業
  3. 当社製品の学びの場
  4. 奮闘する選手と応援する人々
  5. まとめ

技能五輪全国大会とは

国内最大規模の技能競技と職業観教育の祭典です。
技能五輪全国大会は、1963年に始まった青年技能者の技能レベル日本一を競う技能競技大会であり、 その目的は次代を担う青年技能者に努力目標を与え、 技能の重要性、必要性をアピールし、技能尊重気運の醸成を図ることにおかれています。 全国大会の出場選手は、各都道府県職業能力開発協会等を通じて選抜された者(原則23才以下)とされています。 また、国際大会が開催される前の年の大会は、国際大会への派遣選手選考会(一部職種を除く)をかねています。

機械組立て職種競技と参加企業

今年度の課題は「台車組付け自動装置」になります。

技能五輪課題

機械組立て職種は、大きくわけて「加工作業」と「組立て・調整作業」があります。
選手がやすりを主とした手工具を使い、与えられた課題素材を図面通りの公差±0.01mm以内の寸法精度、幾何公差(直角度・平行度など)で加工します。その後、「組立て・調整作業」では加工した部品を組立て、段差・隙間・平行度・直角度・平面精度を調整し、動作検証までを行います。

加工から完成までには制限時間が設定されており、今回は6時間45分以内に加工から完成コール(完成コールがなければ審査対象外となります。) まで行い、その後に出来映えと動作機能を含めた9項目で採点が行われます。
今年度は28名(11企業、14チーム)が参加し、2日にわたり熱戦を繰り広げました。

当社製品の学びの場

「機械組立て職種」は歴史が長く、1963年の第1回大会からある職種で、自動車関連等の大手企業が多く参加されています。

本大会において11企業の関係者のうち、観戦した1日目は9社の企業関係者の応援者が来場されており、中には会社を掲げて社長自ら選手、スタッフを激励するために来場されている企業もありました。

当社のやすり製品は前章の【加工作業】に使用される工具となりますが、製品を現状のまま使用したり、やすりに加工を施したり各社毎に特徴がでています。

そのため当社のやすり製品が素材加工時にどのように使われているか選手の動きを俯瞰して観るとともに、各チームの使用工具の微妙な差異、移動カメラのライブ映像により、選手の手元で工具がどのように使われているかを詳細に確認することができ、今後の改良点の気づきを得ることができました。

奮闘する選手と応援する人々

会場に入って感じたことは「静」でした。会場にいるみんなが選手の集中力、動きを邪魔しないように静かに見守り、参加選手の加工が進むごとに監督、指導者の『うまくいってるな』という顔や、『少しうまくいっていないな』という表情を感じとることができました。

ご両親が応援にこられている企業もあり、コーチが少し離れた所から静かに現在どのような加工を行っているかを説明していらっしゃいました。終了前になると完成コールを行う選手が出る中、最後の一分前まで調整行い終了10秒前に完成コールを行う選手もいました。

1日目は14人の選手が競技を終え、採点時の動作機能確認時に装置がちゃんと動作したのは半数の7人ほどでした。

機械組立て職種 競技会場
(画像=機械組立て職種 競技会場)

まとめ

今回初めて当社製品が使用されている技能五輪全国大会を観戦してみて、我々が各企業へ提供している高精度やすりの重要度を感じさられる大会でした。観戦を通じて得られた気づきをもとに、さらなる製品改良と技術向上を目指してまいります。