ご家庭のあらゆるところに使用されている鉄製品。その鉄製品に付きまとう厄介な問題として錆(さび)があります。今回は鉄の錆(赤錆)に着目し、ご家庭でも役立つ錆の落とし方について解説いたします。
赤錆の原因について
赤錆の原因について説明する前に、そもそも赤錆とは何なのでしょうか。 答えは、鉄が酸化した時に発生する酸化第二鉄のことです。 この酸化反応に必要なのが水と酸素です。

図のように、鉄に付着した水分が空気中の酸素と反応してOH-の陰イオンを作ろうとする際、鉄から電子が奪われて鉄イオンが発生します。不安定な鉄イオンはさらにOH-と反応を続け、最終的に水がなくなり赤錆と呼ばれる酸化第二鉄となります。 水滴がつくだけでこんな複雑なことが起きてるなんて…。化学とは恐ろしいものですね。 ともかく、錆が発生する原因は明確ですね!鉄と水分が直接触れることです!
研磨製品を使った様々な錆落としの方法とメリット・デメリット
さて、原因は分かっていても完全に防ぐことが難しい錆。 特に野外で使用する自転車の錆などには読者の皆様も悩まされているのではないでしょうか?
そこで、発生してしまった赤錆を落とす方法をいくつかご紹介いたします!
ステンレスワイヤーブラシ
ホームセンターなので容易に手に入るステンレス製ワイヤーブラシで錆を削り落としてみます。

メリット
・頑固な錆に対して効果的
・溝がある製品に対して有効的
デメリット
・製品に傷を入れやすい
・平面の錆落としには作業がしづらい
クエン酸と重曹
水に溶かしたクエン酸水溶液を布に染み込ませ、錆を覆います。
数分放置した後、水で洗い流してから重曹:水を1:5で混ぜた水溶液を使用して磨いていきます。最後にきれいな水で洗い流して拭き取ります。

メリット
・製品に傷を入れずに錆落としが出来る
デメリット
・頑固な錆は落としきれない可能性がある
・準備に手間がかかる
・広範囲の作業が困難
研磨紙
弊社の耐水研磨紙WTCC600番と1200番で錆を削ってみます。

メリット
・作業が簡単で短時間で錆が落とせる
・安価
デメリット
・粗番手だと作業も早いが、製品に傷を入れてしまう
・溝や穴の錆落としが難しい
不織布研磨材
弊社の不織布研磨剤ユニベックスF(220番相当)、VF(400番相当)、ユニウールパープル(800番相当)で使用して錆を磨いていきます。

メリット
・製品への追従性が良く、作業がしやすい
・目詰まりしない
・他の研磨製品と比べて傷がつきにくい
デメリット
・錆の除去力は研磨紙に劣る
各研磨製品の特徴のまとめ
ここまで4つの錆落としの方法を紹介してきましたが、それぞれに特徴があり、組み合わせることによって作業効率が高まります。

例えば、頑固な錆を落とす際、まずはワイヤーブラシである程度錆を落とした後、不織布研磨剤を使って丁寧に仕上げを行うといった用途が考えられます。
落としたい錆の具合や製品によって使い分ける必要があり、上記のメリット・デメリットを参考にしていただけると幸いです。
覚えておきたい!錆の防止方法
鉄に水滴を付けたまま一日放置してみました。

たった一日でこの状態です。非常に憎いです。 二度とこのような錆に出会わないために次の2つのことを行ってください!
- まずはきれいに洗浄!ただし水気の乾燥には要注意!!
金属の表面についた汚れなどを落としましょう。ここでは水を使っても構いません。
洗浄後はしっかり水気を拭きとってください。
ここで注意してほしいことがあります。
水気の乾燥は極力行わないようにしてください!目には見えませんが水道水にはいくつかの無機物を含んでおり、乾燥させるだけでは無機物が表面に残り、錆や腐食につながる恐れがあります。 - 水気がなくなれば、金属の表面にコーティングを行いましょう
金属の表面にコーティングを行うことで、外気や水に直接触れなくなります。
例えば、チェーンにはチェーンオイルを、鉄なべにはサラダ油を、塗装するとよいでしょう。
ホームセンターにはさまざまな錆止めのコーティング剤が売っていますので適材適所でご使用ください。
まとめ
錆は落とすよりも、発生させない方が簡単です! 適度な手入れを行い、水が付着したまま放置しないことが大切です。
万が一錆が発生した場合、当社の研磨紙・不織布研磨製品を錆落としの方法として思い出していただければ幸いです。
今回使用した研磨紙・不織布研磨材は以下の製品です。



ここまでお読みいただき、ありがとうござました。