3Dプリンターの低価格が近年進み、誰でも気軽に3Dプリンターによる造形品を作れるようになってきました。
造形物のデータをネットからダウンロードしたり、CADソフトなどを使って自分で図面を書いたりする楽しみも増えてきています。そして作った造形品をピカピカにしてかっこいい写真を撮りたいですよね。

その中でこんな悩みはありませんか???

「積層痕をなくして平滑にしたい」
「マルチカラーで造形した物の表面がギラギラしているのを綺麗にしたい」
「塗装するのに塗料を綺麗に塗りたい」

こんな皆様の悩みをMipoxは「磨く」を通じて解決することができます!

本記事では,3Dプリンターで造形した鉄道模型(Nゲージ)を研磨フィルムでピカピカにする方法を紹介します。

目次

  1. 自分だけの鉄道模型が作れる「CAD鉄」とは
  2. Mipoxの研磨フィルムで完璧な仕上がりを目指そう
    1. 誰でも簡単に加工できる「TuneD3」とは
    2. 3Dプリンター造形品の研磨目的例
    3. TuneD3を使ってできること
    4. 研磨プロセス紹介
  3. マルチカラーの3Dプリンター造形品の研磨プロセス
  4. まとめ

自分だけの鉄道模型が作れる「CAD鉄」とは

鉄道模型をCADと3Dプリンターを使って造形する「CAD鉄」というイベントをご存知でしょうか? 
2016年から定期的に開催しており、当社も磨く技術(研磨)を通じてイベントのお手伝いをしています。

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近年では高級な鉄道模型(Nゲージ)と近い価格で3Dプリンターも買えるようになってきたこともあり、自分達だけのオリジナルな鉄道模型を作れることがCAD鉄の魅力だと思います。その中でよりピカピカに綺麗に見せるために私達の磨く(研磨)でお悩み事を解決させて頂きました。

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Mipoxの研磨フィルムで完璧な仕上がりを目指そう

誰でも簡単に加工できる「TuneD3」とは

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TuneD3 タイプ別製品名 用途
Basic  ABS/PLA樹脂成型品用  3工程
Standard  アクリル樹脂成型品用 4工程
Professional  高精度光沢仕上げ用  2工程
Hi-Polish  アクリル透明樹脂用(液状研磨材)
NYLON  ナイロン(ポリアミド)仕上げ用
FLEX  スポンジタイプ研磨材

Mipoxの製品ラインナップにある研磨フィルムの中から最適なものを厳選し、3Dプリンター造形品の形状、仕上げ面、素材にあわせて使っていただけるものとしてTuneD3があります。

3Dプリンター造形品での研磨目的には以下の例が挙げられます。

3Dプリンター造形品の研磨目的例

  • 積層痕除去
  • 造形物の形状修正、微調整(寸法の変更)
  • 透明化
  • 平滑化
  • 塗装時の塗料の密着を良くするための足付け研磨
  • マットな仕上がり・光沢化
  • 美しい表面

では、TuneD3では何ができるのでしょうか?

TuneD3を使ってできること

  • 誰でも簡単に加工することが可能
  • 研磨材の選択次第で表面の仕上がり状態を選べる
  • 造形物を局所的に、必要な箇所のみ限定して研磨することができる
  • 細長く、穴あけ加工、打ち抜き処理が簡単にでき、加工物の形状に合わせて研磨フィルムを自在に細工できる

研磨フィルムを使った研磨方法については『3Dプリント造形物の表面仕上げに最適な研磨|メリットを解説』 の記事でも紹介していますのでぜひご覧ください

研磨プロセス紹介

TuneD3には3~4種類の研磨フィルムが入っており、3〜4つの工程があります。

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粗研磨  → 主に積層痕の除去をして平滑にします。
中研磨  → 粗研磨の目を消していきます。
仕上げ研磨 → 磨くと光沢が出てきます。

マルチカラーの3Dプリンター造形品の研磨プロセス

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前回、CAD鉄様のイベントに参加させて頂いた時に、当社で研磨プロセスの提案と研磨をさせて頂きました。こちらの製品はマルチカラーの3Dプリンター造形品となっております。積層痕があるので光にあたるとギラギラした表面がマルチカラーで彩られた造形物の妨げとなってしまいます。この課題に対してTuneD3を使って研磨をすることでピカピカになり綺麗な仕上がりとなりました。

マルチカラーの3Dプリンター造形品の研磨のプロセスは次の通りです。

Step1:研磨フィルム(グリーン)/9μ(2,000番)
Step1で積層痕を平滑にしていきます。マルチカラーの造形品は色が無い物と比較して研磨しすぎると色が落ちてしまいます。研磨する時は研磨肌を時々見ながらゆっくり研磨していきましょう。

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研磨する時は一定方向のみで手を動かして研磨すると深いキズが入ってしまい消すことができなくなります。回転や色々な方向に動かしながら深いキズが入らないように注意しましょう。
手でも触ってみて積層痕がなくなりツルツルした感じになったらOKです!

Step2:ピンク/TuneD3 Standard
Step2ではStep1で研磨した肌を整えていきます。Step1で使った研磨フィルム(グリーン)程、ピンクは深い研磨キズが入らないのでStep1と同じように動かしながら研磨していきます。ここからは研磨ではなく磨くイメージでいきましょう。表面に艶がでてきたらOKです。これでも綺麗になりますが、更にピカピカにさせるためStep3のイエローで最終工程に進みます。

Step3:イエロー/TuneD3 Standard
艶から光沢も出てくるので光にあてるとキラッと光ります。

※注意点 こちらのマルチカラーで3Dプリントした造形品は水を使いながらTuneD3を使って研磨するとインクが落ちてしまいますのでご注意下さい。


まとめ

今回は、マルチカラーで3Dプリントした造形物の研磨方法を紹介させていただきました。
マルチカラーは造形物の表面に薄くインクが塗ってあるので積層痕を除去するStep1の研磨が難しい素材でした。 研磨をする時に摩擦熱を逃がすため水と一緒に研磨をして研磨カスを落としながら研磨をすることもできるのですが、今回のマルチカラーは水を使うとインクが落ちてしまうため水を使う事ができませんでした。

当社の研磨スタッフも今回プロセスを考える時に苦労いたしましたが、自分だけのオリジナルな鉄道模型(Nゲージ)をピカピカに見せたいCAD鉄参加者様のためにもチャレンジさせて頂きました。今回はとても良い機会をCAD鉄様より頂けたと思っております。
イベント当日に参加者の方から紙やすりとTuneD3の違いを聞かれました。

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紙やすりでも積層痕を落とすことはできるのですが、TuneD3はPet Filmを使っているため平滑な研磨ができます。また、写真のように細い幅にTuneD3をカットしても砂がPet Filmから落ちないため複雑な箇所の研磨をすることができます。
今回のマルチカラーの3D造形品のように曲面の表面にもTuneD3は柔軟性があるため素材に馴染むので研磨ムラが発生しません。そして塗る・切る・磨くの技術で培ったMipoxの研磨フィルム製品を組み合わせることでお客様の課題を解決することができます。
これからも新しいお客様の課題を解決するためにMipox製品は塗る・切る磨くで世界を変えていきます。