今回は車両の重要部品である、リムホイールの効率的な磨き方についてご紹介します。自動車用ホイールは、車両を構成する基本的な部品の一つです。
1885年、それまでの木製に代わり最初のスチール製ホイールが使用されたのが、ベンツ車であり現在のホイールの始まりと言われています。リムホイール製造工程に研磨は欠かせません。当社製品がお役に立てればと思います。

目次

  1. リムホイールとは
  2. リムホイールの製造工程と磨き方
  3. 磨き方(研磨) ①フラップディスクによる溶接部の研磨
  4. 磨き方(研磨) ②マジックタックペーパーによる溶接部の研磨
  5. 磨き方(研磨) ③溶接部の仕上げ研磨
  6. まとめ

リムホイールとは

リムホイール
(画像=リムホイール)

スチールホイールは鉄製の車輪でコストも安く、大量生産に適しています。強度もあることから一般大衆車や商業車、大型トラック、バス、建設機械などに使用されています。
主にスチールホイールはタイヤが装着される「リム」と車軸に取り付けられる「ディスク」からなる、2ピース溶接構造で製造されます。単に「ホイール」もしくは「リムホイール」と呼ぶのが一般的です。

リムホイールの製造工程と磨き方

リムホイールの製造工程は以下の通りです。研磨が必要になるのは、5.の溶接部研磨と6.の溶接部仕上げ研磨になります。

  1. 鋼板の切断⇒長方形板材がメイン
  2. 曲げ加工⇒円状
  3. 溶接
  4. ロール成型
  5. 溶接部研磨
  6. 溶接部仕上げ研磨
  7. 塗装
  8. 製品

磨き方(研磨) ①フラップディスクによる溶接部の研磨

フラップディスク
(画像=フラップディスク)

リム部は長方形の板材を曲げ、溶接して円環を作ります。溶接部は強度を維持する必要性があり、かなり大きな溶接ビードができます。

第一工程としてハンドグラインダーを使用して手作業を行う場合が多いです。リムの表面は湾曲にデザインされているため、R面が多くなります。
そのため、オフセット砥石などの硬い研磨材は適しておらず、柔軟性のあるフラップディスクが重宝されます。当社のフラップディスクはワークへのなじみが最適で様々な研磨布を選択することが可能な製品となります。

磨き方(研磨) ②マジックタックペーパーによる溶接部の研磨

左:マジックタックペーパー 右ハンドグラインダー
(画像=左:マジックタックペーパー 右ハンドグラインダー)

第一工程では、ハンドグラインダーを使用してフラップディスクで溶接部を研磨しますが、溶接部の状況次第では再度研磨を行います。
主にはダブルアクションサンダーで当社マジックタックペーパーを使用します。サイズは125㎜、 粒度は# 40~240 程度です。
マジック脱着式で簡単に交換が可能なので、フラップディスクに近い研磨力はありますが深い傷が入りません。基材の紙はDW紙を使用しており丈夫で破れにくく高耐久性、次の工程をより効率的に行うことができます。

磨き方(研磨) ③溶接部の仕上げ研磨

NPホイール
(画像=NPホイール)

フラップディスク、マジックタックペーパーで研磨後の、溶接部仕上げ研磨には自動機等を用いて当社NPホイールを使用します。
NPホイールはリムホイールの内側と外側を挟みこむようにすることで同時研磨が可能です。使用するNPホイール形状は、リムホイールのサイズ、デザインによってさまざまです。 リムホイールの表面が湾曲しているため、その形状に合わせて羽根を打ち抜き、組み立てが可能な製品となります。

NPホイールは、回転体なので製品のバランスが重要になります。回転のバランスが悪いとリムホイールの仕上げにも影響が出てしまします。
なので、NPホイールは基本的に手作業で制作しています。手作業で作ることで、用途に応じた研磨布を選択でき、連続切刃自生作用により、加工表面全体の粗さに差がなく均一に仕上がります。また、空冷作用により研磨焼けが入りにくく目詰まりの心配もありません。耐摩耗性に優れ、長時間の連続作業が安全に能率よく行えます。

まとめ

リムホイール各工程の研磨には専用の研磨材が使用されており、作業内容に適するよう改良がされています。特にグラインダー研磨工程では、フラップディスクをよりR面になじませるために柔軟性が求められます。
柔軟性のある研磨布を使用するだけでなく、バックガードにも改良を加えます。ファイバー繊維の材質、太さ、編み方、樹脂処理方法など、さまざまな改良を加えた最適な製品のご用意が当社では可能です。
また、一番大切な安全性にも十分に配慮しています。フラップディスク、NPホイール、マジックタックペーパーはどれも回転体であり、使用方法や製造に不備があると非常に危険な商品です。
安全にかつ、お客様の作業条件に合ったオリジナル製品を弊社はお届けしていきますので是非ともお声がけ下さい。