2025年7月、Mipox呉ベースにて、自動車メーカー関連の技術者の皆様との恒例の技術交流会を開催しました。本交流会は、技能五輪全国大会(機械組立て職種)に向けた高精度やすりの改良・開発を目的に実施されているものです。 来社された技術者の方々は、全国大会の現場を熟知した“競技のプロ”。Mipoxが手がける高精度やすり「カーボナイトG3」の製造現場を実際に見ていただきながら、性能確認や試し削り、そして新製品へのフィードバックを通じて、貴重な技術交流が行われました。

 

技能五輪で求められる「確かな切削性能」

技能五輪全国大会・機械組立て職種において、やすりの性能は競技の成否を左右します。競技環境では、わずかなズレや削りムラが失点やタイムロスにつながるため、使用されるやすりには高い精度と信頼性が求められます。 Mipoxが開発した「カーボナイトG3」は、反りやねじれを最小限に抑え、切削面に均一な仕上がりをもたらす高精度やすり。1/1000mmの加工誤差が許されない競技で安心して使用いただけるよう、厳格な製造管理体制のもとで製造されています。 今回の現場視察では、完成品を手に取りながら「わずか数回のストローク」で切削性能を見極める様子も見られました。現場で磨かれた“削りのプロの目”に応えるため、Mipoxも日々製造精度の向上に努めています。


新開発製品の試作評価とフィードバック

交流会では、現在開発を進めている「大荒やすり」や「Euro-Hybridシリーズの新たな製品」もご紹介しました。 特に炭素鋼(S50C)などの切削時に発生しやすい「かしり」(切削粉が排出されず、ワークに傷をつけてしまう現象)への対策として、以下のような改善を進めています: • 刃先の形状最適化による排出性向上 • 特殊メッキ処理による切削粉の離型性強化 • ワークとの接触時に摩擦熱を抑える表面設計 試作サンプルを実際にご使用いただき、加工時の滑り具合や排出性、耐久性など、現場ならではのリアルな声を数多くいただきました。 これらのフィードバックは今後の製品設計・改良に直結する貴重な材料です。

 

技術談義で深まる信頼と連携

製品テスト後には、呉ベースの技術メンバーとお招きした皆様との技術談義も行われました。加工条件ややすりの当て方など、実作業に根ざした意見交換が交わされ、研磨技術に対する考え方や、製品への期待値がさらに明確になる有意義な時間となりました。 このような交流を通じて生まれる「開発者と使用者の対話」は、単なる製品改良にとどまらず、信頼関係の構築や新たな技術シーズの発掘にもつながっています。


技術を未来へつなぐために

年に一度の技術交流会は、競技の現場を支える技術者同士の真剣な対話の場であり、日本のものづくり技術の未来を共有する時間でもあります。 Mipoxはこれからも、研磨製品の性能向上に向けた技術研鑽と、企業様との信頼構築を大切にしながら、製造現場に最適な「選ばれる研磨技術」を提供し続けてまいります。 技能五輪での使用実績に裏打ちされた高精度やすりのさらなる進化に、今後もぜひご期待ください。


🔗 技能五輪全国大会に関する詳細情報は、主催団体または大会公式サイトをご覧ください。

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