半導体検査の精度を左右する“見えない主役”、それがプローブカードの「針先」です。 この針先のコンディション管理に欠かせないのが、プローブカード用クリーニングシートです。 今回は、Mipoxが展開する各種クリーニングシートの特徴と開発の背景についてご紹介します。
なぜ針先のクリーニングが重要なのか?
プローブカードは、ウェーハ上の微細電極に接触し、電気特性を検査する高精度な治具です。使用を重ねると、針先に微細な金属酸化物やレジスト、異物が付着し、接触抵抗の増大や測定エラーの原因となります。高精度の半導体生産には無くてはならないのがこの検査工程です。 このような「接触不良」や「測定ばらつき」を防ぐため、針先の定期的なクリーニングは不可欠です。

Mipoxのプローブカード用クリーニングシートとは?
Mipoxは、研磨フィルムのパイオニアとしてのノウハウを活かし、プローブカードの構造や形状に応じたクリーニングシートを幅広く展開しています。
主なラインアップと特長
タイプ名 | 特長 | 対応構造・用途 |
---|---|---|
PETタイプ | ラッピングフィルム+粘着層構造。 シンプルで強固な汚れ除去力。 |
カンチレバー/フラット形状 |
PF3タイプ | 低ダメージ・高効率。カード形状を問わず適応。 | フラットクッション+研磨層 |
SWEタイプ | 凹凸クッション+研磨層。 ポゴピンやラウンド形状に対応。 |
微細構造/クッション性重視 |
BC3タイプ | 低温・柔軟対応。ラウンド・カンチレバー向け。 | クッション粘着+研磨層 |
NWE(開発品) | 微細発泡クッションで狭ピッチに対応。 | 次世代ピッチ・ダメージ低減向け |
耐熱フィルム/UEタイプ | 高温耐性。300℃まで対応可能。 | パワー半導体・高温プローバ |
【参考】総厚は用途に応じて115〜500μmが中心。

技術的進化:微細化・高温化への対応
1. 微細ピッチ対応:NWEタイプ 回路の微細化により、プローブピンのピッチは年々狭くなっています。 Mipoxはこのトレンドに対応すべく、凹凸密度を高めた微細発泡クッションタイプ(NWE)を開発。 従来のSWEシートの約半分の発泡径にすることで、密着性と均一なクリーニング性を実現しました。 2.高温環境対応:耐熱フィルム&クッションタイプ パワー半導体の高温テスト工程では、従来品が物性劣化を起こす課題がありました。 Mipoxは-185℃〜+300℃の耐熱性能を持つポリイミドベースのクッション材を開発し、安定した物性とクリーニング性能を両立させました。特許出願中の技術です。

実装現場で求められる「ダメージレス」「安定」「省工数」
近年のプローブカード工程では、以下のような要求が増えています。
- 測定安定性の確保(再現性・接触抵抗)
- 低ダメージでのクリーニング(特に狭ピッチ・繊細形状)
- 現場での使いやすさ・貼付け性・一貫性
- イオンコンタミレベルをクリアするクリーン度
Mipoxのクリーニングシートは、こうした要望に応えるべく、構造の最適化・材料の厳選・粘着層の調整など、数十項目以上の設計パラメータで製品化されています。

まとめ:半導体検査の精度を支える「縁の下の技術」
プローブカードの針先は、1枚のウエハーに数千〜数万回接触します。この繊細な接点のクリアランスを維持することは、検査結果の信頼性を守ることにつながります。
「見えないが、絶対に必要な仕事」
半導体の検査工程は、チップ性能の向上に伴い増加傾向ですMipoxのプローブカード針先クリーニングシートがその一助を担っていると言っても過言ではありません。

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