
火力発電所は化石燃料(石炭、石油、天然ガス)を燃焼させて得られた熱エネルギーの電気を生成する施設です。日本全国に167基の火力発電所が稼働して(2025年現在)電力供給の重要な役割をしています。 火力発電の種類は汽力発電とコンバインドサイクルがあり、汽力発電は蒸気の膨張力を利用した発電方式、コンバインドサイクル方式はガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたハイブリッド方式になります。 この記事では、両方式の重要な役割となるタービンブレード研磨についてご紹介させていただきます。
タービンブレードについて
タービンブレードの役割は高温、高圧の蒸気や燃焼ガスがタービンブレードを通過することで熱エネルギーが回転力に変換する部品であり火力発電ブレード(翼)はステンレス材が一般的となります。
製造工程
インゴットからマシニングセンターなど使用して精密加工され翼部曲面部や根部を正確に削り出し、その後複数工程を経て最終製品に仕上げます。 研磨材種類:砥石、クロスベルト、不織布ベルト、ホイール
Mipox研磨材が使用されている工程は機械加工で削り出し後の工程が主な部分となります。
研磨工程
タービンブレードエッジ外周部バリ取り、R面などはクロスベルト使用して粗研磨

研磨材
クロスベルトSRAJ-B T-05 #180 25X3350 翼エッジ部や内(腹部)、外(背部) など全体的に研磨をします。 ブレード研磨においては平面部が少なく曲面が多い為、硬いベルト基材の研磨材を使うとワークに対して均等に当たらず研磨ムラが発生する可能性が高まります。逆にベルト基材の柔らかい研磨材を使用すると研磨力が弱まり研磨時間が増加するため、ワークに熱が入り歪みの原因となります。 今回ご紹介するクロスベルトSRAJ-B T-05は硬さ、柔らかさのバランスが絶妙によく研磨力もあり作業者様より好評を頂きリピート購入されているお客様が多数おります。

壁とは
ブレード研磨では特に作業が難しくベテラン作業者でも苦労する難所があります。 それは「壁」と言われている箇所でブレード内側(腹部)、外側(背部)の壁際にある段差部分です。 クロスベルトで研磨すると余分な部分まで削ってしまい修正作業が必要となる為使用せず、曲面部内径に丁度よいサイズの砥石や不織布ホイールを用いて壁際に当て研磨する工程です。特にこの箇所は研磨中、作業者からは目で確認作業が行えない箇所となり経験と感覚、技術が物を言うところです。 RAゲージで製品の面精度など確認しながら丁寧に仕上げていくブレード研磨技術の醍醐味です。

まとめ
火力発電所は人々の生活に必要な電力を生成しています。重要部品となるタービン内部にはブレード(翼)が内蔵され、この重要な部品製造においては人の手が必要不可欠となり、あらゆる技術を用いて日々研磨作業をされています。 Mipoxでは一般研磨から精密研磨まで幅広い分野で使える研磨材を多数揃えています。お客様のご要望をお聞きして最適な製品のご提案をさせて頂きます。