自動車内装ウッドパネルの見栄えは、自動車に高級感を与え、品質向上という付加価値を生み出すことができます。このウッドパネルは、ハイクオリティな塗装と研磨から成り立っています。
研磨の精度によって、塗装のやりやすさや、仕上げの出来が左右されると言っても過言ではありません。 このウッドパネルの研磨工程にかかすことができない、Mipox製品の紹介をさせていただきます。
自動車内装ウッドパネルを研磨する重要性
ウッドパネルの加工は、何段階もの研磨工程が必要となり、機械作業と手作業を組み合わせて行います。
射出成形から始まり、突板貼り後に着色・塗装をします。この塗装でポリエステル塗料やクリアー塗料を使用するケースがありますが、いかに均一に仕上げ研磨を行い、最終バフ研磨工程へ持っていくかによって完成品のクオリティが変わり、内層に高級感を出すことができます。
ここで大切なことは、それぞれの塗料に対して相性の良い研磨材を選定することです。
塗装に合わせた研磨方法
自動車内装ウッドパネルに使用されるポリエステル塗装は、塗膜が厚く表面硬度が硬いため、高研磨力の製品が要求されると同時に、後工程に備えて安定した仕上げ面粗度が要求されます。
ここでは、ＤＲＣＣ－Ｂ Ｐ６００や、ＷＲＣＣ－Ｂ Ｐ６００を使用することによって、この問題を解決することができます。
パーツによっては複雑な形状のウッドパネルもありますが、柔軟研磨布ベルトのＮＲＷＪ－Ｂ Ｐ６００を専用の研磨機と組み合わせて使用することによって要求に合う研磨をすることができます。
後工程のクリアー塗装は、最終バフ工程できれいに仕上げる必要がある為、特に仕上げ面精度が要求されます。
ここでは、ＷＴＣＣ－Ｂ Ｐ１０００、Ｐ１２００、Ｐ１５００を使用することによって、この問題を解決することができます。当社製品のＷＴＣＣは、均一な砥粒配列が強みであり、この技術により均一な仕上げが可能となります。
ウッドパネルと研磨の関わり
ウッドパネルには種類があります。一つは転写プリントですが、こちらは研磨工程が少なくなり、量産に向いている種類と言えます。
もう一つは今回ご紹介させていただきました研磨が必要であり、天然木材を薄くスライスして、特殊な樹脂で貼り付け塗装されているウッドパネルです。
塗装をすることによって自動車の内装に高級感が生まれます。機械だけでは作られず、精細な手作業が必要になり、木目の特長であるぬくもりを最大限活かすことができます。
元々ウッドパネルの発祥は欧米の馬車と言われています。ボディに木を使う由来は、高級素材のイメージが現在でも続いています。木の素材はメープル、ローズ、ウォールナット等、高級素材を使う場合が多くなっています。
また、ウッドパネルはインパネの真ん中を中心にして、車内全体が左右対称の同じ柄になっているのが基本となっています。
従って、左右を作り分ける必要があり、素材が高級なだけでなく、生産で非常に手間がかかっています。真ん中部分と左右にそれぞれ複雑な形状となっているパーツもある為、柔軟な研磨に対応可能な、柔軟研磨布ベルトＮＲＷＪ－Ｂで研磨をすることができます。
このように、ウッドパネルのパーツごとに研磨布紙を使い分けることがウッドパネルの品質向上に繋がります。
最後に
近年、ピアノブラック仕上げの自動車内装パネルも増えてきています。ピアノブラックには光沢と艶があるので、高級感やスポーティな印象を与えることができます。
ピアノブラック仕上げのウッドパネルは、ABS樹脂に黒の顔料を混ぜた材料で作られています。ABS樹脂は、耐熱性、強度、耐衝撃性、光沢、加工性等の特徴があり、汎用性の高い素材です。
これは、塗装無しで高級感のある仕上げができる工法で作られています。この工法によって塗装工程が減り、工数の削減がされています。
このように塗装・研磨とは別の工法も登場してきていますが、塗装・研磨で手作業を交えながら作られているウッドパネルも健在であり、それぞれの良さがあります。
普段何気なく高級感があると思われるウッドパネルですが、それぞれ作り手のこだわりによって作られており、ぬくもりを感じることが出来ると思います。この付加価値を最大限活かすために、Mipox製品の開発を推進して参ります。皆様もそれぞれのウッドパネルの木目に注目していただき、作り手のこだわりをぜひ感じてみてください。
参考文献
・AUTO MESSE WEB https://www.automesseweb.jp/2021/07/28/725347
・ベスト力Web 樹脂でもツヤツヤの高級感!? 車の内装にピアノブラック なぜ急増？ https://bestcarweb.jp/feature/column/284887