目次

  1. CIOEとは?中国最大級の光電・フォトニクス総合展
  2. 中国の光コネクタ市場とCIOEの位置づけ
  3. 当社のCIOE出展概要:代理店ブースで光コネクタ向け研磨フィルムを展示
  4. 展示会場で感じた市場トレンド
  5. 今後の方針:現地起点の開発とグローバル展開の両立へ
  6. FAQ:CIOEと中国光コネクタ市場について

CIOEとは?中国最大級の光電・フォトニクス総合展

展示会会場

CIOE(China International Optoelectronic Exposition/中国国際光電博覧会) は、深圳で毎年開催される、中国最大級の光電・フォトニクス総合展示会です。

情報通信、精密光学、レーザー・加工、赤外線・センシング、ディスプレイ、AR/VRなど、光技術を軸とした幅広い分野の企業が一堂に会する「業界横断型」のイベントです。
過去実績として、

  • 出展社数:3,625社
  • 展示面積:約240,000㎡
  • 来場者数:108,063人(うち海外来場者約3,000人)

といった規模で開催されており、直近では3,700社超の出展・12万人以上の来場が見込まれる、世界有数のオプトエレクトロニクス展示会へと発展しています。
2025年開催も同様に、展示面積240,000㎡・出展社数約3,800社・プロフェッショナル来場者14万人規模が想定されており、光通信・光コネクタを含むサプライチェーン全体の動きを把握するには最適な場と言えます。

中国の光コネクタ市場とCIOEの位置づけ

光コネクタイメージ

中国の光コネクタ市場は、以下のような要因を背景に拡大を続けています。

  • 5G基地局の急増・光ファイバ網の拡充
  • 大規模クラウド/ハイパースケール・データセンター建設ラッシュ。
  • スマートシティ/インダストリー4.0に向けたインフラ投資。
  • 高速・大容量ネットワークを前提としたサービス(動画配信、AI、IoTなど)の普及。

このような環境のなかで、光コネクタ・光部品の多くを中国内で完結させる“国内サプライチェーン強化”が進んでおり、ローカルメーカーのシェア拡大と価格競争の激化が加速しています。
一方で、5G・データセンター用途では一定以上の品質も求められるため、「品質とコストのバランス」をどう取るかが各社の競争軸になっています。
CIOEは、こうした動向をリアルタイムで可視化する場として、光コネクタメーカーだけでなく、材料・研磨・検査・装置メーカーにとっても重要なマーケットインサイトの源泉となっています。

当社のCIOE出展概要:代理店ブースで光コネクタ向け研磨フィルムを展示

出展製品
光コネクタ向けマイポックス製品

今回、当社は現地代理店のブースにて、光コネクタ向け研磨フィルムを展示しました。

  • 光コネクタの端面仕上げに使用される 研磨スラリー、研磨フィルム
  • MT/MPOなど多芯コネクタ向けの高平坦性・高再現性を狙ったグレード
  • 中国市場での量産性やコスト要件を意識したラインアップ提案。

といった形で、CIOEの来場者に当社ソリューションを紹介しました。

出展製品 研磨フィルム
出展製品 研磨フィルム
出展製品カタログ
出展製品 スラリー

展示会場で感じた市場トレンド

CIOE展示会イメージ
CIOE展示会

現地での観察やヒアリングを通じて、特に印象的だったトレンドを整理します。

ベトナムをはじめとした海外拠点強化の動き

  • 中国系光コネクタメーカーの多くが、ベトナムへの営業・生産拠点の強化を進めている。
  • コスト最適化・リスク分散を見据えた 「中国+1」戦略。
  • 部材・材料サプライヤーにも「中国+ベトナム」をセットで提案できる体制が求められつつある。

スラリーレス研磨フィルムへの関心(環境対応・クリーン化)

  • 研磨スラリーを使わずに端面仕上げが可能なスラリーレス研磨フィルムについて、一部のメーカーや先進的なユーザーの間で検討・情報収集が始まりつつある段階。
  • 中国市場全体としては、端面精度や研磨品質を最優先する傾向が依然として強く、
    体感値としては90%以上がスラリー研磨プロセスを採用しているイメージ。
  • 一方で、廃液処理・薬品管理の負荷軽減や作業者の安全性向上といった環境・ESG対応の重要度も徐々に高まりつつあり、 中長期的には「品質+環境負荷低減」を両立できる選択肢として スラリーレスへの関心が芽生え始めている 状況。

MT光コネクタの圧倒的なボリューム感

  • 会場での関係者ヒアリングでは、中国国内だけで月間5,000万本規模のMT光コネクタが生産されているとの声もあり。
  • さらに「来年には倍になる」といった見立ても聞かれ、中期的にも量的拡大トレンドは続くとの印象。
  • 多芯コネクタ比率の増加により、研磨フィルムにも“多芯対応の安定性”が一層求められる状況。

中期的な需要拡大と競争軸の変化

  • 5G、データセンター、スマートシティ向け案件は、中期視点でまだ増加余地が大きい。
  • 価格競争は激しい一方で、「歩留まり改善」「研磨時間短縮」「クリーン化」などトータルコストでの訴求が重要に。
  • 材料サプライヤーにも、開発スピードと現地対応力(言語・サポート)がセットで求められている。

今後の方針:現地起点の開発とグローバル展開の両立へ

展示会出展画像

今回のCIOE出展を通じて、当社としては次のような方向性を改めて確認しました。

  • 中国市場に適合した品質基準・仕様設計:日本の品質文化をベースにしつつも、「現地で求められるレベル」に合わせた最適設計を行う。
  • 迅速なサンプル提供と技術サポート :MT・MPOなど多芯コネクタ向けの開発案件にも、スピーディーに対応。
  • スラリーレス研磨フィルムなど環境配慮型ソリューションの提案強化 :中国およびベトナムを含むアジア全体に向けて、ESG対応ソリューションとして展開。
  • 代理店・パートナーとの協業強化 :現地ネットワークを最大限活用し、市場情報と開発テーマを素早く結びつける。

今後も、CIOEをはじめとする国際展示会を通じて、光コネクタ市場の変化をいち早く捉えながら、研磨フィルムを軸としたグローバル展開をさらに強化していきます。

FAQ:CIOEと中国光コネクタ市場について

Q1. CIOEとは何の展示会ですか?

A. CIOEは中国・深圳で開催される、光電・フォトニクス関連の総合展示会です。 情報通信、精密光学、レーザー、赤外線、センサー、ディスプレイなど、光技術を活用した幅広い分野の企業が出展します。

Q2. CIOEの規模はどのくらいですか?

A. 直近の開催では、展示面積240,000㎡、出展社数3,700社超、来場者数12万人以上が見込まれる大規模展示会です。過去実績では3,625社・約10.8万人といった数字も公表されています。

Q3. 中国の光コネクタ市場はなぜ拡大しているのですか?

A. 5G通信インフラの拡大、大規模データセンターの建設、スマートシティ・産業デジタル化などにより、光ファイバネットワークと光コネクタの需要が大きく伸びているためです。

Q4. 中国市場向けの研磨フィルムでは、どのようなポイントが重要ですか?

A.

  • 多芯(MT/MPO)対応の安定した面精度。
  • 現地ユーザーが求める「実用品質レベル」に合わせた規格設定。
  • スラリーレスなど環境対応・クリーン化ニーズへの対応。

Q5. 今後もCIOEへの出展予定はありますか?

A. 光コネクタ・光通信市場の変化を捉えるうえでCIOEは非常に有効な場であるため、今後も現地パートナーとの協業を通じて継続的な参加・情報発信を検討しています。


参考文献