大理石を使用したテーブルやキッチンカウンター、洗面カウンターは高価で手入れも大変です。しかし少し憧れはあります。このような要望に応えるべく、また施工の簡便さも狙い、開発されたものが人工(人造)大理石です。
もともとは天然石の代替品として作られはじめた人工(人造)大理石ですが、現在では天然石にはないデザインも表現できる素材として認知されており、これからもさまざまな用途や分野に広がるものと期待されています。この人工(人造)大理石を効率的に研磨する方法をご紹介します。

目次

  1. 人工大理石と人造大理石の特色や違い
    1. 人工大理石
    2. 人造大理石
  2. 人工(人造)大理石を研磨する必要性
  3. 人工(人造)大理石の研磨に使用する研磨材の提案
    1. ①人工大理石、異形特注洗面台 フィルムマジックタックタックペーパーによる手研磨作業
    2. ②人工大理石、平面板仕上げの不織布ホイール(NHホイール)での研磨
    3. ③人造大理石の研磨 ダイヤ製品
  4. まとめ

      

人工大理石と人造大理石の特色や違い

人工大理石と人造大理石は、いずれも通称「人大」と呼ばれることが多いようです。よく同じものと思われがちですが、それぞれ特性と違いがあります。

人工大理石

人工大理石は、主に以下の3種類に分けられます。

  1. 不飽和酸ポリエステル系人工大理石(ソリッドタイプ)
  2. ポリエステル系の樹脂に無機物を混入させたコーティングをほどこしてない素材
  3. メタアクリル系など樹脂素材で固めたもの ( お風呂やキッチンなどの水回りでよく使用されます。)

人造大理石

人造大理石は、主に以下の2種類に分けられます。

  1. 石を砕いて樹脂及びモルタルで固めたもの(テラゾー)
  2. 天然石の粒をポリエステル樹脂で固めたもの(グラニット) 天然石よりも安価で大理石に近い高級感が出せます。床材や壁材に使用されています。
人工大理石キッチン
(画像=人工(人造)大理石キッチンイメージ)

人工(人造)大理石を研磨する必要性

人工(人造)大理石を最終製品にするまでには様々な工程があります。一般的には下記のような5種類の製造工程があります。

  1. 樹脂混錬
  2. 成型
  3. 必要なサイズに切断
  4. 加工・研磨
  5. 艶出し

製品化において最も重要となるのは、いかに外観を美しく仕上げるかということであり、そのためには研磨が必要です。研磨は手間のかかる作業ではありますが、省くことのできない工程です。最適な研磨材を選択して出来る限り効率的に研磨することが製品の品質向上につながります。

人工(人造)大理石キッチンイメージ
(画像=人工(人造)大理石キッチンイメージ)

人工(人造)大理石の研磨に使用する研磨材の提案

さまざまな研磨材があるなかで、主に手作業用と自動化用向けの研磨材があります。使用工具や自動化研磨機の仕様に合わせた製品提案が可能です。

①人工大理石、異形特注洗面台 フィルムマジックタックタックペーパーによる手研磨作業

フィルムマジックタックペーパー
(画像=フィルムマジックタックペーパー)

人工大理石のような異形品が多い製品は、形状が多岐にわたり手研磨での作業が必要です。当社のフィルムマジックタックペーパーは、基材がフィルムにて平滑性が良く、従来の紙基材品よりも細かくて均一性の優れた仕上げが可能です。次工程のコンパウンドを使用しての羊毛バフ、スポンジバフ等での艶出し作業前工程に最適で、より美しい艶を出すことができます。また目詰まり防止の強化により耐久性にも優れており、研磨材の交換頻度の軽減によって効率的に研磨することが可能です。

  • WRAF-DDSM 125㎜ #240 #320 ⇒ 粗研磨に最適
  • WRAF-DDSM 125㎜ #600 #800 ⇒ 成型研磨に最適
  • WRAF-DDSM 125㎜ #1000 #1200 ⇒ 仕上げ研磨に最適(艶出し前)

②人工大理石、平面板仕上げの不織布ホイール(NHホイール)での研磨

不織布ホイール
(画像=不織布ホイール)

上述したように異形品の研磨では形状がさまざまになり、自動化が難しくサンダーによる手作業にならざるを得ない場合が多いです。それに対して平面板は研磨機での自動化も検討しやすく、当社の不織布ホイール(NHホイール)で研磨することにより次工程の仕上げが効率的にできます。この製品は不織布研磨材をコアに放射状に接着した製品で研磨時の発熱が少なく、ユーザー様のご要望に応じて外径、幅、粒度、硬度を組み合わせて製作することが可能です。

③人造大理石の研磨 ダイヤ製品

ダイヤ研磨材
(画像=ダイヤ研磨材)

樹脂素材の人工大理石とは違い、人造大理石は大理石や他の石材チップを樹脂およびモルタル、ポリエステル樹脂などで固めた製品となります。このため表面は硬く、通常の研磨紙等では研磨が効率的にできません。基本的にはダイヤ研磨材を使用します。当社のフレックスダイヤは布基材に砥材を刷り込んでおり研磨性も良く、60番~6000番まで粒度規格があります。人造大理石の表面状態を確認しながら、粒度選択を自由にすることが可能です。ハンドポリッシャーに付けての研磨や手磨きでも独特の仕上がり感になり、ユーザー様のご要望にも十分にこたえられる製品となります。

基本工程

  • 下地工程 60番、100番、200番 (下地を整える)
  • 中仕上げ工程 400番、800番 (成型の仕上げ)
  • 仕上げ工程 1500番 (艶出し前工程)
  • 仕上げ工程 3000番(艶出し前工程)
  • ツヤ出し 艶バフ(鏡面)

まとめ

一口簡単に人工大理石、人造大理石と言っても、メーカーごとに独自の技術と定義があり、それぞれに特性があるかと思います。その定義はあいまいな面もありますが、いずれも我々の暮らしには欠かせない物になっています。製品を仕上げるには、様々な工程がありその中でも美しく仕上げるには研磨は重要な工程となります。
本記事では、使用研磨材の提案いたしましたが、あくまでも一例となります。ユーザー様では、自社で研磨方法や、研磨材などを日々研究されて製品品質の向上に努められていると思います。当社には研磨布紙、不織布研磨材、ダイヤ製品、それらを使用しての加工品(ホイール等)、加えて研磨機のご提案もできる体制となっております。ユーザー様ごとの仕様に合わせた研磨材の提供も可能ですので、ぜひとも当社にご相談いただければと思います。