ご家庭のあらゆるところに使用されている鉄製品。その鉄製品に付きまとう厄介な問題として錆(さび)があります。今回は鉄の赤錆に着目し、ワイヤーブラシ・クエン酸と重曹・研磨紙・不織布研磨材という定番の4つの方法を、研磨材メーカーである弊社が実際に試して比較検証しました。それぞれの除去力・傷のつきにくさ・手軽さ・コストを一覧表にまとめましたので、ご家庭の錆落としの参考にしてください。

目次

  1. 赤錆の原因について
  2. 研磨製品を使った様々な錆落としの方法とメリット・デメリット
  3. 覚えておきたい!錆の防止方法
  4. よくある質問(FAQ)
  5. まとめ

比較早見表

各手法の詳細な解説の前に、まず結論から見たい方のための早見表です。
◎○△×は本文中のメリット・デメリットに基づく評価です。

方法
除去力
傷のつきにくさ
手軽さ
コスト
ステンレスワイヤーブラシ
×
クエン酸と重曹
×
研磨紙
不織布研磨材


ワイヤーブラシ:頑固な錆に効果的だが傷を入れやすい クエン酸と重曹:傷をつけず落とせるが手間がかかる 研磨紙:作業が簡単で安価だが粗番手だと傷が入る 不織布研磨材:傷がつきにくいが除去力は研磨紙に劣る


赤錆の原因について

赤錆の原因について説明する前に、そもそも赤錆とは何なのでしょうか。答えは、鉄が酸化した時に発生する酸化第二鉄のことです。この酸化反応に必要なのが水と酸素です。

赤錆の発生図

鉄(Fe)酸化第二鉄(Fe2O3)H2OO2水(H2O)にぬれた鉄(Fe)は、空気中の酸素(O2)と少しずつ結びついていきます反応が進むと水分はなくなり、鉄の表面は赤茶色の「赤錆(酸化第二鉄)」に変化します

研磨製品を使った様々な錆落としの方法とメリット・デメリット

さて、原因は分かっていても完全に防ぐことが難しい錆。
特に野外で使用する自転車の錆などには、皆様も悩まされているのではないでしょうか。
そこで、発生してしまった赤錆を落とす方法を、実際に検証しながらご紹介いたします。


ステンレスワイヤーブラシ

ホームセンターなので容易に手に入るステンレス製ワイヤーブラシで錆を削り落としてみます。

ステンレスワイヤーブラシ研磨比較
◯ 頑固な錆に効果的 ◯ 溝にも対応 × 傷がつきやすい × 平面作業がしづらい



クエン酸と重曹

水に溶かしたクエン酸水溶液を布に染み込ませ、錆を覆います。
数分放置した後、水で洗い流してから重曹:水を1:5で混ぜた水溶液を使用して磨いていきます。
最後にきれいな水で洗い流して拭き取ります。

クエン酸と重曹
◯ 傷をつけずに除去 × 頑固な錆は落としにくい × 準備に手間がかかる × 広範囲作業が困難



研磨紙

弊社の耐水研磨紙WTCC600番と1200番で錆を削ってみます。

研磨紙 研磨比較
◯ 短時間で作業可能 ◯ 安価 × 粗番手で傷が入る × 溝・穴が難しい


WTCC
使用製品 耐水研磨紙 WTCC #600 / #1200


不織布研磨材

弊社の不織布研磨材ユニベックスF(220番相当)、VF(400番相当)、ユニウールパープル(800番相当)を使用して錆を磨いていきます。

不織布研磨材 研磨比較

◯ 追従性が良く作業しやすい ◯ 目詰まりしない ◯ 傷がつきにくい × 除去力は研磨紙に劣る


ユニウール ユニウール
使用製品 ユニベックスF / VF / ユニウールパープル


各研磨製品の特徴のまとめ

ここまで4つの錆落としの方法を紹介してきましたが、それぞれに特徴があり、組み合わせることによって作業効率が高まります。

研磨方法まとめ

例えば、頑固な錆を落とす際、まずはワイヤーブラシである程度錆を落とした後、不織布研磨材を使って丁寧に仕上げを行うといった使い方が考えられます。落としたい錆の具合や製品によって使い分ける必要があり、上記のメリット・デメリットを参考にしていただけると幸いです。

覚えておきたい!錆の防止方法

鉄に水滴を付けたまま一日放置してみました。

鉄に水を垂らし一日放置

たった一日でこの状態です。二度とこのような錆に出会わないために、次の2つのことを行ってください。

1. まずはきれいに洗浄!ただし水気の乾燥には要注意 金属の表面についた汚れなどを落としましょう。ここでは水を使っても構いません。洗浄後はしっかり水気を拭きとってください。水気の乾燥は極力行わないようにしてください。目には見えませんが水道水にはいくつかの無機物を含んでおり、乾燥させるだけでは無機物が表面に残り、錆や腐食につながる恐れがあります。
2. 水気がなくなれば、金属の表面にコーティングを行いましょう 金属の表面にコーティングを行うことで、外気や水に直接触れなくなります。例えば、チェーンにはチェーンオイルを、鉄なべにはサラダ油を塗装するとよいでしょう。ホームセンターにはさまざまな錆止めのコーティング剤が売っていますので、適材適所でご使用ください。

よくある質問(FAQ)

Q1
赤錆はなぜ発生するのですか? 鉄に付着した水分が空気中の酸素と反応することで鉄イオンが発生し、最終的に酸化第二鉄(赤錆)となります。鉄と水分が直接触れることが根本的な原因です。
Q2
4つの方法の中で、一番錆がよく落ちるのはどれですか? 頑固な錆に対してはステンレスワイヤーブラシが効果的です。ただし製品に傷を入れやすいというデメリットもあります。
Q3
製品に傷をつけたくない場合はどの方法がおすすめですか? クエン酸と重曹、または不織布研磨材が傷をつけにくい方法です。ただしクエン酸と重曹は頑固な錆を落としきれない場合があり、不織布研磨材も除去力は研磨紙に劣ります。
Q4
一番手軽で時短になる方法はどれですか? 研磨紙が作業が簡単で短時間で錆を落とせ、価格も安価です。ただし粗番手を使うと傷がついてしまう点に注意が必要です。
Q5
錆を予防するにはどうすればよいですか? 洗浄後に水気をしっかり拭き取り乾燥させすぎないこと、そして金属表面にオイルなどでコーティングを行うことが効果的です。

まとめ

錆は落とすよりも、発生させない方が簡単です。適度な手入れを行い、水が付着したまま放置しないことが大切です。 万が一錆が発生した場合、当社の研磨紙・不織布研磨製品を錆落としの方法として思い出していただければ幸いです。

💡この記事の要約
赤錆は鉄と水分が触れることで発生する
落とし方はワイヤーブラシ・クエン酸重曹・研磨紙・不織布研磨材の4種類
それぞれ除去力・傷のつきにくさ・手軽さ・コストが異なり、用途で使い分けが必要
錆を防ぐには「洗浄後の乾燥防止」と「表面コーティング」が有効

最後までお読みいただき、ありがとうござました。


記事No,73