Mipoxは自社保有の各検査装置、測定装置を活用した「受託測定サービス」を提供しています。その中の一つ、白色干渉計(white-light interferometer(WLI))について説明します。

白色干渉計 外観
(画像=白色干渉計 外観)

目次

  1. 白色干渉計(WLI)の用途について
  2. 白色干渉計(WLI)の原理、機構について
  3. Mipoxの白色干渉計(WLI)について
  4. 最後に

白色干渉計(WLI)の用途について

白色干渉計は、光の干渉を利用し、主には表面形状(粗さ、段差、うねりなど)や、波長、屈折率等を測定する事が可能な、非接触型3次元測定装置です。弊社Mipoxで扱う事が多い表面形状測定用途に限っては、弊社の他の測定装置と比較した場合、0.1~10.0mm等の広い視野で測定が可能であること、サブnm程度の高い垂直分解能を有する事(ダイナミックレンジが優れている事)、数秒で測定が可能(測定に要する時間が非常に短い)等、多くの特徴を有しています。
測定結果は、一般的に3D形状で出力されるため、直感的に表面形状を把握しやすく合理的であるため、表面形状測定用途には最も使用頻度が高い測定装置の一つです。 各種半導体ウェーハの表面粗さ測定用途を筆頭に、レンズ等の光学部品の研磨加工や、精密機械部品のラッピング加工における表面形状(平面度測定)、デバイスウェーハCMP加工時の段差測定用途など、幅広い用途に使用されています。
 

ただし、測定原理故、光をよく反射するミラー面(鏡面状態)の測定対象物が前提となります。曇りガラス状(ざらざら、なし地面)の表面を有する測定対象物には不向き、または測定不可となる場合があります。 加え、白色干渉計のデメリットとしては、高さ方向(Z方向)の優れた分解能と比べ左右方向(XY方向)の分解能が劣る事(レーザー顕微鏡(共焦点方式)対比で劣る事が一般的です)、振動に弱く装置の設置環境に左右される事、加え運用面で適切な干渉縞を得るための傾斜設定(ゴニオステージを用いた傾き調整作業)の手間等が挙げられます。それを理解した上で、適切な用途に用いることや、設置場所の養生などを行い、そのデメリットをカバーし安定運用する事が大変重要になります。

白色干渉計 測定作業
(画像=白色干渉計 測定作業)

白色干渉計(WLI)の原理、機構について

白色干渉計は、大まかに「検出器(CCD等の検出部、カメラ)」「光源(白色、それ以外の単色光を用いる場合もあり)」「対物レンズ(干渉対物レンズ)」の比較的シンプルな光学系で構成されていることが一般的です。  光源から放たれた光は、特定の波長幅の光に制限させるための光学フィルター(バンドパスフィルター)を通過し、干渉対物レンズで2つの光に分けられます。
2つの光のうち、一つは光路途中に存在する特殊な鏡(ビームスプリッター)で反射、もう一方の光は測定対象物の表面に落射(反射)させ、再びその2つの光を束ねる(結像)事で干渉させます(干渉縞を発生させます)。検出器でそれを受光させ、その干渉縞を解析する事で、サンプル表面形状(粗さ、段差、うねりなど)を捉えます。

白色干渉計の測定原理 概略図
(画像=白色干渉計の測定原理 概略図)
白色干渉計による測定結果
(画像=白色干渉計による測定結果)

Mipoxの白色干渉計(WLI)について

弊社(Mipox)では、白色干渉計のコンディションを保った状態で運用を行い、各研磨材の開発や、受託研磨加工案件の品質保証に適用をしているほか、受託測定サービスも展開しております。 ZYGO社製 NewView7100を有し、対物レンズx2.5、x10、x50を用い、適切な測定ニーズにお応えします。

最後に

測定できないものは改善できないとよく言われる通り、各問題解決(ブレイクスルー)を果たすためには先ず観る事(正しく状態を把握する事)が不可欠です。弊社のコア技術、特に「磨く」については、各材料の表面性状を正しく把握する手段として、白色干渉計(WLI)は大変重要な位置づけです。当社が磨く技術等と共に培ってきた白色干渉計(WLI)測定技術(測定サービス)を是非ご利用ください。