ドアノブ
(画像=ドアノブ)

日常生活の中で使わない日がないぐらい使用している「ドアノブ」。 当たり前に手にしていますが製造過程においては研磨機と人の手による研磨作業が必要となります。今回は、ドアノブ製造時に付着する金属のバリ取り研磨についてご紹介します。

目次

  1. ドアノブに使用される材料
  2. ドアノブの鋳造工程で発生するバリ
  3. ドアノブの研磨作業の必要性
  4. Mipoxの研磨布ベルトの魅力
    1. 柔軟クロスベルト NRタイプ
    2. 柔軟クロスベルト PRタイプ
    3. 柔軟クロスベルト レジノンタイプ
  5. まとめ

ドアノブに使用される材料

バリ取り研磨についてご説明する前に、まずはドアノブの材質について確認しておきましょう。一般ドアノブに使用される材料には、鉄、真鍮、アルミなどがあります。それぞれ汎用製品から高級製品までさまざまな製品に使われており、形や機能性が異なります。一般的には以下のような特色を持ちます。

  • 鉄:安価で大量生産に向いているが重量がありデザイン性に劣る
  • 真鍮:加工性が良いことから装飾製品に向いている
  • アルミ:軽さと丈夫さ、さびにくさ、加工のしやすさなどでバランス的に優位性が高い

ドアノブの鋳造工程で発生するバリ

次にドアノブの鋳造工程をご紹介します。大まかな流れは以下の通りです。

  1. 製品原型となる上下重ねた金型に高温で溶かした金属を湯口から流し込む
  2. 冷却作用により固まった金属を金型から取り出す(離型)

さて、鋳造後に冷却された金型から製品を取り出すと、製品外周部にバリ(突起)が付着することがあります。「鯛焼き」周りにある突起物(羽)のイメージに近いです。
この突起物を取り除く必要があります。そこで金属のバリ取りが必要になるわけです。 

鋳造工程
(画像=鋳造工程イメージ)

ドアノブの研磨作業の必要性

上述したように突起物がある状態では製品となることはありません。バリを除去することで初めて製品としての価値を持つことができます。
バリが残っている部分を手で触ると痛く、最悪の場合は怪我につながる恐れがあります。このようなことが発生しないように研磨作業が必要不可欠となります。またバリが残ると製品精度にも悪影響を及ぼし、不適合製品となる可能性もあります。 研磨作業にはいろいろな方法がありますが、一例として研磨布ベルトを使用したバリ取りの方法についてご説明します。一般布ベルトは基材、接着剤、砥粒で主に構成されており、この材料の構成を調整することで研磨目的に適合した製品となります。
例えば平面部と曲面部とでは研磨材の選定を変える必要があります。その理由は曲面部分に硬い基材のベルトを使用して研磨すると、ワークにうまく当てることができず作業が非効率になります。逆に柔らかい基材のベルトを使用すると馴染みが良くなり、狙った場所を磨くことが可能となり、作業性が大幅に向上します。

このように磨きたい物をどの様に磨くかを考え、その用途に応じた研磨材を選定する必要があります。一般的には平面部には基材の硬さが標準的または硬い製品が使用され、曲面部には基材が柔らかく馴染み性のある製品が使用される傾向が高いです。

ドアノブ製造では基材が柔らかく馴染み性の良い研磨布ベルトが使用されるケースが多いです。これには理由があります。ドアノブの形状が人の手にフィットする曲面の物が多いことや、と装飾が施されたデザイン性の高い物が多いためです。 そこで弊社Mipoxでは柔軟性のある研磨布ベルトをお勧めしています。

Mipoxの研磨布ベルトの魅力

Mipoxでは、3種類の柔軟研磨布ベルト(NR・PR・レジノン)をラインアップしています。ワークの種類・形状・研削力・耐久性・仕上がり具合などさまざまなニーズに対して提案できる製品です。
一例としてドアノブ素地に付着するパーティングライン(PL)除去についてご紹介します。
※パーティングラインとは金型上下を重ねた金型の接合部隙間に付着する線状の境界部鋳造後のドアノブ素地にパーティングラインが付着している場合に表面のバリ状況とワーク形状に応じてベルトサンダー研磨機と柔軟研磨布ベルトを用いて、バリ部分を削り落とし平滑にします。番手構成は#120・#150・#180・#240・#320となります。
パーティングラインを除去するためにバリの大小およびワーク形状に合う製品選択ができると、作業時間の短縮や仕上がり具合の良い研磨作業が可能となります。 それには長年の作業者様の技術と経験も重要な要素となります。なお、回転しているベルトサンダーに長い時間ワークを当てすぎると研磨面を深掘りする原因になりますので、細心の注意が必要となります。

柔軟クロスベルト NRタイプ

主な特徴:特殊な細綾織の布で柔軟性のある基材を使用。
深い曲面にも良く馴染みます。塗装面研磨用。
研磨力の持続性に優れています。
研磨材:WA CC 基材:JW 粒度:#120~600 

柔軟クロスベルト NRタイプ
(画像=柔軟クロスベルト NRタイプ)

柔軟クロスベルト PRタイプ

主な特徴:強靭な合成繊維に柔軟性を持たせたタイプです。
塗装面研磨用 曲面研磨に最適です。
研磨材:WA CC 基材:JW 粒度:#80~1000

柔軟クロスベルト PRタイプ
(画像=柔軟クロスベルト PRタイプ)

柔軟クロスベルト レジノンタイプ

主な特徴:曲面によく馴染み目詰まりしやすい材料に適しています。
塗装面研磨用 研磨力に優れ、平面・曲面研磨に最適です。
研磨材:WA 基材:JW 粒度:#60~600

柔軟クロスベルト レジノンタイプ
(画像=柔軟クロスベルト レジノンタイプ)

ご紹介した柔軟クロスベルトにはそれぞれ特徴があります。                     お客様に適した製品選びのお手伝いができますので何なりとご相談ください。                               

まとめ

今回ご紹介したドアノブの研磨方法と違う工程作業をされている方も多いかと思います。大量生産または少量多品種生産かの違いにより研磨方法や工程にも違いがありますが、最終的には人の手で加工から仕上げまでの工程に携わることで製品の風合いと美観を良くして製品価値を一層高めることができます。研磨目的に合致する研磨材を選定するとことにより作業性が向上し、作業時間も短縮することが可能となります。
今後さらにデザイン性の高い製品や高齢化社会で誰もが安全安心に使用できるドアノブ製品が社会から求められることが予想されています。研磨材と一括りで呼ばれていますが、その一例として研磨布ベルトでの作業工程に応じた製品種類にも違いがあることをお話しいたしました。お客様が使い易くまた作業効率向上のお役に立てる製品をご提案できますので、お気軽にご相談ください。 今後もMipoxでは研磨材の開発とサービスを継続していきます。