自動車を生産するにあたって必要不可欠な研磨加工。モノづくりを行うにあたって欠かせない作業であるため、さまざまな業種で研磨加工の作業は存在します。 しかし研磨加工の作業工程は業種によって全く異なることをご存じでしょうか? 今回は自動車部品における研磨加工にフォーカスします。

目次

  1. 研磨加工とは
  2. Mipox製品を使用した自動車部品の研磨事例の紹介(工程別)
    1. 1. ボディー溶接・組み立てにおける研磨工程
    2. 2. ボディー塗装における研磨工程
    3. 3. 中塗り塗装での研磨工程
    4. 4. 上塗り工程での研磨工程
  3. 最後に

研磨加工とは

研磨加工とは表面処理の一種であり、金属や樹脂、木などの表面を磨いて滑らかにする加工方法です。
通常、研磨材と呼ばれる微細な硬い粒子を使用して、自動車部品をはじめとする物の表面の凹凸や異物を研磨していきます。
研磨加工の特徴は、加工精度の高さです。研磨加工はマイクロメートル単位で加工量を調整できるため、精度が求められる部品の加工に適しています。表面加工の最終工程まで段階を踏んでいく工程が多くあります。

研磨加工を施せば、光沢のある表面と傷をなくす状態を作ることが可能になります。そのため、金属の内側を鏡面加工したり、樹脂パーツ(プラスチック)の美観が求められる部品を加工したりする際に用いられます。金属素材では、研磨によりワーク表面のサビや変色、汚れも防止できます。

加工の対象は、金属だけではありません。ガラスやプラスチックなども金属と同様に加工できます。研磨加工は、非常に多くの物を磨くことができる加工方法だといえます。


Mipox製品を使用した自動車部品の研磨事例の紹介(工程別)

ここからは、当社製品を使用した自動車部品の研磨事例を工程別に紹介していきます。

1. ボディー溶接・組み立てにおける研磨工程

冷延鋼板を切り出してからプレスし各取り付け場所に収まる一枚の板を製作します。 自動車は各鋼板パーツを溶接し組み上げていきます。この工程で発生した溶接部の肉盛り部を束ね型ディスクで研磨していきます。

ボディー溶接・組み立てにおける研磨工程でのMipox製品
使用砥粒アルミナ
製品名ハイハイディスク
粒度♯40・♯60
サイズ100φ

2. ボディー塗装における研磨工程

自動車の塗装はボディーの素材である鋼板の錆を防止(電着塗装)し美観を整えることを目的としています。
塗装は全工程を通じて最も時間のかかる工程です。
基本は、下塗り→中塗り→上塗りの三層構造から成り立っています。 三層構造にするためには、「洗浄→前処理→乾燥→塗装→乾燥」の工程を何度も繰り返して塗料を塗布していきます。
この工程における研磨工程としては、電着塗装工程に入る前に溶接および組み立て後にできる歪みなどををなくすための研磨になります。 電着塗装から出てきたボディーは、歪み、塗装後の塗料ダレ、塗装ミス、キズ等がないかをチェックしていきます。その部分を研磨しフラットなボディーを作り出していきます。

ボディー塗装における研磨工程でのMipox製品
使用砥粒アルミナ
製品名マジックタックDRAD
粒度♯100・♯150・♯240
サイズ125φ

3. 中塗り塗装での研磨工程

中塗りの役割は、下塗り(電着塗装)の塗装表面を平滑にし上塗りの良さを出すサーフェーサーとしての役割を持っています。 この工程においては、粒度の細かい研磨材を使用します。中塗り工程での研磨は研磨材の目詰まりが非常に早いため使用数量が最も多く「より良い研磨材」を求めるケースが多くなります。当社製品であるマジックタックフィルムは目詰まりが少なく耐久性があるため中塗り工程での使用に最適な製品となっています。

中塗り塗装における研磨工程でのMipox製品
使用砥粒アルミナ
製品名マジックタックフィルム
粒度♯320
サイズ125φ

4. 上塗り工程での研磨工程

自動車メーカーではロボットが均一に塗料を吹き付け意匠性を意識した仕上がりが求められます。 この工程での研磨作業は人の手で行うことが多くなります。
手直し、修正で使用する製品としては、♯1500、♯2000などの細かい粒度のものを推奨します。

上塗り工程における研磨工程でのMipox製品
使用砥粒アルミナ
製品名マジックタックフィルム
粒度♯1500・♯2000
サイズ125φ

最後に

ここまで説明した通り、自動車の塗装前-塗装後の研磨工程までほぼ当社製品で仕上げることが可能となっています。今後も研磨材の課題である目詰まりや耐久性の改善を継続し、お客様に満足していただける製品を開発していくよう努力してまいります。今後のMipox製品にご期待ください。