製造業に従事する方なら、「バフ研磨」という言葉を耳にすることも多いでしょう。ただ、バフ研磨の作業の意味合いや、位置付けはユーザー様によってさまざまのようです。
一般的には、バフを使用して素材表面を鏡のように光沢を出す作業のことを指す場合が多いのではないかと思います。別の意味合いでは、研磨布紙を使用しての研磨作業自体や、不織布研磨材ホイールを使用しての作業を指すこともあります。このように複数の意味を持つ「バフ研磨」ですが、バフ自体にもさまざまな種類があります。ここでは一部ですがバフの種類とその使用例をご紹介します。

目次

  1. バフの種類
    1. 綿バフ
    2. 麻バフ
    3. レーヨンバフ
    4. 不織布研磨材ホイールバフ(NBPホイール)
  2. 使用例1
  3. 使用例2
  4. まとめ

バフの種類

綿バフ

綿布を積層した製品となります。中心部を渦巻状に縫製したタイプが一般的で、素材に合わせて粗磨きから最終鏡面仕上げまで幅広い用途で使用されています。固形研磨剤とセットでの使用となります。

綿バフ
(画像=綿バフ)

麻バフ

材質は主にサイザル麻を使用しており、主に鉄やステレンスなどの粗研磨に適しています。研磨力もあり固形研磨剤を使用することにより滑らかに研磨が可能です。

麻バフ
(画像=麻バフ)

レーヨンバフ

材質はレーヨンを使用しています。研磨時には粉塵が少なく、ミシン目とレーヨンの組み方により、麻バフよりも研磨力が出ることもあり、独特の仕上がり感になります。アルミ、真鍮、銅、チタンなどあらゆる素材に対応が可能です。

レーヨンバフ
(画像=レーヨンバフ)

不織布研磨材ホイールバフ(NBPホイール)

特殊化学繊維不織布に砥粒を特殊な接着剤で均一に中まで含ませています。不織布基材をコアのまわりに渦巻き状に巻き付けた上で特殊樹脂を浸透しており、滑らかな研磨が可能です。繊維と砥粒が同時に消耗し、常に安定した研磨力と均一な仕上げ面を得られます。この製品については、艶を出す作業の前工程に使用します。傷や潤滑剤を除去することに適しています。

不織布研磨材ホイールバフ
(画像=不織布研磨材ホイールバフ)

使用例1

綿バフ、麻バフ、レーヨンバフ等は、固形研磨剤と液状研磨剤をバフと組み合わせることにより、粗研磨→中研磨→仕上げ研磨→艶出しの各基本工程で使用します。バリや傷を除去することで製品の精度を上げ、美しい鏡面に仕上げていきます。手作業で使用し、バフ研磨機を使用します。

バフ使用例
(画像=バフ使用例)

使用例2

不織布研磨材ホイール(NBPホイール)は、研磨の自動化に向いている製品となります。研磨機を使用して乾式、湿式両面での研磨が可能です。製品自体では艶出し等はできませんが、前工程の傷取りや整面研磨などに適しています。適度な柔軟性があり深い傷も入りにくく、粒度や硬度を選択することによりさまざまなご要望に対応できます。

研磨機
(画像=研磨機)

まとめ

今回ご紹介したバフ研磨に必要なバフは、あくまでも一例となります。一般金属の鏡面仕上げは、バフ(不織布、綿、サイザル等他)研磨剤(固形研磨剤他)と研磨機の周速組み合わせとオシレート、バフ圧の適正な選択が仕上がりに影響します。
研磨は奥が深く、思うような仕上がりにならないことも日々あるかと思います。ユーザー様では自社で研磨方法、研磨材等を日々研究されて製品品質の向上に努められていると思います。当社には研磨布紙や、各種バフのほか、不織布研磨材、ダイヤ研磨材とそれらを使用しての加工品(ホイール等)のご用意が可能です。研磨機などの自動化についてもぜひとも当社にご相談ください。お客様の成功のため、時間はかかっても一緒に問題解決する姿勢を一番大切にしています。