伸銅とは、銅および銅合金を塑性加工(圧延・押出し・引抜きなど)して作られた製品のことを指し、鉄、アルミニウムなどとともに広い分野で活躍しています。純銅だけでなく、黄銅(真鍮)や青銅などの銅合金も含まれます。特に最近では、情報通信や精密機器などの先端産業分野での活躍が目立ち、伸銅製品のすぐれた特性が力を発揮しています。

伸銅の特長
伸銅は、導電率の高さや熱伝導率の高さ、加工のしやすさが特徴で、これらの特徴を利用した製品によく使われます。導電率、熱伝導性、加工性以外にも耐熱性、耐食性や美しい金属光沢など多くの特徴があります。また、磁性を帯びないことも大きな特徴であり、電気計器には計器の精度を保つために、磁性を帯びない伸銅品が欠かせない部品となっています。化学工業の防爆防止用工具としても使われており、伸銅品は耐食性が良い金属及び合金の代表です。
- 高い導電性(電線・電子部品に最適)
- 優れた加工性(圧延・引抜きによる細かい形状加工が可能)
- 耐食性・抗菌性(水道管・建築用途に適用)
- リサイクル性が高い(銅は何度でも再利用可能)
伸銅品は、電気・建築・機械・自動車・楽器など幅広い産業で活用されています。
代表的な伸銅品の種類と用途
- 銅板 用途:電気部品、屋根材、装飾品
- 銅管 用途:給湯・給水管、エアコン配管、熱交換器
- 銅棒 用途:電気端子、精密機械部品
- 銅線 用途:電線、ケーブル、通信機器
- 黄銅 用途:水道器具、楽器、装飾品、硬貨
- 青銅 用途:ベアリング、彫刻、ギア
伸銅品の製造プロセス
- 溶解・鋳造:原料となる銅や銅合金を高温で溶解し、鋳塊(インゴット)や鋳片(スラブ・ビレット)に成形。
- 熱間加工(圧延・押出し):鋳造した銅素材を熱間圧延や押出しで加工。熱間圧延 → 板や帯状の製品を作る。押出し → パイプや棒材の製造。
- 冷間加工(圧延・引抜き) 冷間圧延 → 板材や箔を薄く延ばす。引抜き加工 → パイプや線材の寸法精度を高める
- 焼鈍(アニール)冷間加工で硬くなった銅を熱処理して、加工しやすい状態に戻す。
- 仕上げ加工:必要に応じて表面処理を行い、製品の寸法を整えます。
伸銅の傷除去研磨向け研磨製品のご紹介
伸銅は銅を主成分とする合金で、特に美しい光沢が求められる製品に使用されます。傷取り研磨は、表面の傷や汚れを取り除き、光沢を出すための重要な工程です。深い傷に対しては当社の「研磨布ベルトWRAX-B S-23」を推奨します。「研磨布ベルトWRAX-B S-23」は、砥粒を保持する為に非常に硬く耐熱性のある樹脂を使用し、厚みのある布基材に湿式研磨へ対応可能な耐水処理を施しているため、耐久力の優れた製品となっています。また浅い傷や出荷前の仕上げ研磨には「不織布研磨材 NHホイール」を推奨しています。不織布の原反はディップ方式による製造工程のため、砥粒と樹脂を均一に不織布へ接着する事から、伸銅への仕上げ面を非常に綺麗に仕上げる事が可能となります。
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【WRAX-B S-23】 | 【NHホイール】 |
最後に
伸銅の研磨は、さまざまな方法とプロセスを通じて行われ、最終的には高い光沢と滑らかな表面を実現します。これにより、製品の品質が向上し見た目も美しくなります。研磨の技術も日々進化しており、今後も新しい方法や研磨製品の開発を進めていきたいと考えます。