2026年6月、関西大学で開催された「サイエンスキャッスルジャパン2026」で大きな反響を呼んだ泥だんごワークショップ。その熱をさらに昇華させるべく、本格的な泥だんごプログラム「XChallenge program」がいよいよ始動しました。今回は、栃木県・マイポックス鹿沼事業所で開催されたキックオフ(Day1)の模様をレポートします。
全国から集結!社員と高校生の異色チーム編成
今回の参加者は、全国の事業所から公募で集まったマイポックス社員チーム(4人×3組)と、全国から選抜された高校生チーム(3校)の計6チーム。企業の第一線で働くプロフェッショナルと、柔軟な発想と圧倒的な熱量を持つ高校生たちが肩を並べます。
年代もバックグラウンドも異なるメンバーが、「究極の光るどろだんごをつくりだす」というただ一つの目標に向かって探求を深めていく——社内イベントや教育プログラムの新しい形としても、非常に刺激的な試みです。
リバネスによる導入:どろだんごの秘めた可能性
プログラムの冒頭では、本企画を共創する株式会社リバネスから「どろだんごの可能性」についてレクチャーがありました。
たかが泥だんご、されど泥だんご。粘土質の特性、多様な粒子サイズ、水分量・成形方法・磨き方のわずかな違いで結果はまったく変わってきます。この探求プロセスは、宇宙開発をはじめとするさまざまな科学技術の発展にも通じる可能性を秘めているのです。
ハイテク研磨技術×泥だんご:手研磨体験
Day1のメインは手研磨体験です。チーム戦本番の前に、マイポックス社員と高校生がごちゃ混ぜになって交流しながら、どろだんご作りに挑戦しました。
実験の統一条件
「重量」「水」「砂」は全チーム共通。そこにマイポックスが提供したのが、なんと21種類の工業用研磨フィルムです。普段はハードディスクやプローブカードピンのクリーニング、光ファイバーの研磨など最先端のハイテク分野で使用されているもので、ハイテク素材×アナログな泥だんごという真逆の組み合わせが、このワークショップの面白さを加速させます。
【高校生のひらめきがブレイクスルーを生む】
まずマイポックス社員が研磨フィルムの特性を説明し、各自が好みのフィルムを選んで研磨スタート。泥だんごの表面は波打っており細かい砂が入り込んでいるため、いかに平滑さを引き出すかが鍵になります。
私はPETフィルムベースの研磨材でWA2,000番→WA4,000番→WA8,000番と番手を刻んでいきました。そんな中、同チームの高校生が座学で学んだ知識をさっそく実践へ。「タフタシート(繊維状の基材に研磨材がついた製品)」を独自に1工程追加してみたところ、馴染み性があるため凹凸にもよくフィットし、劇的な仕上がりに変化しました。
高校生の発想がもたらした成果
チーム内でこの工程を取り入れた結果、レーザー顕微鏡で見た表面状態が「前回サイエンスキャッスルのチャンピオンデータ」に迫るほどに。座学の知識をその場で実践に落とし込む発想力に、社員側も驚かされました。
研磨材の組み合わせを考えると気が遠くなるような作業ですが、各チームが独自の仮説を立て、個性豊かな仕上がりの泥だんごを生み出していたのも印象的でした。完全な鏡面状態(光を反射して文字が映るレベル)には届きませんでしたが、「あちらを立てればこちらが立たず」という研磨の奥深さを、改めて痛感する時間となりました。
交流会:キノコ菌バトル!?高校生たちの圧倒的な探究心
手研磨体験の後は、参加者同士で日頃の研究を紹介し合う交流会を実施しました。
私のチームの高校生の研究テーマは「キノコの胞子」。シイタケ・キクラゲ・タモギタケ・ヒラタケ・トキイロヒラタケなど複数種のキノコの菌を繁殖させ、互いにバトル(拮抗反応)させるというユニークな実験です。木屑を圧着した菌床を15度と25度の環境で管理するため、湿度コントロールが特に大変とのこと。「今は胞子の研究だけど、将来は菌床づくりにもチャレンジしたい!」と語る目には、研究への純粋な情熱が燃えていました。
おわりに
企業のアセット(技術・素材)と、未来を担う高校生たちのパッションが交差する「XChallenge program」。Day1からすでに、想像を超える化学反応が生まれています。
こうした圧倒的な探究心を持つ学生たちが今後どんなドラマを生み出すのか——今から楽しみでなりません。教育機関・企業の皆様にも、「本気の探究」がもたらす熱量と可能性をぜひ感じていただければ幸いです。
▼ プログラムの概要・最新情報はこちら https://xchallenge.mipox.co.jp/
マイポックスの研磨技術や最新の取り組みについて、あわせてご覧ください。
