金属の加工方法の中でも表面仕上げ加工に用いられるのが研磨加工です。研磨加工では金属だけでなくプラスチックのような非金属まで幅広い材料を扱います。 今回は研磨加工の中で粗いところから表面仕上げに至るまで使用できる「レジンクロスベルト」についてご紹介します。

レジンクロスベルトDRAX-B、SRAJ-B
(レジンクロスベルトDRAX-B、SRAJ-B)

目次

  1. レジンクロスベルトとは
  2. Mipoxレジンクロスベルトの紹介
  3. レジンクロスの選定のポイント
    1. A砥粒
    2. C砥粒
    3. Z砥粒
    4. セラミック砥粒
  4. レジンベルトの各業界での使用例
  5. まとめ

レジンクロスベルトとは

研磨布では基材(布)に砥材を固着するために接着剤を使用します。
使用する接着剤には天然産接着剤(グルー)と合成樹脂接着剤(レジン)の2種類があり、合成樹脂接着剤をした研磨布をレジンクロスと呼んでいます。 このレジンクロスの両端を接合してベルト状にした研磨材のことをレジンクロスベルトといいます。

レジンクロスベルトはサイズによってベルトサンダーから卓上研磨機、ロボット研磨機など幅広い用途でご使用いただける便利な研磨材です。 弊社(Mipox)ではワークの素材や使用する工具、機械によってさまざまなタイプのレジンクロスを取り扱っています。

Mipoxレジンクロスベルトの紹介

ここでは、弊社で取り扱いのあるレジンクロスベルトを紹介いたします。

DRAX-B 一般金属向け標準品。重研削から研磨まで広範囲の作業が可能。
DRAX-01-B一般金属研削標準品。合繊基材でさらに強度がアップ。
SRAJ-B一般金属曲面研磨用。
SRAJ-B T-05SRAJをさらに柔軟にしたタイプ
WRAX-B S-23一般金属向け湿式標準品。重研削から研磨まで広範囲な作業が可能
FRAX-52-B特殊鋼向け標準品。重研削から研磨まで広範囲な作業が可能。
DRCX-B非鉄金属およびガラス研磨向け標準品。アルミ・銅およびその合金、さらにはガラスなどの非金属の研削研磨に最適
SRCJ-B S-16非鉄金属研磨向けの柔軟タイプ。プラスチックや銅製品等の曲面研磨に使用される
CRCX-B コルクチップ上に研磨材を塗布してあり、コルクの弾性によりクッション性が高く均一な仕上げ面が得られる
PRWJ-BDS柔軟性の高いJw基材を使用し、目詰まり防止加工を施した製品。 アルミ合金、真鍮などの非鉄金属の研磨に最適
PRCJ-BDS柔軟性の高いJwt基材を使用し、目詰まり防止加工を施した仕上げ研磨重視の製品
NEWZ-B 01ステンレスや、チタンなどの難削材の研削研磨に最適。なじみ性がよく、手研磨でも使いやすい
NEWZ-B 02一般鋼材の重研削からアルミ研削研磨まで、広い範囲で快削性を発揮
NEWZ-B 04ステンレスや、チタンなどの難削材の研削研磨に最適
NEWZ-B S-16 焼けにくく曲面研磨の仕上げに適した柔軟性に優れた製品
NEWZ-B S-27 重研削タイプのNewZ-B02のソフトタイプで、高研削力と柔軟性を兼ね備えている
DRSX-B 04 重研削分野で優れた性能を発揮。難研削に対しても、研磨焼けが少なく高い研磨力が持続
DRSX-B 04 T-01 DRSX04の基材強化タイプで基材ホツレに強く、さらに研削性能が向上

上記以外にも、特殊な用途のベルトもご用意できます。お問い合わせください。  

(レジンクロスベルト)

レジンクロスの選定のポイント

レジンクロスでの作業短縮は現場でさまざまではありますが、砥粒が大きな要素となっているため、ここでは砥粒の説明をいたします。

A砥粒

アルミナ系の砥材です。 材料の粘り強さである、じん性が大きく持続性に優れているのが特徴です。耐久性が高く、一般金属や特殊鋼のような硬度の高い金属の研磨に向いています。
黒皮と呼ばれる酸化被膜の除去などの粗い粒度の工程で使用すると作業の短縮も期待できます。

杉田さん記事 砥粒A.jpg

C砥粒

炭化ケイ素系の砥粒です。 世界で3番目に硬い化合物である炭化ケイ素を使用しているのが特徴です。材料の粘り強さであるじん性が小さいため、ガラスや木材といった非金属や、アルミや銅、真鍮などの非鉄金属の研磨に使用されます。
研磨の仕上げ工程で使用すると作業短縮も期待できます。

杉田さん記事 砥粒C.jpg

Z砥粒

アルミナ砥粒を強化したような砥粒です。 非常に鋭い粒形と、自生発刃効果で高い研削力を持つのが特徴です。
ステンレスや高炭素鋼などの重研削用として使用されています。
黒皮の除去などの粗い粒度の工程で使用すると作業の短縮も期待できます。

セラミック砥粒

材料の粘り強さであるじん性が高く、鋭い粒形が持続することと、独特な粉砕構造のため高い研削力が持続することが特徴です。
一般鋼から特殊合金にまで使用されており、優れた切れ味や耐久性を持っています。
幅広いワークに対して使用できるので、組合せによって作業短縮につながります。

レジンベルトの各業界での使用例

ここからはレジンクロスベルトが使用されている業界の例を簡単ではありますが3つご紹介します。
⑴鉄鋼関係
鉄鋼関連では黒皮と呼ばれる酸化被膜の除去や、試験片の分析、表面仕上げに使用されています。

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⑵⑵水栓金具
水栓金具の研磨ではバリの除去や、表面処理、メッキ加工前の仕上げ研磨などバフ工程の前処理として使用されています。  

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⑶自転車
自転車関連の研磨ではクランクやフレームといった部品の研磨に使用されています。
部品のバリ取りや表面処理などの工程で使用されるほか、鉄素材のフレームであれば溶接後の溶接ビートの除去に使用されています。

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まとめ

記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。 レジンクロスベルトにはこの記事でご紹介したこと以外にも、ワークの素材やどういった研磨加工をしたいかによってたくさんの可能性のある製品です。
研磨についてお悩みのある方はぜひMipoxへお問い合わせください。