部屋のインテリアに欠かせない木材の家具、デザインによって形状が一つ一つ異なり、複雑な形状の研磨にも対応する必要があります。本記事では、そのために必要な研磨材をご紹介します。

木材研磨
(画像=木材研磨)

目次

  1. 木材を研磨する重要性
  2. 家具の研磨方法
  3. 木地研磨(素地研磨)
    1. 手研ぎ研磨
    2. サンダーを使用した研磨
    3. ベルトを使用した研磨
    4. 下塗り~仕上げ研磨
  4. 木材研磨の課題と解決方法
  5. まとめ

木材を研磨する重要性

家具に使われる木材に研磨は必要?と思う人もいるかもしれませんが、研磨をするとしないとでは大きな違いが生じます。木材に研磨をして塗装したものは見た目が平滑な仕上がりになる一方、研磨をせずに塗装をしたものは凹凸やザラザラ感をより感じる仕上がりになります。
このように、研磨は外観や質感の品質を良くして高級感を出すことができます。このほか、触れたときに怪我をしないようにするなど、安全面にも良い影響を与えることができます。

木製家具
(画像=木製家具)

家具の研磨方法

家具に使用される木材の一般的な研磨工程は次の通りです。

  1. 木地研磨(素地研磨)
  2. 下塗り
  3. 研磨
  4. 目止め
  5. 中塗り
  6. 研磨
  7. 上塗り
  8. 仕上げ研磨

ここからは、各工程における研磨の方法や使用する研磨材を紹介します。

木地研磨(素地研磨)

手研ぎ研磨

一般的な家具の研磨方法として、まずは最初の木地研磨を行うためにサンドペーパーの#120~#150を使用します。研磨対象の木材の凹凸が激しい場合は#80からスタートして、凹凸を平滑にしていきます。
木材研磨の天敵は研磨紙使用による目詰まりですが、空研ぎ研磨紙のAHAC-SDSやFRCC-SDSを使用することで、木材の研磨カスによる目詰まりを抑制することができます。この目詰まり抑制は、白い模様の金属石鹸がその働きを担っています。手研ぎをする場合、木やプラスチックのブロックを添えて使用しますが、研磨紙とブロックの間にフェルトを挟み使用すると、木材の凹凸に馴染みながら平滑に研磨することができます。

空研ぎ研磨紙
(画像=空研ぎ研磨紙)

サンダーを使用した研磨

家具を製造されている方々は研磨時間を短縮するために、手研ぎではなくサンダーを使用する場合があります。この場合、新製品の剛goQとGO9サンダーをセットで使用することで、目詰まりを抑制しながら高研磨力での時間短縮を実現することができます。金属石鹸を多く塗布している剛goQは高研磨力を持続しますが、オービットダイヤが9mmのGO9サンダーをセットで使用することで、高研磨力の相乗効果を発揮できます。

goQとGO9サンダー
(画像=剛QとGO9サンダー)

ベルトを使用した研磨

曲面や狭い箇所にはサンダーを使用するのが一般的ですが、広い面積を研磨する場合、さらに時間短縮や仕上げ面を均一にすることを目的に、ベルト研磨機を使用することもあります。
研磨布ベルトPRWJ-BやPRWJ-BDSを使用すると、高研磨力で研磨の時間を短縮できます。Jwという柔軟な布基材を採用しているため、ハンドタイプのベルトサンダーとセットで使用することで、凹凸にも馴染み平滑に研磨することができます。

研磨布ベルト
(画像=研磨布ベルト)

ここまで、木地研磨に使用する研磨材や研磨方法を説明してきました。木地研磨は家具製造において重要な工程です。ここでいかに研磨を丁寧に行うかによって、製品の完成度が変わると同時に、次工程以降の時間短縮にもつながります。

下塗り~仕上げ研磨

木地研磨の次は塗装に移ります。塗装工程は①下塗り②中塗り上③塗りがありますが、全ての塗装工程に研磨は付き物です。
①下塗り後は木材のケバ取り、異物取りに粗目の研磨材を使用します②中塗り後は#240程度の研磨材、③上塗り後は#400~#600の研磨材を使用します。①②の目的は、それぞれ次の塗りのために塗装面を平滑にすることにあります。最終的にコンパウンドやワックスを使用して仕上げ、完成となります。

木材研磨の課題と解決方法

木材研磨の天敵は目詰まりです。目詰まりが発生することで研磨の作業性が落ち、研磨作業時間が長くなってしまいます。また、研磨布紙に目詰まりが発生することによって、研磨布紙の交換が頻繁になり、消耗品のコストが上がってしまいます。さらに、目詰まりが発生することで、研磨カスが溜まりダマになり、傷の原因になってしまう場合もあります。
その工程で傷が入ったとしても、次の塗装工程に進んでからでないと傷の発生を見分けることは困難です。もし次の塗装工程で傷が発覚した場合、塗装と研磨の修正が入ったり、最悪廃棄したりしなければならないこともあります。
こうした目詰まりの問題を防ぐために、高研磨力かつ、適切な研磨方法を選定する必要があります。DRCC-BDSという研磨紙製品は、硬質な塗装に対して高研磨力を発揮します。目詰まりを抑制する金属石鹸を研磨カスと同時にほどよく落下させていくことで、目詰まりを抑制し傷の原因を最小限に防ぎます。

研磨ベルト製品
(画像=研磨ベルト製品)

また前述のPRWJ-BDSよりもさらに柔軟性に長けた、研磨布ベルトNRWJ-BDSを使用することで、木材の凹凸や複雑な形状にさらに対応しつつ、高研磨力を維持することができます。
塗料の種類や被削材の形状によって使い分けて使用することが、結果的に作業時間短縮につなげることができます。

まとめ

 今回ご紹介した製品は、手研ぎやサンダー、研磨機を使用した研磨方法ですが、全て職人の腕によって品質が左右される研磨方法です。家具製造において、研磨が自動化されている工程も一部ありますが、まだまだ手作業が多く残っています。木材は一つ一つの木目や硬さが異なり、自動化が難しい分野ではありますが、一方で今後自動化が進んでいく可能性も秘めています。
 Mipoxは職人やDIYをされる方々に最適な研磨材の提案を行い、今後の自動化に向けた研磨材の開発・提案も行ってまいります。

参考文献: マルヤ通商株式会社「木材塗装工程の説明」 http://www.maruya-t.co.jp/topics/wood-coating-2.htm