サンドペーパーで研磨していると、削り粉がサンドペーパーの砂面に付着して急に削れなくなってしまったことはありませんか。そんな時におすすめなのがサンドペーパーの目詰まり防止剤です。
目詰まり防止剤を塗布したサンドペーパーを使用することで耐久性を伸ばすことができ、サンドペーパーの使用量と交換回数を減らすことができます。結果的に作業時間が短縮され、コストダウンにもつながります。
この記事では、サンドペーパーの目詰まり防止剤の効果についてご説明します。
目詰まり防止剤とは
木材や塗装研磨の作業ではほとんどの場合、水を使わない乾式研磨が採用されています。乾式研磨では、サンドペーパーで研磨した削り粉がの研磨材面に付着して目詰まりし、耐久性を下げる原因になります。これを防止するために研磨条件の改善も検討されていますが、サンドペーパーの改良方法の一つとして、金属石鹸を塗布して目詰まりを防止する方法があります。この金属石鹸を目詰まり防止剤(当社での名称はDS加工)と呼んでいます。目詰まり防止剤は、金属石鹸の粉末を接着剤と一緒に溶解してサンドペーパーの表面に塗布しています。

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![]() (画像=目詰まり防止剤ナシ)
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目詰まり防止剤の効果
金属石鹸をサンドペーパーに塗布すると、金属石鹸の粒子がサンドペーパーの研磨材の隙間に入り込みます。削り粉が多く目詰まりしやすい材料を研磨する際に金属石鹸が塗布されていると、削り粉がサンドペーパーの研磨材の間の隙間に入るのを防止し、研磨力を持続させて耐久性を向上させることができます。また、金属石鹸には潤滑性があり研磨時の摩擦熱を減らすことで、熱による削り粉の融着も防止できます。
ただし、目詰まり防止剤が塗布されたサンドペーパーには欠点もあります。耐久性は向上している一方、研磨材面を金属石鹸で覆うため研磨力が低下するのです。そのため、削り粉が付着しにくく、目詰まりの少なくなる材料の研磨には向いていません。
また、目詰まり防止剤が研磨対象に多く付着したままで塗装をすると、塗膜のピンホールや密着不良などが発生する可能性もあります。サンドペーパーで研磨した後に塗装をする場合は、目詰まり防止剤の拭き取り作業を十分に行う必要があります。
目詰まり防止剤が使用できず、目詰まりによりサンドペーパーの耐久性が著しく悪くなる場合は、A砥粒の研磨材を使用したサンドペーパーがお勧めです。研磨材の形が比較的鋭くないので、接着された研磨材同士の隙間が小さくなります。研磨材同士の隙間が小さいと削り粉も研磨材面に付着しにくく、目詰まりしにくくなります。
研磨材形状イメージ C砥粒とA砥粒

製品記号 | 接着剤 | 研磨材 | 基材 | 特徴 |
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FTCA‐DS | WP | CC | Aw | 木工木地と塗装面の曲面と平面の手磨き及びサンダー研磨用。 |
DRCC-DS | R / R | CC | Cw | 乾式専用標準品。金属と木工塗装面の研磨に最適。研磨力良好。 |
DRWC-DS | R / R | WA | Cw | 木工木地、塗装面に最適。目詰まり少なく仕上げ面良好。 |
AHAC-DS | R / R | AA | Cw | 金属木工塗装面に最適。研磨力良好 |
FRCC-DS | R / R | CC | Cw | 木工木地と塗装面の曲面と平面の手磨きサンダー研磨用。 |
DRAD‐DS | R / R | AA | Dw | 金属および塗装面の下地研磨用。 |
最後に
当社は今ある研磨材だけでなく、お客様のご要望に合わせた研磨材製品の改良・開発も行っています。お客様のご要望に真摯にお応えして、カスタマーサクセスにつながるご提案をさせていただきます